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国際法を無視してコソボ独立を大急ぎで承認した米国。経済危機を回避するためにセルビアを再び空爆か?
http://www.asyura2.com/08/wara1/msg/376.html
投稿者 大西健二 日時 2008 年 2 月 27 日 05:56:20: Zg4goyIkX.Zhg
 

【RPE】アメリカの欺瞞・国連の機能不全→コソボ問題

http://www.mag2.com/m/0000012950.htm


★アメリカの欺瞞・国連の機能不全→コソボ問題


全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!

いつもありがとうございます。

北野です。

襲撃されていますねアメリカ大使館。

<セルビア 孤立化警戒 「焼き尽くせ」 暴徒怒り爆発 米大使館襲撃

2月22日15時41分配信 産経新聞

【プリシュティナ(コソボ)=黒沢潤】セルビアの首都ベオグラードで21
日、コソボ自治州独立に反対する市民が米大使館を襲撃したのは、米
国のほか、欧州連合(EU)で英仏独などの主要国を含む10カ国がコソ
ボ独立を承認するなど、セルビアが国際的孤立感を深めているためだ。

極右民族政党が「愛国心」をあおった結果、若者を中心に暴徒化し怒り
が爆発した形となった。>

相当気合入っています。

<「すべてのものを焼き尽くせ」。

ベオグラードの米大使館を襲撃した暴徒たちは、こう叫びながら米国旗
を引きずり降ろし、火を放った。>(同上)

「毎日『コソボ・コソボ』って騒いでいったいなんなんだろう?」

こんな風に感じている読者さんも多いのではないでしょうか?

確かに、日本人にはあまりなじみのない地域ですが。

世界史的に重要な問題を含んでいますので、今回はこの話をしましょう。


▼ユーゴスラビアの分裂


まず基本を抑えましょう。

そもそもコソボ問題ってなんなのでしょうか?

第1大戦後、南スラブ民族を結集した「ユーゴスラビア王国」が成立しま
した。

ユーゴスラビアは、「南スラブ人の国」という意味。

第2次大戦が起こると、ドイツに降伏。

しかし、チトーさん率いるパルチザンが国土を解放し、1945年11月
「ユーゴスラビア連邦人民共和国」が成立します。

ユーゴは社会主義の国でしたが、総本山ソ連と対立、独自の社会主義
建設を目指しました。

80年末から90年はじめにかけて、社会主義陣営は崩壊していきます。

総本山ソ連は15の独立国に分裂。

ユーゴスラビアも91〜92年、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェ
ゴビナ、マケドニアの各共和国が独立。

残されたセルビアとモンテネグロは92年4月、新ユーゴ連邦を樹立しま
す。

その後セルビアとモンテネグロも分裂。

結局旧ユーゴスラビアは、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェ
ゴビナ、マケドニア、セルビア、モンテネグロの6カ国に分裂。

さらに今回、セルビアの一部コソボ自治州が独立を宣言。

旧ユーゴは7カ国に分裂することになったのです。

問題の本質はなんでしょうか?

コソボは一方的に独立を宣言した。
セルビアは、コソボの独立を認めていない。

▼コソボ問題の起源と経緯


地図を見ると、コソボはセルビアの最南端にあり、マケドニア、アルバ
ニアと接しています。

セルビア人は11世紀、コソボを発祥地としてセルビア王国を築いたと
しています。

コソボのこれまでの位置づけは、セルビアの「自治州」。

問題は、ここに住む200万人のうち約90%がアルバニア人だということ。

コソボはセルビア発祥の地なのに、どうしてアルバニア人が90%なの
でしょうか?

