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11年続けて「自殺者3万人超」の日本社会とは(JCJ)
http://www.asyura2.com/08/social6/msg/549.html
投稿者 ダイナモ 日時 2009 年 3 月 09 日 21:08:57: mY9T/8MdR98ug
 

http://jcj-daily.seesaa.net/article/115340853.html#more

 夜のほうが昼間よりも暖かい。春が近づいているのだろうか。自分の心に尋ねてみる。「どうだい、春は近いかい?」
 心の奥底で生きる少年時代の私は、首を横に振っている。私を気遣うように目は上目遣いで、「がっかりだね…」となぐさめてくれているようだ。私の中の「少年」は、ずっと警鐘を鳴らし続けている。そのため先日も、高学年まで通った小学校のある町を訪れて散歩してみたりもしたが、そのざわめきは消えることがなかった。(JCJふらっしゅ「Y記者のニュースの検証」)

 人がたくさん死んでいるのだ。人の生と死を私たちはどのようにとらえていけばよいのだろうか。
 虐殺・暴力・飢餓・貧困―。日本では自殺者が08年も3万人を超えた。8日付の中国新聞社説「自殺者3万人 サインどう受け止める」はいう。

「自殺した人が昨年も三万人を超えることが、共同通信の集計で明らかになった。十一年続けての三万人超えだ。毎日、九十人もが命を絶っていることになる。死のうとした人はその十倍ともされる。深刻だ」
 後から自殺に変わる「変死」があるので、警察庁の発表時にはもっと増えようと指摘する。

 自殺の動機についてこれまでの傾向をみると、「健康問題」がほぼ一定数、「経済問題」が増えている。失業をはじめとした職場に原因があるケース。収入が少ないため消費者金融に手を出し多重債務に陥る生活苦のケース、介護疲れや働き過ぎ、職場の人間関係なども影を落とす、としている。
 さまざまな悩みに苦しんでうつ病などを発症し、「逃げるにはもう死ぬ以外にない」と自分を追い込んでしまうのでは、とみられるとしている。

「心配なのは昨秋からの急速な景気悪化だ。負債を抱えて倒産した経営者や、解雇されて無収入となった従業員は途方に暮れよう。思い余ってという人が増える恐れがある」と、米国に端を発した世界同時不況の状況にふれている。派遣切り、非正規切り、産休切り、正社員切りという言葉が飛び交い、いったいここはどこの国なのだといいたくなるような、非道行為がまかりとおるような状況になっている。

 非正規のかたちで働く人を全労働者の3分の1にまで無軌道に拡大し、政治の責任を「自己責任論」として個々におしつけ、地方財政を圧迫する政治は生活保護の申請さえも制限させるような、社会システムの故障・劣化をうながしてきた。小泉時代が先導した「縮小均衡」を繰り返す弱肉強食社会の論理は、負のスパイラルの論理と方針をいたずらに正当化するだけで、日本の経済社会全体を萎縮させ縮小させ、体力を弱らせ続けた。

 その圧力とそれを正当化する精神論は、安倍時代の改憲論ともミックスして、強行され(3分の2条項をつかった衆院での再採決の強行はその典型)、信じられないところまで、日本の社会基盤を崩壊させていた。そこへ自公政権が頼りにし、「盟友」であったはずのブッシュの最後の仕打ち、おきみやげの経済破綻が日本にも襲いかかっている。ビジョンも展望もなく、再生力の準備・育成もなく、ただただ米国の一国至上主義に付き従って、そのおこぼれにあずかろうとするだけの卑屈な経済政策ともいえない経済政策、財政政策は、世界経済を破綻に追い込んだマネーゲームへの依存でもある。

 貧困や失業、倒産は、経済を冷え込ませる指標にとどまらない。それは単なる数字ではなく、確実に経済社会全体を疲弊させ続ける。そこで生きる人間の命と生活を疲弊させ、それが原因となってまたその周辺の命と生活を脅かしてく。その「負」の連鎖が極限を割り込んだとき、人間を結ぶ絆を断ち切り、相互関係を破壊し、社会不信と人間不信の波を呼び起こす。

――自殺は長年、個人的な問題と受け止められ、対策が遅れてきた。しかし国などの調査・研究によって、追い詰められている人に、各種のサポートをするとともに、適切な「心の治療」を行えば「避けられる死」と分かってきた。――

