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(回答先: ヘッジファンドの黄昏?【サブプライム問題とヘッジファンド】---(大和総研究所) 投稿者 ミスター第二分類 日時 2008 年 2 月 17 日 20:49:00)
ヘッジファンドの黄昏?【サブプライム問題とヘッジファンド】---(大和総研究所)
http://www.dir.co.jp/publicity/column/070907.html
ヘッジファンドはあちこちで「空売り」しまくり憎まれているようだが、ヘッジファンドそのものの危機を示唆する研究内容がすでに昨年の9月に発表さていました。
この内容からはヘッジファンドの高い運用成績は「サブプライム関連の証券化商品」のうちで最もヤバイ「エクイティ部分」(無担保・無保証、あるとき払いのバクチ部分)からもたらされている事が伺われる。
つまり、相場がうまくて稼いでいる訳ではなく、サブプライムと言う毒ダンゴでおいしく見えていたと言う事が分かるので、よく読んで見てほしい。
はっきり言えるのは米国支配階級の皆様は最初から良くご存知と言うことですな。
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【サブプライム問題とヘッジファンド】
ここ数ヶ月サブプライム問題を起点とする市場の混乱はヘッジファンド業界を大きく揺さぶってきた。
米国におけるサブプライムローン残高は、住宅ローン総残高約10兆ドルのうちおよそ15%程度の1.5兆ドル(2006年末推定値)。
このうち5〜6割程度は、MBSとして証券化され、さらにその証券化商品(またはローン等を)を組み合わせてCDO(債務担保証券)が組成されている。
ここ2〜3年に実行されたサブプライムローンは高いデフォルトリスクを持つものが多いが、CDOに組み替えることでその実態を見え難くする効果があると聞く。
実際、CDO発行は2004年以降急増し、2006年まで過去3年間のグローバルCDO発行残高は約1兆ドルに達している。
ヘッジファンドはこうしたCDO、特にエクイティやメザニンなど主として格付けが低くハイリターンな部分へ積極的に投資、レバレッジを効かせることで高いIRR(内部収益率)を実現できる仕組みを採ってきた。
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(転載者の説明)
エクイティは破綻時には全く配当なしの最低劣後部分です。
誤解を恐れずに記載すると
シニアは担保価格の60%相当部分、メザニンは担保評価額から時価相当までのグレー部分、エクイティは無担保部分と思って下さい。
購入価価格5000万円、時価4500万円の物件を切り分けると
3000万未満(60%)までがシニア部分。
3000万以上から4500万円がメザニン部分
4500万円を超える部分がエクイティ部分と見る事ができます。
※ですからエクイティ部分は最初からハイリスクです。
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ただ、根本的にリスクの高い債権を保有しているだけだから、サブプライムローンの延滞やデフォルトの増加で、保有する低格付のCDOは瞬時にして大きく毀損する羽目となった。
図表1:米国CDOの投資主体別保有残高割合
銀 行------ 31%
SIV-------- 22%
年金------- 18%
保険------- 19%
ヘッジファンド 10%
(出所)IMF
ヘッジファンドが被った損失の正確な姿は知る由もないが、IMF(※1)等のデータからその金額を粗々推定してみよう。
すなわち、米国における発行CDOの投資家別保有状況(割合)は、銀行が31%と最も高く、以下、資産運用会社(22%)、保険会社(19%)、年金基金(18%)と広く分散している(図表1参照)。
ヘッジファンドは10%の保有に止まっているが、問題は保有主体がCDOの条件区分で如何なる「トランシェ」に投資しているかということだ。
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(転載者の説明)
「トランシェ」----どの部分か「シニア」か「メザニン」か「エクイティ」か