昔はセルビア人が大多数だったのです。

しかし、南からアルバニア人が移住してきて、民族構成が変わったの
でした。

さて、社会主義陣営が崩壊していた1990年7月。

コソボも独立を宣言しました。

新しい国名は「コソボ共和国」。

1991年9月、コソボ独立の是非を問う住民投票が実施されます。

投票率87%で、99%が独立賛成。

しかし、コソボが「独立する!」と決意しても、セルビアは許しません。

セルビアは、コソボの自治権を縮小し、軍隊を送り込み、独立運動を封じ
こめます。

1997年頃から独立を目指す「コソボ解放軍」の動きが活発化。

しばしば、セルビア軍や警察が襲撃されました。

当然セルビア軍も報復。

セルビアとコソボの争いは次第にヒートアップしていき、欧米は介入を決
めます。

欧米は、ユーゴ(=セルビア)軍・セルビア治安部隊のコソボからの撤退
を要求。

ミロシェビッチ大統領が拒否すると、NATOは99年3月24日、セルビアへ
の空爆を開始します。

この時、国連安保理の承認は得ていませんでした。

同年6月、セルビアは国際部隊がコソボに展開することを受諾。

同年10月、ユーゴ(=セルビア)軍が撤退を開始し、NATO空爆停止。

その後コソボは、国連暫定統治下に置かれます。

そして、「コソボの地位はどうするの?」という話し合いが延々とつづくこと
になったのです。

アハティサーリ国連事務総長特使は07年2月、独立容認の調停案を提示。

セルビア側は、この案を拒否。

結局、国連・アメリカ・ロシア・EUの仲介は実を結ばず、


コソボ自治州議会は2月17日、セルビアからの独立宣言を採択します。


▼コソボ独立って法的にどうなの?


ここまでで、「コソボ問題ってなに?」というのはだいたいご理解いただけ
たと思います。

次に、コソボ独立は法的にどうなの?というお話をしましょう。

まずかかわっている各国・各勢力の立場は?

おおまかにいうと、


1、コソボは当然独立賛成
2、セルビアは当然独立反対
3、ロシア・中国は独立反対
4、欧米は、(一部を除いて)独立賛成
5、国連は?

といえるでしょう。

それぞれの法的根拠を見ていきましょう。


●1、コソボの立場

コソボは何を根拠に独立を宣言したのか?

これは、いわゆる「民族自決権」。

民族自決権を主張したのは、アメリカのウィルソン大統領とソ連のレーニ
ン。

第1次大戦後、「欧州をこれからどうしようか?」という話になった。

ウィルソンさんは、「民族ごとに国をつくればいいじゃん」と主張。

ハプスブルグ帝国・ドイツ帝国・トルコ帝国を解体し、民族ごとの国家を創
設することを提案。

そして中東欧に、いくつかの新国家が誕生したのでした。

一方レーニンが民族自決権を主張したのは、「植民地解放運動」を後押し
していたから。

第2次大戦後、国連憲章に「自決原則の尊重」がうたわれます。

以後、1955年のバンドン会議、1960年の植民地独立付与宣言、1970年
の友好関係原則宣言、1975年CSCEヘルシンキ最終議定書等々で、
「民族自決権」は一般化していきました。

その過程を詳細に話すと長くなりますので、ここでは触れません。

で、「民族自決権」てなんでしょうか?


一般的に、「民族がその政治・社会制度などを自ら自由に決定する権利」
とされています。


19世紀まで、世界の大半は欧米の植民地でした。

しかし20世紀、植民地のほとんどは、自決権を主張し独立を果たしていき
ます。

コソボの主張はどうか?

・コソボ住民の90%はアルバニア人である
・アルバニア人はセルビアからの独立を望んでいる
・民族自決権により、セルビアはコソボの独立を認めるべきだ

●2、セルビアの立場

さて、一方的に独立を宣言したコソボに対し、セルビアは「独立は無効だ!」
と激怒しています。

<セルビア議会、コソボ独立を「無効」賛成多数で可決

2月19日10時18分配信 産経新聞

【プリシュティナ(コソボ)=黒沢潤】セルビア議会は18日、コソボの一方的
な独立を「無効」とする決議を賛成多数で可決した。>

その根拠はなんなのでしょうか?

<「主権と、領土の一体性保持の原則に対しての侵害」と認定した。>
(同上)

「主権と、領土一体性保持の原則に対しての侵害」

だそうです。

これはなんでしょうか?