 中国新聞社説の、この指摘は大切だろう。
 まず第一に、「自殺は長年、個人的な問題と受け止められ」てきたという事実。
 個人的な問題として自殺を放置する社会は、経済、政治、文化のいずれの側面からみても、幼稚で荒っぽい、ずさんな社会である。そこには社会建設の息吹も、社会の再生力も、人と人の協働の喜びも、またその成果も期待することができなくなる。

 しかしその一方で、人間はその弱さとともに力強さも同時に内包している。
――追い詰められている人に、各種のサポートをするとともに、適切な「心の治療」を行えば、「死」を踏みとどまる強靭さを発揮できる。
 その「渦中」にいる人間にとって必要なのは、社会への信頼と自身も含めた人間を信じる勇気を取り戻すことであろう。

 社説はいう。
1)国は〇六年に「自殺対策基本法」を、翌年にはそれを具体化した「大綱」をつくり、本腰を入れている。ところが自殺者数は減らない。
2)自殺を図った人を調べて分かったことがある。専門家に相談している例が少ないということだ。悩んでいる人が無意識に出しているサインに周囲が気づかない、あるいは気づいてもどうしていいか分からないケースが多いと思われる。
3)体調が悪そうだ。気分が沈んでいる。酒の量が増えた…。例えばそれがサインだ。
 周囲は気づいたら、まず精神保健福祉センターや精神科医師に相談したい。
4)悲劇を防ぐためにも、サインに敏感になり、ためらわず専門家に助けを求めたい。

 人間一人一人が「小宇宙」なのであればこそ、その心のなかを外から読み取ることは難しい。その一つの「小宇宙」は、自身の変調より、そのことがまわりに及ぼす影響を優先するがゆえに、手を挙げて変調を訴えるより、自身でかかえこむことを優先しがちである。人間はひとりで存在しているわけではないので、自分で自分を診察し、治療し、再生をはかろうとしても、おのずと限界がある。

 まして「自己責任」の圧力が変調をきたした「小宇宙」を取り囲んでいれば、いよいよ手は挙がらない。それどころか変調をきたした「小宇宙」を「弱者」と見下し、「自己責任」と突き放すことが正しいと喧伝する社会、「成果」だけが「強者」の印であるとして、「強者」でなければ人間ではないとする政治が地域社会の奥深くまで浸透すれば、その「強者」は見返りを求める。だがその見返りはなく、「強者」だけが生き残るとする選民思想の裏側には、それを喧伝する者たちだけが生き残ろうとする醜いエゴだけが存在していた。

 個々が「小宇宙」で、地域社会や国が「中宇宙」だとしよう。「中宇宙」を構成し、それをそれとして成立せしめているのは「小宇宙」である。「小宇宙」なくして「中宇宙」はない。仮に地球社会を「大宇宙」だとした場合、「中宇宙」なくして「大宇宙」はない。当然「小宇宙」なくして「大宇宙」は成立しない。他の「中宇宙」とそこに生きる「小宇宙」を否定する強国の一国主義は、自分だけが生き残ろうとするリーダーの闘争と貪りであるがゆえに、本質において、自らの「中宇宙」も否定し、同時に「中宇宙」が「大宇宙」を恣意的にコントロールしようとするがゆえに、「大宇宙」をも否定することになる。

 米国とイラク、アフガニスタン、米国と国連、米国と欧州諸国。米国のイラク戦争とそれに賛成と追随した日本。それに反対し距離をおきながら、それを修復しようと努力する反対の潮流。ブッシュの一国主義に追従する人間たちは、その反対の潮流を「弱腰」と見下した。自分たちの過ちに気づかないから、それを力でねじ伏せることのできない国連や反対する各国などを、「ほらみろ」と嘲笑する。

 その関係は地球上の国と国の関係だけでなく、地域社会や学校、家族にまで浸透して「戦争」の論理、「弱肉強食」の構造を撒き散らしてきた。それに手を貸してきた政党や政治家、メディアは、そろそろ自分たちを突き動かしていた「悪魔」のような論理に目をむけ、自分たちがだれのため、何のために生き、生かされているかを思い定めるべきときをむかえている。

 自衛隊を戦場に派遣し、一般市民を「テロリスト」と疑い過剰警備を行い、メディアの統制管理を進め、「戦時体制」であることを社会にくまなく徹底させ、弱肉強食の論理をはびこらせてきた自公政治。その流れはいまにいたっても依然、撤回されることなく、こんどの「定額給付金」のように無策の政権がカネをばらまいて民意を懐柔しようとする状況にとどまっている。

