★阿修羅♪ > 戦争a0 > 448.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
【RPE】ソロスの歴史的発言とアメリカ危機
↓
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
★ソロスの歴史的発言とアメリカの危機
全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!
いつもありがとうございます。
北野です。
日本でどの程度取り上げられているかわかりませんが。
ソロスさんがダボスで超爆弾発言をしました。
↓
<世界はドルの買い増しに消極的=ジョージ・ソロス氏
1月24日7時35分配信 ロイター
[ダボス(スイス) 23日 ロイター] 著名投資家のジョージ・ソロス
氏は23日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、世界
的にドル離れが進んでいるとの認識を示した。
同氏は「金融市場には保安官が必要だ。世界はドルを買い増すこ
とに消極的だ」と発言。>
「全然爆弾発言じゃないだろ!」(怒)
まあまあ、爆弾発言はこの後です。
↓
<「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終えんを意味する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ワシントン・コンセンサスではなく、新しい保安官が必要だ」と述べ
た。>(同上)
↑
え”〜〜〜〜〜〜〜〜!
いいんですか、こんなこと言っちゃって!
私が05年1月発売の「ボロボロになった覇権国家」
(詳細は→ http://tinyurl.com/dypky )
および
「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日」
(詳細は→ http://tinyurl.com/yro8r7 )
および
メルマガで一貫して主張してきたこと。
いろいろと批判のメールもいただきましたが、ついにソロスさんも
認めてしまった。
今回は、ソロス発言にいたるまでの経緯を書いていきます。
▼ドルの歴史1(1945〜ニクソンショックまで)
現在起こっている問題は、「サブプライム問題」といわれますが、
本当の原因は大昔までさかのぼります。
第2次大戦が終わり、アメリカは天下を取りました。
敵だった日本・ドイツ・イタリアをぶちのめし。
味方だったイギリス・フランス・ソ連・中国もボロボロ。
アメリカは当時、世界の工場であり、世界最大の軍事大国。
世界で唯一核兵器を保有する国。
まさに、完全無欠のスーパー覇権国家。
そして、当時の通貨体制は
ブレトンウッズ体制=金(きん)ドルシステム。
アメリカは、「金1オンスを35ドルと交換する」ことを保証。
ドルは基軸通貨としての地位を確立したのでした。
しかし、夏の後には秋がくる。
アメリカ合衆国も、その運命から逃れることはできません。
60年代。
日本や西欧諸国の経済が復活し、アメリカの貿易収支はどんど
ん悪化していきました。
アメリカが貿易赤字になるとどうなるか。
貿易相手国の方にドルがどんどんたまっていく。
そして、西欧諸国の特にいじわるなフランスなどは、手持ちのド
ルをどんどん「ゴールドに換えてくれ!」と迫ってくる。
要するに、アメリカから金(きん)が大量に流出していく。
困ったアメリカ。
1971年8月、ニクソンは「金・ドル兌換の停止」を宣言。
(ニクソンショック)
これで、ドルは金の裏づけのないタダの紙切れになった。
しかし、経済的にも軍事的にも他国を圧倒するアメリカのドルは、
「他にかわりがない」という一点で、その後も基軸通貨の地位を維
持したのです。
▼ドルの歴史2(レーガンの時代)
アメリカ経済は、60年代から日本と西欧諸国に押され、地位が相
対的に下がっていきました。
70年代になると、日本が世界の工場になった。
アメリカの製造業者は、安い労働力を求め、どんどん外国に流出
していきます。
80年代のはじめにレーガンさんが大統領になったとき、もうニッチも
サッチもいかない状況だった。
そこで、レーガンさんとブレーンたちは、「もう製造業はいいや」とあ
きらめます。
美しい理論もついていました。
「人類社会は1、農業社会 2、工業社会 3、情報化社会へと進む。
アメリカは工業社会を卒業して情報化社会に進むので、ものづ
くりはやらなくていい」(^▽^)
それでどうしたか?