一般的に、「領土保全の原則」といいます。


ここで皆さん気がつかれると思いますが、


「民族自決権」と「領土保全の原則」は対立・矛盾しますね。

アルバニア人は、「民族自決権」を根拠に独立を主張する。
セルビア人は、「領土保全の原則」を根拠に独立を認めない。

国際法的にはどちらが上なのでしょうか?


これは「領土保全の原則が上」とされています。


考えてみてください。

「民族自決権」を根拠にした分離・独立が国際法的に絶対認められている
としましょう。

つまり、チベット人が「独立します!」といえば、中国は「はいそうですか」と
認めなければならない。

チェチェン人が「独立します!」といえば、ロシアは「はいそうですか」と認
めなければならない。


ところが現実的にそういうことは起こらないわけです。

それでも、植民地や少数民族は実際独立を獲得していますね。

歴史上、どうやってきたのでしょうか?

・話し合いで本国に独立を認めさせる
・独立戦争をして、独立を勝ち取る

いずれにしても、話し合うか戦争をするかして、本国が「独立を認める」状
態をつくりだす必要がある。

セルビアは、コソボの独立を認めていませんから、法的には決着がまだつ
いていないということでしょう。


●3、中ロの立場

さて、国連安保理常任理事国中、中国とロシアはコソボ独立に反対してい
ます。

まずは中国。

<中国 コソボ独立宣言批判

2月19日8時1分配信 産経新聞

コソボの独立宣言について、中国外務省の劉建超報道官は18日、「バル
カン地域の平和と安定に悪影響を及ぼしかねず、深く憂慮する」と表明した。>

なぜだかわかりますよね。

コソボのように一方的独立が許されるのであれば、中国でも

台湾・チベット・ウイグルが一方的独立宣言

ということになりかねない。

<中国は台湾問題だけでなく、チベット、ウイグルなど分離独立がくすぶる
少数民族問題を抱えており、コソボの独立は自国に波及しかねないとして警
戒を強めている。>(同上)

次ロシア。

<露、独立反対に別の狙い 「分離派地域」に影響力

2月19日8時1分配信 産経新聞

【モスクワ=遠藤良介】コソボ独立に反対してきたロシアには、この問題を通
じて国際政治上の存在感を誇示する思惑がある。

ロシアは今後も、国連安保理などの場で独立反対を主張し続ける一方、「コソ
ボの前例」を盾に旧ソ連近隣国からの独立を目指す「非承認国家」(分離派
地域)に対する支援を強め、旧ソ連圏での勢力回復も狙うとみられる。>

<ロシア指導部は従来、「コソボ独立が承認された場合には世界的に適用さ
れる『前例』となり、国際秩序の崩壊を招く」などと主張してきた。

17日の外務省声明も、同様の論法からコソボ独立の「危険な結末」を強く警
告している。>(同上)


前例になる?

つまり、「コソボのような例はこれまでなかった」ということ。

どういうことでしょうか?

コソボはセルビアと独立をかけた戦争をつづけていたのですが、国連・EU・
欧米ロなどが仲介に入った。

仲介に入ったのであれば、セルビア・コソボ双方が納得する道を模索する必
要があります。

ところが今回の場合、コソボが一方的に独立を宣言し、アメリカと欧州の大部
分がそれを認めてしまった。


ここで国家承認という話が出てきます。

新国家が誕生した時、他国が新国家の誕生を認め、関係を結ぶのが国家承
認。

国家承認には、国民と領域と実効的政府の3要件が必要。

では、独立のための闘争がつづいている場合はどうなるのでしょうか?

この場合、本国がその領土を放棄したと認めるまで、国家承認はできない。

これをすると「尚早の承認」といい、国際法違反とされています。


セルビアとコソボの場合はどうか?