 6日には、鳥取県の警察官が、日光に当たると皮膚の痛みなどを起こすため外出時に黒ずきんをかぶるポルフィリン症の男子高校生に対して、「変な格好したやつ止まれ。お前はタリバンか」(毎日新聞)と暴言を浴びせていたことが判明した。県警本部長が同日の県議会本会議で「不適切な言動で遺憾に思う」と陳謝している。

 この「お前はタリバンか」の言葉にこれまでと現状のすべてが凝縮してあらわれている気がしてならない。「不適切な言動」を誘発せしめたものを、いかに取り除いていくか。それは日本の政治を変えるだけでなく、国と国と関係、国と地方自治体との関係、国と人の関係、自治体と人の関係などを築きなおし、世界の流れを変えていかねばならない。

 それは人が人を死に追いやることと、人が自分を死へとおいつめること。自分に責任はないと居直ることと、人を「自己責任」と突き放すことと、自分が窮地に立ったときに、自分だけは見逃してくれと責任を回避しようとすることなどとも、深くかかわってくる。都合のよすぎる「強者」の論理は、人間は弱さの分だけ強くなれることを知らず、ただ格好だけ「強がる」卑怯者の論理であることを露呈して止まない。

 そういう発想しかもてない人たちには、依然、自殺は個人的な問題であり、弱いからであって、あまりに社会問題として大きくなったから無視はできない、放置しておくわけにはいかないことに気づいても、なぜ各種のサポートと適切な「心の治療」によって「避けられる死」があるのかを深く考えることもなく、それと自分たちのやってきたこと、いま現にやっていることの関係や責任には思い至らず、各種のサポートと適切な「心の治療」で助かるということをいままで知らなかったのだから仕方ないと居直るのがせいぜいのところ、ということでしかないのだろうか。

 いま世界は、ブッシュに退場をつきつけた米市民の決断を軸に、あらたな軌道を描き始めようとしている。

 ジュネーブで行われた米ロ外相会談。クリントン米国務長官は、ロシアのラブロフ
外相に、英語で「リセット」、ロシア語で「オーバーロード」と記した赤いボタンつ
きの装置を手渡した。

 クリントン長官とラブロフ外相は、「今回の会談は米ロ間の関係改善の端緒となるものだ」と語り、クリントン長官は、米ロ両国が、12月5日に失効する戦略兵器削減条約の見直しに向けた作業計画について意見が一致したことを明らかにした(→AFP)。「われわれは年内に合意に至るつもりだ。これは両政府にとって最優先事項だ」と語り、米国のミサイル防衛(MD)計画や核軍縮などをめぐり新たな出発を示唆する発言を行った。

 戦死者への思い、自殺者への思い、犠牲者たちへの「あの時、ああしておけば」というつみあがった悔恨の思いが、「いま、こうしなければ」という決意と勇気へと結実しつつある。失った者への思いが強ければ強いほど、「いま、ここから。いま、これから」への思いも強いものとなる。かかえてきた闇の大きさの分だけ、むかえる暁も輝きも大きくなる。人類が人類に残してきた資産の大きさ、深みと、「体調が悪そうだ。気分が沈んでいる。酒の量が増えた…」などのサインに気づく周囲の気遣いや知恵が、それぞれの「宇宙」で結びついていったとき、いま始まろうとしているあらたな胎動は、ようやく反省、やり直しの段階から、個々の希望へ、個々の活力へと変化を遂げていく。

 さまざまな障害、紆余曲折はあっても、そこへいたる道筋をふみはずさずに、確実に前進していくことを願ってやまないし、きょうの朝日新聞社説がいうように、「超大国が共有している責任を自覚して、協調路線へリセットする時」なのだ。地球市民全体がその流れを先導し後押ししていく流れをつくっていく必要がある。

 米国は5日には、北大西洋条約機構とロシアとの定期協議「NATOロシア理事会」を再開する意向を表明、グルジア紛争をきっかけに中断されていた同理事会が7か月ぶりに再開されることになった。米政府は政権が変わったいまも、グルジア支持の姿勢を変えていない。グルジアやウクライナのNATO加盟への取り組みを強く支持し、NATOロシア理事会の公式会合が再開される前に、グルジアやウクライナの今後のありかたついてロシアが方針を変更することを一環して求めている。(→AFP)

 それでも「リセット」「オーバーロード」の意味は大きい。それほどブッシュ前政権が世界に与えた「負の遺産」は大きく根深い。一朝一夕で回復できるような代物ではなくなっている。日本の小泉― 安倍政権が日本の経済社会に与えたおろかな「負の遺産」=ダメージも同様に根深く大きい。「戦争政治」を脱することができず、これまでの自己を正当化しようとして、その「お荷物」をさらに重くしようとする人たちも依然として存在する。

