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http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col13906.htm
チェ・ゲバラが革命後のキューバの閣僚となった後の1964年12月、ゲバラはキューバ代表として、国連で演説を行った。 ゲバラはすでにはじまっていた米国によるキューバへの経済制裁の違法性など、アメリカ帝国主義への痛烈な批判や経済制裁の廃止を訴えたのである。 ゲバラは武力革命の旗手のように思われがちだが、ゲバラの思想の根底には、「愛」や「平和」思想が根強くある。 事実、ゲバラが日本に来日したとき、ゲバラは寸暇を惜しんで列車で広島に来て、原爆慰霊碑などを視察した。ただ視察したのではない。ゲバラは広島への視察をもとにキューバの初等中等教育の教科書に、米国による広島、長崎への原爆投下の事実とそれによる市民等の被害と悲惨に関する記述を入れさせたのである。 その結果、今でもキューバの中学生らは広島、長崎という地名とそこで起こったことを誰でも知っている。 ゲバラの国際主義は、中南米などの地域共同体にもとづく共存的な国際主義に支えられたものである。そこには、いわゆる第三世界を勇気づけるインターナショナリズムの理想がある。 この中南米を軸とした地域共同体や第三世界を勇気づけるインターナショナリズムの理想は、現在、キューバのみならずベネズエラのウゴ・チャベス大統領やボリビアのモラレス大統領、さらにアルゼンチンのクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル大統領の思想や政策にも大きな影響を与えている。
たとえば、ボリビアのモラレス大統領の政治姿勢は強硬な反米主義であり、米国中心かつ米国に隷属することを余儀なくされる新自由主義経済やいわゆるグローバリズムに対し徹底的な対決姿勢で知られている。 そのうえでベネズエラのチャベス政権、キューバのカストロ政権との連携を強めている。たとえばボリビアガス紛争においても多国籍企業に奪われている天然資源の権利を取り戻すべきだとしている。 現在、そのチェ・ゲバラによる国連演説から45年の歳月が流れた。 冷戦構造が壊れたものの、ブッシュ大統領の8年にわたる単独行動主義と市場経済至上主義が世界を席巻し、米国型の資本主義の矛盾が一気に噴出した。同時に、米国を中心とした湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争など、軍事力を背景とした新殖民地主義あるいは新帝国主義的な中東諸国への侵攻により、世界中は大混乱に陥ったのである。 そこではゲバラが考えた各地域、各国それぞれが多様性をもちながら、相互に共存共栄するという共生の思想は死滅し、強度な弱肉強食の世界が現出したのである。 ところでゲバラはアメリカの帝国主義を批判する一方で当時既にソ連型のの産主義が抱える矛盾や課題も熟知していたと思える。 その意味でゲバラの国際主義は、破壊され尽くし、自己矛盾の隘路に陥っている世界の各地域、各国の持続可能な社会づくりに対し、ひとつの大きな目的と目標を与えるものと思える。 ひょっとするとチェゲバラは21世紀、私達が向かうべき規範を指し示していたのかもしれない。 ........ ところでチェ・ゲバラやフィデル・カストロの演説は世界的に有名である。以下はチェ・ゲバラが国連で行った演説(映像+音声)である。 Espanol、スペイン語が演説に適しているという評価もあるが、そこはやはり有言実行の革命家らの演説そのものの中身(コンテンツ)があってこそであろう。 カストロが雨中、民衆に対し行った演説も珠玉の逸品である。 私が片言のスペイン語を話すようになったのは、35年前の27歳、国連婦人年に参加するため2週間、メキシコ・シティーに行ったのが最初のきっかけである。
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