コソボが独立を宣言した。

セルビアはこれを認めていない。

しかしアメリカと欧州の大部分は、これを承認した(あるいはしようとしている)。

これは明らかに「国際法違反だ!」というのがロシアとセルビアの主張なので
す。

<ロシア指導部は従来、「コソボ独立が承認された場合には世界的に適用さ
れる『前例』となり、国際秩序の崩壊を招く」などと主張してきた。

17日の外務省声明も、同様の論法からコソボ独立の「危険な結末」を強く警
告している。>(同上)


・一方的独立宣言
・本国の意志に反する国家承認

が一般化された場合どうなるのでしょうか?

ロシアが念頭においているのは、グルジア(反ロ)からの独立を目指すアプハ
ジアや南オセチア、モルドバの沿ドニエストル。

コソボのような方法が許されるであれば、

これらの地域も「一方的に独立すればいいじゃん」ということになる。

旧ソ連諸国ばかりではありません。

スペイン・ルーマニア・スロバキア・ギリシャ・キプロス等々は、国内に分離独
立を目指す勢力がいる。

もし、コソボのような形態が認められるのであれば、「世界中に新独立国が
生まれるじゃないか」というのがロシアの主張。

これが、「国際秩序の崩壊を招く」「危険な結末」の意味なのです。

▼本文 後半へ
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▼アメリカのダブルスタンダード


●4、欧米の立場

欧米、特にアメリカの立場を。

アメリカは、早々にコソボの独立を認めました。

<米国がコソボ独立承認、一方で「特殊事例」と強調

2月19日10時25分配信 読売新聞

【ワシントン=宮崎健雄】ライス米国務長官は18日、コソボ自治州の独立宣
言を受け、「主権を持つ独立国家として承認する」との声明を出した。>

しかし、面白いことに、アメリカもコソボの一方的独立宣言→他国による国家
承認は

国際法違反であることを自覚しているのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

それで、「コソボは特殊事例だ」という論理を展開しています。
     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<ただ、コソボの独立は旧ユーゴスラビア解体に伴う民族浄化などが背景に
ある「特殊事例」と強調。

「世界でいかなる状況があろうと先例にはならない」とし、民族問題を抱える
他地域の独立をすべて承認するわけではないとの立場を示した。>(同上)

つまり、セルビアがコソボのアルバニア人を「民族浄化」しようとしたので、
「国際法違反」だが「特殊事例」として「独立を承認」したというわけです。

まあ、民族浄化という言葉は欧米が勝手に作ったので、「コソボのアルバニ
ア人犠牲者が多かった」と言いかえましょう。

確かにアルバニア人には同情します。

しかし、感情と法は別問題。

これは果たして特殊事例なのでしょうか?


クルド人の例をあげましょう。

クルド人は、トルコに1400万人、イラクに400万人、イランに700万人住んでい
ます。

そのほか、アルメニア・アゼルバイジャン・シリアにもいる。

約2500万〜3300万人といわれ、結構な数なのです。

クルド人は第1次大戦直後から独立を目指してきました。

トルコ国民の5人に一人がクルド人。

クルド人は1970年代から、クルド労働党(PKK)を中心に独立闘争をつづけ
ています。

一方、イラクにも400万人のクルド人がいる。

「セルビア人はコソボのアルバニア人を虐殺した」のでこれは特殊事例だとい
うのがアメリカの論理。

しかしアメリカは、「イラクのフセインは、クルド人を18万人虐殺した」と主張し
ています。

<同法廷では今年8月、80年代後半にイラク北部でクルド人約18万人を虐
殺したとされる「アンファル作戦」に対する審議も開始。

88年に化学兵器でクルド人を虐殺したとされる「ハラブジャ事件」や、91年
の湾岸戦争後のシーア派住民弾圧などでも起訴の準備が進んでいる。>

(産経新聞06年11月6日)