 劣化し崩壊状況にある日本の政治も経済社会も、その「リセット」「オーバーロード」の道を進むべきときだろう。その「リセット」は、戦争と弱肉強食に走った自公政治の責任をなかったことにする「リセット」ではない。それはいうまでもないことだろう。「リセット」のありようの一つの目安として、国の議会への女性の進出状況も念頭におくべきことだろう。

 5日、世界各国の議会関係者らで組織する列国議会同盟(IPU)が、188カ国の議会での女性の進出状況をまとめた報告書を発表したが、日本の2008年末時点での下院(日本は衆院)議員に占める女性の比率は、日本は9.4%で104位にとどまり、先進国中で最低水準だったことがわかった。(→時事通信、CNN)

 国連は女性議員の比率の目標を30%としている。世界の議会のうち、この目標数値を達成したのは39カ国にとどまる。IPUは、「女性議員の増加率は依然鈍い」と指摘し、その原因として「偏見の存在」や「女性の社会的な役割への理解の遅れ」などを挙げている。

 女性議員の比率が最も高かった国は、ルワンダ(56.3%)、スウェーデン(47%)、キューバ(43.2%)の順。

 この翌日6日、「国会議員もどんどん女性が出てくるといい。いいんだけどね、やっぱりちょっと、あまり上品ではない、と思います」と述べた人物がいる。笹川・自民総務会長だ。朝日新聞が指摘するように、この人はこれまで、女性差別と受け取れる発言を繰り返している。 昨年9月には米議会下院の金融安定化法案否決を受けて「下院議長は女性。それで破裂した」と発言し、同12月には小渕少子化担当相について「なぜ(担当相に)なれたか。子供を産んだから」と述べ、小渕氏から「責任ある立場の人が誤解を招く発言をするのは国民にとっていいことではない」とクギを刺され釈明、また2月には「森内閣で閣僚(科学技術担当相)に任命されてうれしかったが、運悪く潜水艦が日本の生徒を乗せた船の上にドーンと上がって、やむなく沈没しました」と発言、3月に入ってからは「戦後教育は、日教組の方々のおかげでめちゃくちゃになった」「万一、次の衆院選で自民党が負ければ、日教組出身の文部(科学)大臣が生まれる可能性が大いにある。そんなことをさせたら、国旗も国歌もなくなってしまう」(共同通信)と語るなど、その問題発言、失言の類は女性議員に対する蔑視にとどまらない。まさしく自民党の本質をそのまま映し出している「鏡」とも呼べそうな存在といえよう。

 こうした「口撃」は、自民党の存続に脅威となる相手なら誰に対してでも向けられていそうな点で、自民党は依然、政治を政党対政党のつばぜりあい、ととらえるにとどまっていそうだ、ということがわかる。また日本の国の支配層は自分たちであり、それ以外はその下に位置し、見下すべき相手だと思い込んでやまない状態もみてとれる。完全に時代と民意から孤立し乖離している事実を認めようとせず、独りよがりの「口撃」を放ってやまないのである。まるでそうすることが、自民党の躍進につながるとでも信じ込んでいるかのように、である。矛先が気に入らない「敵」に向かう。すなわちそれは「敵」を生み出して内部を固めようとする、古い時代の古臭い闘争の、内側へ内側へと修練する、まるで小泉「負のスパイラル」路線と同様の誤謬を背負ったままである。こういう人たちにこれ以上、政治を委ねることは到底できないことがわかる。

 世界同時不況と失業問題。米国では失業率が8・1%に上昇した。25年ぶりの水準となるという。米労働省が6日発表した2月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数が65万1000人減少している。景気後退が深刻化している。(AFP)

 また日本では、総務省が2月27日まとめた労働力調査の2008年平均結果によると、正規の労働者は前年に比べ42万人減少して3399万人と3年ぶりに減少する一方、非正規労働者は前年に比べ28万人増えて1760万人になった。労働者全体に占める非正規労働者の割合は34.1%と前年から0.6%増えた。1月の完全失業率(同)は4.1%で、前月より0.2ポイント改善した。(日本経済新聞)

