オーストラリアGPの主催者側は、F1カレンダーから除外されることを避けるため、スタート時間を遅らせる提案を申し出た。現地時間（以下、現地時間）10日、“ロイター”通信などが報じている。

オーストラリアGPを巡っては、F1界の最高権力者、FOM（フォーミュラワン・マネージメント）のバーニー・エクレストン会長がヨーロッパの視聴者に合わせ、ナイトレース開催にしなければ消滅する可能性が高いと警告していた。

ナイトレース開催にあたっての物流ならびに財政を理由にオーストラリアGP主催者側はナイトレース案を退けていたが、妥協案が提出されることとなった。今季すでに決勝レースのスタートを午後3時半（グリニッジ標準時：午前4時半）に遅らせていたが、2009年はさらに遅い時間にするというものだ。

オーストラリアGP主催者のロン・ウォーカー会長は、記者会見で今週末の開幕戦で視聴率の増加が認められるなら、2009年は夕方の午後5時（グリニッジ標準時：午前6時）にスタートさせるとコメント。妥協案について、「状況を明らかにしたい。妥協はビジネスにおける技術のひとつだ。エクレストン氏の要望に対し、我々は大きく妥協した。世界中のテレビ視聴者を増やしたいというエクレストン氏の目的に沿うものであり、午後5時のスタートでそれが叶えられるだろう」との考えを明かしている。

過去23年間に渡りF1を開催してきたオーストラリア。1996年にアデレードから現在のメルボルンへサーキットを移し、2010年までレース開催契約を結んでいるが、巨額の財政的損失に苦しんでいる。来年以降はアブダビGP、インドGP、韓国GPと新たな土地でのF1開催が目白押しとなっているため、オーストラリアGPが消滅してもB.エクレストン氏は痛手を負わない。今回オーストラリアGP主催者側が申し出た妥協案を、B.エクレストン氏がどう受け入れるかに注目が集まる。

2008年3月11日（火）