当然、アメリカはかわいそうなクルド人の独立を「特殊事例」として承認する
べきでしょう。

ところが。。。

トルコは、独立を目指すPKKを掃討するために、イラク北部に越境攻撃を開
始しています。

<トルコ軍、イラク北部を越境攻撃

2月23日22時34分配信 産経新聞

【カイロ=村上大介】トルコ軍は22日夜、同国の非合法武装組織、クルド労
働者党(PKK)掃討のためのイラク北部への越境攻撃で、トルコ兵5人とP
KK戦闘員24人が死亡、さらにトルコ軍の砲撃やヘリコプターからの銃撃な
どで少なくとも20人が死亡したと発表した。>

アメリカは、かわいそうなクルド人の独立を認めないどころか、トルコの軍事
行動を黙認しているのです。


●5、国連

最後に国連の立場。

国連安保理常任理事国の米英仏は独立支持、中ロは反対で分裂しています。

2月18日、セルビアのタディッチ大統領は国連安保理で演説。

<タディッチ大統領は演説で「一方的な独立宣言は国際法違反だ。

安保理がコソボのセルビアからの分離に手をこまねいているのであれば、ど
の国の主権や国境も安全ではないと言っているに等しい」と指摘した。>

(毎日新聞 2月19日)

では、国連事務総長の潘基文(バンギムン)さんはどういっているか。

<国連の潘基文(バンギムン)事務総長は独立への対応について「国連加
盟国が決定することで、事務局が決める問題ではない」と述べた。>
(同上)

まとめると、


・国連安保理は分裂している
・事務総長は、「僕は関係ありません」と責任を放棄している


国際連合は、第1次大戦後に創設された国際連盟末期のごとく、全然機能し
ていないことが明らかになったといえるでしょう。

(機能はしていないが、「権威」はあるので、無視していいわけではない。)


▼コソボ問題の影響


さて、コソボ独立の影響ですが。

ロシアが指摘しているように、新たな独立国がジャンジャン生まれるといった
事態は、短期的には起こらないでしょう。

しかし、「前例」にはなりますね。

独立を目指す勢力は、「コソボがいいなら、なぜ俺らは悪いんだ!」という論
理を展開するでしょう。

それ以上に私は二つのことを懸念しています。

まず第一に、アメリカには再びセルビアを空爆する意図があるのではないか。


もちろん確信はありませんが。

前回の空爆は、ITバブル末期の99年でした。

その後00〜01年にITバブルがはじけ、アメリカ経済はリセッション入りします。

ところが、世界経済はほとんど打撃を受けることがありませんでした。

FRBが継続的に利下げをし、不動産バブルを形成したということもあります。

しかし、もう一つ見逃せないこと。

この期間アメリカは一年おきに3回戦争をしている。


99年ユーゴ空爆、01年アフガン攻撃、03年イラク攻撃。


今再び、アメリカ経済はピンチに陥っています。

コソボ独立に怒るセルビア人が、アメリカ大使館を焼き払っている。

ひょっとして、ほくそ笑んでいる人たちがワシントンにはいるのではないでしょ
うか?

だいたい、イスラエルとパレスチナの問題は1948年以降60年もつづいていま
す。

なんでセルビア・コソボ問題を、大急ぎで解決しなきゃいけないのか、明確な
理由はみあたりません。

(アメリカがGOサインを出さなければ、コソボは独立宣言しなかったでしょう。)

次に長期的な影響について。

欧米と中ロの主張を比べると、明らかに中ロの主張が法的です。

欧米自身も認めている。

欧米は、国際法違反だが、「セルビアがコソボのアルバニア人を虐殺したの
で特殊事例だ」としている。

それでも国際法違反であることにかわりません。

しかも、クルドの例を見てもわかるように、実はちっとも特殊事例ではないの
です。

一方、中ロの主張は、「領土保全の原則が上である」ということで一貫してい
ます。

もちろん、チベット・台湾・チェチェンなどはかわいそうですが、感情論と法的な
話はわけて考えなければなりません。

問題は、世界の多少知的レベルが高い全ての人々は、アメリカの主張の矛
盾に気がついているということです。

アメリカは03年、ウソの根拠(フセインはアルカイダを支援している、大量破壊
兵器を製造・保有している)で、国連安保理の承認を得ないままイラクを攻め
ました。

ネオコンは、「アメリカは経済力でも軍事力でも世界NO1だから、超法規だ」
なんて思っていたのでしょう。

しかし、イラク攻撃後アメリカの国際的地位は明らかに下がりました。

コソボ問題でも同様の結果になることでしょう。


秦の始皇帝が死んだ後、楚の項羽と漢の劉邦が覇権をかけて争いました。

項羽は戦争に強く連戦連勝。

しかし、ケチで残酷だったが故に、勝てば勝つほど人心が離れていきました。

一方、劉邦は戦争に弱く、項羽に連戦連敗。

しかし、非常に気前がよく、同盟者たちのニーズを常に考えていました。

項羽は戦争による覇権を目指し、劉邦はニンジンをぶら下げた外交により覇
権を目指したのです。

結局、勝利したのは戦争に弱い劉邦でした。


(司馬遼太郎さんの最高傑作「項羽と劉邦」を読むと、今の世界がクリアに
見えるようになります。是非ご一読ください。

項羽と劉邦 上
http://tinyurl.com/9wwpg
項羽と劉邦 中
http://tinyurl.com/cwfg7
項羽と劉邦 下
http://tinyurl.com/dadzs  )

今のアメリカは、悲しいかな世界的項羽になっています。

中ロも自分の利益だけを追求しているのですが、建前「国連重視」「国際法
堅持」という主張をし、多くの国から支持されています。


例えば、反米の砦上海協力機構は、

中国・ロシア・カザフスタン・ウズベキスタン・キルギス・タジキスタンが加盟国。

これに、

インド・パキスタン・イラン・モンゴルが準加盟国。

去年の首脳会議には、アフガニスタン・トルクメニスタンが加わり、一大勢力に
なっています。

ここには、世界経済を牽引するブリックスのうち3国(中ロ印)がいる。

さらに、ロシア・カザフスタン・ウズベキスタン・イラン・トルクメニスタンは世界
的資源大国。

それだけ中ロ多極主義陣営の求心力が上がっているということ。

なぜ中ロが支持されるのか?

アメリカのように法ではなく力でゴリ押しする国があると、どの国の元首も安心
して眠れないのです。


日本はアメリカの同盟国で、当然同国との関係は最重要。

しかし、「日本はアメリカと共に『自由』と『民主主義』を世界に広げていきます」
などと、赤ん坊のような主張を宣言するべきではありません。

世界の人々はそんな日本を見て、「ああ、日本もアメリカと同じウソツキになっ
たか」と軽蔑するからです。

それより、「日本は、多様な価値観を認め、共生を目指します」と宣言するべき
なのです。


今回の話、「濃すぎてよくわからん」という方、

下の情報をゲットしてください。

完全資料つきで全部わかるようになります。(おわり)


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●え”〜中ロ同盟が米幕府を滅ぼす???

仮想敵同士だった中国とロシア。
アメリカの執拗ないじめとカラー革命に激怒したプーチンは、ついに東の
ジャイアントパンダ(中共)と提携することを決意します。

日本人が知らないうちに(悪の?)薩長同盟は成立し、米幕府体制は崩
壊にむかいます。

素人目にもアメリカの覇権後退が明らかになってきました。
その真因を、中学生でもわかるように解説する(豊富な資料つき)

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★★★朝日新聞07年11月18日付は

「北野幸伯著『中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』は、タイトルほどの極
端さはさておき、アメリカの一極支配に対抗しようとしているプーチン政治を、わ
かりやすく見通す。

アメリカが影響力を及ぼしたとされる周辺国の政変に対策をとり、外貨準備か
らドルの割合を減らし、石油をルーブルやユーロで売る──ロシアの揺さぶり策
から、アメリカの世界戦略に改めて気づくことができる本だ」と絶賛。

「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日-一極主義vs多極主義」(草思社)
(詳細は→ http://tinyurl.com/yro8r7 )

PS2 「あとがき」からお読みください。

【RPE】アメリカの欺瞞・国連の機能不全→コソボ問題

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