レーガン政権は、金融業界の規制を撤廃し自由化します。
さらに、81年と86年に大型減税を実施。
金融業の自由化で、銀行がばたばたつぶれたにもかわらず、レ
ーガン時代、景気は非常によかったのです。
その一方で、深刻な問題が起こりました。
第1に、財政赤字と貿易赤字が膨大になった。
第2に、アメリカは世界最大の債権国だったが、世界最大の債務国に
なった
第3に、製造業はほとんど壊滅状態
▼ドルの歴史3(クリントンの時代)
レーガンさんの後を継いだブッシュパパ。
彼の時代、世界的大事件がドンドン起こります。
89年ベルリンの壁崩壊。
90年東西ドイツ統一。
91年ソ連崩壊。
ブッシュパパは冷戦を終わらせ、アメリカは再び天下をとったのです。
宿敵ソ連は崩壊。
経済の宿敵日本はバブル崩壊で暗黒の15年に突入。
欧州では、豊かな西欧が貧しい東欧を抱え込み苦しい。
中国はまだ弱小パンダで、無視できる存在。
とはいえ、アメリカも深刻な問題を抱えていました。
それが、財政赤字と貿易赤字の問題。
1992年には、元大統領諮問委員 H・フィギー・Jrさんが、
「1995年合衆国破産」
( http://tinyurl.com/7ufqg )←名著です。ご一読を。
を出し、大騒ぎになります。
なんといっても元大統領諮問委員が
「アメリカ合衆国はこのままいけば1995年に国家破産する!」
と宣言したのですから、当然ですね。
▼アメリカの特殊性
アメリカは世界最大の債務国でありながら、どうして存在していられ
るのでしょうか?
普通の貿易赤字国では何が起こるのでしょう?
通貨が下がりつづけ、輸入品の値段が高騰、インフレが起こります。
例を挙げましょう。
1994年のメキシコ。
北米自由貿易協定(NAFTA)が発効したのは、94年1月。
結果、アメリカからの輸入が急増し貿易赤字が拡大していきます。
貿易赤字になると、赤字国の通貨が安くなる。
メキシコ政府は、必死でペソを買い支えました。
しかし同年12月、セディジョ大統領は、「これ以上ペソを維持するの
は無理だ!」とあきらめます。
そして94年12月20日、ペソを15%切り下げ。
これをきっかけに、資本が一斉に逃避し、外貨準備が底をつき、通
貨危機に陥ったのです。
通貨危機の影響で、メキシコの国内総生産(GDP)成長率は95年、
マイナス6.9%。インフレ率は52%。
どうです?
普通の国では、一年の貿易赤字でこの結果。
ところが、アメリカではこういうことが起こらない。
皆さんご存知のことと思いますが、理由は二つあります。
1、ドルが基軸通貨(国際通貨・世界通貨)だから
ドルは世界通貨なので、需要が多い。
だからいくら刷っても刷ってもなかなか下がらないのです。
どんな需要?
・アメリカと他国の貿易決済通貨として
・他国と他国の貿易決済通貨として
・世界各国の外貨準備として
・世界中の民間人の貯金として
等々。
2、アメリカがドル還流システムをつくったから
貿易赤字でドルがどんどん流出していく。
でもそれがリターンすればいいですね。
どうやって?
例えば、
・高金利 (ゼロ金利の日本からどんどん金が来る)
・米国債 (日本や中国がどんどん買ってくれる)
・株 (外国人がアメリカ企業の株を買う)
・不動産 (外国人がアメリカの不動産に投資する)
等々。
この二つの要素がきちんとしているかぎり、アメリカは永遠に借金し
つづけることができるのです。
これを大前研一先生はなんといっているか。
<この種の「債務」がアメリカの害になることはない。アメリカはブラ
ジルとは違う。
ブラジルの場合には、国際的に通用する通貨で、対外決済を行なう
必要がある。
それができないと、どこからかドルを借りてこなければならない。
それに対してアメリカは、自国通貨のドルで決済することができる。
ブラジルにとって問題なのは、現在同国で起こっているように、自国
通貨の価値が下がれば、借りようとするドルが相対的に高くなること
である。
このような「債務の悪循環」は、国際決済通貨であるドルを国内経
済でも使っているアメリカの場合には起こらない>
(「ボーダレスワールド」大前研一248p)
で、クリントンさんは、国家破産寸前のアメリカ経済をどうしたか?
