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12月21日11時1分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081221-00000031-mailo-l03
不況による非正規雇用労働者の解雇や契約を更新しない「雇い止め」が拡大している。県の調査では、県全体で2000人を超えた。県内の景気をけん引してきた県南地域の製造業。ハローワーク北上(北上市大曲町)を訪れた派遣社員と、派遣契約を打ち切った企業に実情を聞くと、厳しい現状が浮き彫りになった。
同市の電気機械関係に派遣社員として勤務する男性(42)は、転職を考えてハローワークに足を運んだ。前日、社長が派遣社員に対し、1月以降、勤務日数を現在の22、23日から半分にすると告げた。男性の月収は20万円程度。家賃4万円のアパートに1人で住む。給料が半減すれば、生活ができなくなる。
男性は高校卒業後、首都圏の製造業や県内の介護施設で派遣として働いた。しかし施設が閉鎖されたため、安定的な職に就こうと製造業を探し、5月に現在の会社に就職した。
異変が起きたのは10月。残業時間が制限され、製造ラインも少しずつ止まり始めた。現在は50台中45台が稼働を停止しているという。そして派遣の打ち切り。会社からは「こんな給料では生活できなくなるだろう」と退職を促すようなプレッシャーもかけられた。「ようやく落ち着いて仕事ができると思っていたが、まさかこんなに厳しくなるとは」と男性は嘆く。
手にした求人票はガソリンスタンド。1月以降の会社の状況を見ながら転職するかどうかを決めるという。
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会社側は派遣の打ち切りについてどう考えているのか。
北上市内の自動車部品製造会社は、派遣社員50人の契約を打ち切った。同社はほぼ100%、関東自動車工業岩手工場に納品。同工場の減産に伴い、受注が4割減となった。同社は「経営努力ではどうしようもない状態。人員整理をしなければ会社がつぶれる」とし、「一時的な需要の増減に対応できるところが派遣のメリット。需要が落ちれば切るのはやむを得ない」と話す。
厳しい状況の中で、失業者対策は喫緊の課題だ。県では来年1月に雇用対策労働室を設置し、雇用の創出のほか職業訓練も行う。しかし、製造業に限らず担い手が少ない農業などに転職を促すのも一つの手だが現状では進んでおらず、九戸村や陸前高田市が新規就農者に対し生活費を一部助成しているにとどまる。県には、幅広い支援が求められる。
【安田光高】
12月21日朝刊