 完全失業者数は前年同月より21万人増えて277万人。3カ月連続で前年を上回った。世帯主の失業者数は66万人。前年同月より4万人増え、10カ月連続で前年を上回った。完全失業者を求職理由別にみると、勤務先の倒産や人員削減で職を失った「勤め先都合」は前年同月から23万人増えて82万人。2カ月連続で20万人を超える増加。本人や家族の事情で失業した「自己都合」は97万人で同6万人減った。

 厚生労働省が2月27日に発表した数値によると、1月の有効求人は前月比3.6%減、有効求職者は同6.1%増。新規求人は前年同月比18.4%減。産業別にみると医療/福祉、飲食店/宿泊業の増加が続いているが、製造業が同55.3%減になるなどほかの分野で落ち込んでいる、という(同)。1月の有効求人倍率(季節調整値、改定後)は、前月より0.06ポイント低い0.67倍で、2003年9月以来の低水準となっている。

 山梨日日新聞によると、雇用情勢の悪化を受け、山梨ユニオン(今福庸夫執行委員長)が2月28日と今月1日に実施した「雇用ホットライン」で、2日間で20件の相談が寄せられた。正社員からの相談が14件で7割を占めたという。業種では製造業や建設業に勤務する人が中心で、相談内容は解雇や雇い止めが14件、社会・雇用保険関係が4件などだった。ユニオンは「会社から不当な扱いを受けた際は、不況だからとあきらめずに相談してほしい」(同)と呼び掛けている。連絡先は山梨ユニオン、電話055(235)3161。

 また中日新聞によると、敦賀市のパナソニック関連会社工場で派遣社員として働く人(河本猛さん(31))が6日、正社員として雇用すべきだとして、工場と派遣元に地位の確認と慰謝料計百万円などを求めて福井地裁に提訴した。法が禁じる「偽装請負」期間を含めて4年間、実質的に派遣労働者として勤務した同氏は、電子部品製造会社「パナソニックエレクトロニックデバイスジャパン」(大阪府門真市)と人材派遣会社「日本ケイテム」(京都市)の違法行為で不安定な雇用を強いられ、精神的苦痛を受けたこと、パナ社が正社員として雇用する義務があることを訴え出ている。

 「昨秋の派遣切り横行以降、派遣労働者が直接雇用を求めた初の訴訟ではないか」と原告の海道宏実弁護士は語っている。派遣先に直接雇用を求めた同種の提訴は同日に兵庫県姫路市でもあり、9日には名古屋市や大阪市でも数人が提訴するという。

 たくさんの人が仕事を失い、職場を追われ、困窮に追いやられている。失業と自殺の関係が強まろうとしている。そうしたなかで、こうした動きが出ていることを心強く思う。労働組合はユニオン結成・駆動を通じてさらに、孤立させられ、苦境に直面している未組織労働者を広く組織化していく必要があろう。またそれはユニオンや労組だけでなく、自治体や国の相談機関を充実させ、生活保護の受給などの緊急対応を促進し、相互にネットワークして対応するなどさらに広範な受け入れ窓口と対応のかたちを大急ぎで整備していくことが求められる。

 警察庁は5日、はじめて月別自殺者数を速報した。同庁の自殺統計公表はこれまで年1回だったが、急速な景気悪化で自殺者が急増する恐れもあり、関係省庁や民間団体が実態を早期に把握できるよう、月別データを速報することにした、という(→共同通信)。

 警視庁は、今年1月に日本国内で自殺した人は男性1894人、女性751人の計2645人だったと速報した。都道府県別でみると東京255人で最多、次いで大阪が159人、埼玉155人の順となっている。最も少なかったのは鳥取の14人だった。警視庁も自殺と失業の関係を正視した対応にようやく動き出したということだろう。「人を見ればテロリストと思え」という誤謬を早急に訂正し、「リセット」して、大量倒産・大量解雇による犠牲者を1日も1時間も早く救出する作業を、最優先課題とすべきだろう。

 日本再生の担い手である人々を絶望に追い込むことは、日本社会の再生を私たちが断念することを意味する。犠牲者を出さない運動や仕事こそが明日の日本社会の再生を準備する。戦争や弱肉強食社会をあおるイデオローグとして私たちは生まれたわけではない。いまこそ私たちが発揮すべき場所で、発揮すべき力を送り出していくときといえよう。

 社会の再生には教育の再生が欠かせない。教育現場吹きあれた教育基本法の改悪はじめ「国旗・国家」への忠誠強要。教師ばかりでなく生徒たちにもその圧力は及んでいる。こうした改憲・国家主義の風圧は、表現や考え方の管理統制だけでなく、教育を受ける権利そのものに対する抑圧としてもたち現れてきた。