↓本文後半へ
=================================================================
★株はまだ買うな!
●まだ20代なのに、株で20億円(!)稼いだ男。
「週刊現代」「東京1週間」「週刊ポスト」「ダイヤモンドZAi」「THE21」
や本田健さんの「普通の人がこうして億万長者になった」でも紹介された
正真正銘の若き成功者。
「バリバリバリュー」にも出演し、話題沸騰!
業界の超有名人 神王リョウ が投資の極意を少数限定で伝授します。
「もう株で大損こくのはごめんだ!」「着実に利益をあげたい」という方
は以下のHPを熟読し、お申し込みください。
【要注意!】
●1月31日(後2日)で受付を停止します。お急ぎください。
↓
http://tinyurl.com/32fvoz
↑
●北野も絶対お奨めです。
=================================================================
▼ITバブル
一言でいえば、クリントンと側近たちは、ドル還流システムを強化し
たのです。
強化するとはつまり、「アメリカに投資すれば大もうけできますよ!」
と宣伝し、自発的にドル買いをさせる。
具体的にはITバブルを起こした。
90年代は、欧州・中南米・アジア・ロシアで金融・通貨危機が起こりま
した。
97年にアジアで通貨危機が起こったとき、マハティールさんは「ソロス
のせいだ!」と非難しましたが。
いずれにしても「やっぱり投資するならアメリカよね」ということになり、
株価が急騰します。
ダウは95年の4000ドルから00年には12000ドルまで3倍化(!)。
皆さん、5年で300%の投資っておいしくないですか?
クリントンさんは史上最強のラッキーガイ。
彼は、IT革命と空前の好景気のおかげで、(モニカさんと不適切な関
係をしたにもかかわらず)偉大な大統領の仲間入りをしたのです。
▼不動産バブル
これに対し、ブッシュは運が悪いというべきでしょう。
00年から01年にかけて、ITバブルがはじけてしまった。
で、どうしたか?
FRBは01年、なんと11回(!)も利下げをした。
その金はどこに回ったかというと、不動産にまわった。
不動産価格は以後07年まで上昇をつづけ、アメリカ経済の牽引役に
なります。
ドル還流という観点から見ると、「ITバブルは弾けましたが、今度は
不動産に投資すれば儲かりますよ!」(^▽^)
で、今大騒ぎになっている、「サブプライムローン問題」ってなんだ。
説明する必要もないと思いますが、サブプライムローンとは、信用の
低い(年収300〜400万円)人たちへのローン。
お金のない人たちが、ローンを組んで家を買った。
ところが、返済できない人の割合がなんと15%にも達してしまった。
このアメリカの問題がどうして、世界中で大騒ぎになったのか。
シティーとかメリルリンチ等々の金融機関がサブプライムローンを証
券化し、世界中で売りさばいていた。
フィッチとかムーディーズが「トリプルA」の格付けを出すもんだから、
世界中の投資家が買い捲っていた。
▼減税・利下げ、そして・・・
ITバブル崩壊時を見ると、ブッシュ政権は、大型減税を実施しました。
さらに、FRBは01年11回の利下げをした。
公定歩合は1年間で5.75%から1.25%まで下がった。
もう一つ見過ごせないことがあります。
数字には出てきませんが、01年のアフガン攻撃と03年のイラク攻撃
が、アメリカの景気回復に貢献しているということ。
今回はどうでしょうか?
ブッシュは1月18日、個人・法人減税を柱とする対策を発表しました。
規模は16兆円程度。
しかし、株の下落は止まらなかった。
FRBは1月22日、0.75%の利下げを発表。
株はその後急騰しました。
今後も利下げはつづくことでしょう。
こう見ると、アメリカ政府の対策は、ITバブル崩壊時と同じです。
もう一つ、効果の高い公共事業(イラン攻撃)が欲しいところでしょう。
▼とはいえ・・・
ITバブル崩壊、住宅バブル崩壊を世界的観点で見ると、「ドル還流
システムがやばくなっている」となります。
利下げがつづくことで、ドル離れはますます加速することでしょう。
アメリカ政府はIT・住宅バブルの後、(戦争のほかに)何を牽引役に
選ぶのでしょうか?