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この点ある最近の研究(推定)によれば、ヘッジファンドによるクレジット・ストラクチャード商品への投資は、保有残高の半分程度がエクイティ部分とされ、
これを、プロラタで先のグローバルCDO残高に引直せば、約500億ドル(=1兆ドル×10%×50%)がヘッジファンド保有のエクイティ部分とすることが可能となる。
当該部分は今般の問題噴出でほとんど価値がなくなったものが多いようだ。
また残りの部分も大半がBBB格等のメザニン部分と考えられ、これを8割(全体の40%)とみて約400億ドルなどとして、足元のクレジットスプレッドの拡大をベースに計算すると合計損失額(実損・評価損の別を問わない)はおよそ700〜800億ドルと試算できる。
これは、FRBバーナンキ議長が、直接の損失額は500〜1,000億ドルとしていた数字などとも符合するが、いずれにしろ、ヘッジファンドによるCDO投資の7〜8割分が損失となっている状況を示している。
因みに、サブプライム問題の影響を受け易いと想定されるヘッジファンドをクレジット重視型ヘッジファンドとして、その運用残高を見積もると約3,700億ドルと推定することができる(2006年末:図表2参照)。
これをベースにすれば、上述の損失総額はクレジット重視型ヘッジファンド総運用残高の2割に達する計算だが、他の株式関連戦略を含めたヘッジファンドの運用総額と比べると1割に満たず、水準自体は大した金額ではないと見ることもできる。
特にクレジット重視型のヘッジファンドはレバレッジを高めに掛けるのが特徴で、平均10倍のレバレッジを想定すればエクイティ部分へ出資する投資家が被る損失は10分の1に低下する(※2)。
図表2:ヘッジファンド運用総額の推移(グローバル)
ただ問題は、単なるCDO投資による直接の損失額のみならず、(1)CDO組成に回されていないABSへの投資、(2)CDOとCDOを組合せた「CDOオブCDO」といったレバレッジ商品への投資、(3)サブプライムローン関連資産を参照資産とするCDS関連商品(CPDOを含む)への投資、(4)Alt-A、Prime-Jumboといったサブプライム程ではないないものの相対的にデフォルトリスクの高い債権への影響など、裾野が広がる可能性がある点だ。
また、サブプライム問題から派生する信用収縮等に伴う他のクレジット系投資商品に与える影響にも小さからぬものがあるだろう。
何よりも世界的な過剰流動性を背景に、2000年以降米国では(米国だけではなかろうが)住宅バブルが発生していた可能性が高い点は、(1)米国消費に資産効果による好影響を与えてきた、(2)それが牽引役となり中国・日本など輸出主導の経済成長を促してきた、(3)過剰流動性供給と密接な関係にある円キャリー取引活発化による為替水準、など多くこととが密接に関連している。サブプライムローン問題の噴出は、ヘッジファンド活動の今後を占う上でも極めて重要なトピックとして認識する必要があるだろう。
(※1)IMF, “The Global Economy and Financial Market: Where Next?” Speech by John Lipsky, July 31, 2007での説明による。当試算に当たって多くの部分は同スピーチで発表された内容に基づく。
(※2 )無論、この場合の残りの9割はプライムブローカーたる投資銀行や商業銀行等の簿外ABCPコンデュイットなどからのデットファイナンスで賄われており、当該部分への影響は小さくない。2006年時点のプライムブローカー上位10社の合計資産管理残高は4,100億ドルで、うち上位3社が70%を占めている。
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(コメント)
このレポート以降にサブプライムを組み込んだ証券化商品の「時価」は更に下落し、証券を保有する金融機関等の「含み損」は更に拡大しているようです。
不動産と言う二つとて同じものの無いものを証券化し、実際の使用価値や収益価格とは関係なしに取引する「市場価格」にもとづいた「時価会計」が自らに降りかかってきていると言うこの皮肉はどのように考えたら良いか。
時価会計なる概念も日本や欧州の市場を切り崩す為にアメさんがワメイテから外圧でムリヤリ世界基準としたもの。
そのブローバックで自分がヤラれていたのでは、めでたいとしか言いようがない。