 「教育改革」という名目のもとに、自由と民主主義の抑圧の風に染められた現場では、雇用の不安定化から大量倒産・大量失業時代への流れを無視して、「授業料を納付しなければ卒業証書を渡さない」とする暴力を平然と行ってきた。こういうことが、未来を担う子どもたちから、いかに希望と勇気を奪うことか。そんな誤った暴力行為が再生に資する筈もない。断じて許すことはできない。

 今年も島根県立の8高校が3年生の保護者に対し、授業料を納付しなければ卒業証書を渡さない、とする通告や説明をしていたことが27日、分かった。県教委は不適切であるとして、8校を含む全県立高校を指導した。(→中国新聞)
 また山梨県立高校でも、1日にあった卒業式の際、学校側が生徒1人にいったん卒業証書を授与した後、授業料やPTA会費などの滞納を理由に返却させていたこともわかった。

 この高校(増穂商業高校)の校長は、「1年生の時から度々滞納があり、電話や家庭訪問などで支払いを求めていた。滞納が続けば卒業証書を渡せないと前もって通告しており、生徒と保護者も納得していた」「好ましくない方法とは思ったが、義務は果たさなければならないことを生徒にも分かってほしかった。指導の一環だった」(朝日新聞)と語っている。卒業証書は今も学校側が保管しており「今後、対応を検討する」という。 県教育委員会は「生徒の心情を考えれば正しい督促の方法とは言えない」(同)としつつ、「卒業証書の取り扱いは校長の権限で判断は任せている」とするにとどまっている。早急に正道に帰るよう求めたい。

 マネーゲームとは対極にある産業・仕事に未来はある。弱肉強食の論理ではなく、協力と協働のなかから、再生の可能性が芽生えてくる。そのことに確信をもちたい。確信を広げるためにこそ、動きを広げたい。戦争や競争のための知恵や勇気ではなく、共生と協働のための知恵を蓄え、勇気をふるい起こしたい。

 最後に西松建設の違法献金事件。東京地検特捜部は西松側から献金を受けた与野党議員の関係者からも任意で事情を聴く方針を固めたようだ。西松建設は二階俊博経済産業相側に直接、現金を提供していた疑いが出てきたことことなどから、二階氏の関係する政治団体の本格捜査にも乗り出すとの報道が出ている。

 西松建設関係者が、地検特捜部の調べに対して「自民党の有力国会議員側に、10年以上にわたり総額6000万円前後の現金を渡していた」(共同通信)という内容の供述をしていることも6日、分かった。

 また、この事件が「自民党議員には波及しない」と発言した政府高官は、元警察庁長官で事務方トップの漆間巌官房副長官であることを、河村官房長官が8日朝のフジテレビの報道番組で明らかにした。

 政党助成金制度があっても、やむことのない企業の政治献金。一般競争入札が原則とされている公共工事の入札。西松建設が巧妙に作り出した金を与野党を超えて議員や首長などに流していた事実は、日本が直面する貧困と命の危機、即ち社会の崩壊の危機と対極に位置しているようにもみえる。だが、その背後にはゼネコンの熾烈な生存競争があり、生存のためのあがきが悪臭を放っている。

 時代の大きな転換期に、転換の道筋を描けない無力な政治。それを担う政治家が、そこへつけこんで金を集める。政治の貧困が企業に悪臭を放たせて平然としているような政治家たちが、アメとムチで人心を自分たちの都合がいいように操ろうとしてきた。その自公政治が見放されている。それをなんとか脱皮したいと、景気対策と称して「定額給付金」の支給を国会で強行して決めた。

 西松建設の違法献金事件は、鳴り物入りで民主党の小沢氏の足元から始まり、自民党へと飛び火している。共同通信によると、献金を受ける際小沢代表側から西松建設に「請求書」が出ていたという関係者の話が出ている。地検特捜部は、西松建設のつくったダミーとされる2つの政治団体からの献金は、実際には同社から違法に迂回されたと、小沢代表側が認識していたことを示す物証とみて重視しているという。

 政治資金規正法違反容疑でとどまるのか、それとも贈収賄事件まで発展するのか。
 どのような経緯を歩むにしても、この際地検は出すべき膿を徹底して出し切るべきだ。日本の政治資金構造が、根本的に変革され、きたるべき市民社会日本のかたちを整える契機となることを期待してやまない。

(JCJふらっしゅ「Y記者のニュースの検証」=小鷲順造)

 

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