とはいえ、ITバブル崩壊時(00〜01年)と現在では決定的に事情が
異なっています。
当時、もう一つの柱=ドル基軸通貨体制は磐石だったのです。
今はどうでしょうか?
1999年、ユーロ誕生
2000年、フセイン、原油の決済通貨をドルからユーロにする
2001年、9.11とアフガン戦争
2002年、ユーロ現金流通開始
2003年、イラク戦争。アメリカ、イラクの原油決済通貨をユーロからド
ルに戻す
2006年、ロシア、ルーブルでの原油輸出開始
2006年、ユーロの市場流通量がドルを超える
2007年、プーチン、「ルーブルを世界通貨(基軸通貨)の一つにす
る!」と宣言
2007年、イラン、原油の決済通貨をユーロ・円にする
2007年、中東産油大国がつくる湾岸協力会議は、「2010年に共通
通貨をつくる」ことを確認
どうですか?
不動産バブル崩壊で、還流システムも心配。
ドル基軸通貨体制も、ほとんど崩壊寸前まで来ていることがわかる
でしょう。
これらの事実を全部理解した後、ソロスさんの発言をもう一度引用
しておきます。
<「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終えんを意味する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ワシントン・コンセンサスではなく、新しい保安官が必要だ」と述べ
た。>
(ジョージ・ソロス ロイター1月24日)
▼なぜ?
なぜソロスさんはこんな爆弾発言をしたのでしょうか?
ソロスさんのブッシュ嫌いは有名です。
なぜか?
ブッシュは、アフガン・イラクを攻撃し、今度をイランを攻撃したい。
戦争の時代になると、全世界でナショナリズムが高まる。
すると各国は、人の流れ・資金の流れへの規制を強めるのです。
(例、ファンドの規制、マネロン規制、オフショア規制、投資規制等々)
ソロスさんは投資家。
投資家というのは、グローバル化が進み、国境がなくなり、世界共通ルー
ルができて欲しい。
それが一番儲けやすい環境ですからね。
別に、ドルが基軸通貨でなくても儲かればそれでいいのです。
ブッシュ政権は世界を緊張させ、グローバル化と反対の方向にむかわ
せている。
そんなわけでソロスさんはブッシュを非難しているのでしょう。
ちなみにグリーンスパンさんやバフェットさんもブッシュに批判的です。
<「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終えんを意味する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ワシントン・コンセンサスではなく、新しい保安官が必要だ」と述べ
た。>(ジョージ・ソロス ロイター1月24日)
アメリカはなんでこうなっちゃったのか。
もっと細部まで知りたい人は、下の情報をゲットしてください。
詳細な資料つきで全部わかります。(おわり)
↓
=================================================================
●え”〜中ロ同盟が米幕府を滅ぼす???
仮想敵同士だった中国とロシア。
アメリカの執拗ないじめとカラー革命に激怒したプーチンは、ついに東の
ジャイアントパンダ(中共)と提携することを決意します。
日本人が知らないうちに(悪の?)薩長同盟は成立し、米幕府体制は崩
壊にむかいます。
素人目にもアメリカの覇権後退が明らかになってきました。
その真因を、中学生でもわかるように解説する(豊富な資料つき)
★ロシア政治経済ジャーナル 北野幸伯の新刊!
★★オンライン書店ビーケーワン社会・政治・時事部門1位!
★★★朝日新聞07年11月18日付は
「北野幸伯著『中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』は、タイトルほどの極
端さはさておき、アメリカの一極支配に対抗しようとしているプーチン政治を、わ
かりやすく見通す。
アメリカが影響力を及ぼしたとされる周辺国の政変に対策をとり、外貨準備か
らドルの割合を減らし、石油をルーブルやユーロで売る──ロシアの揺さぶり策
から、アメリカの世界戦略に改めて気づくことができる本だ」と絶賛。
「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日-一極主義vs多極主義」(草思社)
(詳細は→ http://tinyurl.com/yro8r7 )
PS2 「あとがき」からお読みください。
★↓「私の財産告白?」
【RPE】ソロスの歴史的発言とアメリカ危機
↓
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm