エネルギー浪費の近代農法 科学技術に基づく農業は、生産性が高いと言われるが、生産に要するエネルギー効率から計算してみると、かえって機械化するにつれて、農作業の効率は低下をきたしているのである。稲作に直接役人された人為的エネルギーを、米のカロリーに換算して、人力のみの自然農法、家畜の助けをかりる有畜農業、機械を主とする機械農業について比較してみると、表のとおりである。反一〇俵一〇〜二〇人役の労力で出来る米一俵(六〇キロ)二〇万カロリーを回収するのに、自然農法では百姓一人一日分の労力でよいから、そのエネルギー投入量は、一日分の食事二〇〇〇カロリーと考えてもよい。同様、米エネルギーに換算してみると、牛馬耕ではその10倍、機械農業ではその20倍から50倍を要する。生産効率の比は、土地に投入したエネルギー量に反比例するから、自然農法に比べ、科学農法は数十倍のエネルギー浪費農法となっているのである。