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http://www.magazine9.jp/kunio/081210/
なぜ花粉症の人がこれだけ増えたのか。アレルギーの人が増えたのか。それは、社会が汚れ、不潔になったからではない。逆に、きれいになり、清潔になったからだ。それで免疫がなくなったのだ。 ほんの少し前。人間が自然と接し、家畜と接していた頃は、こうしたアレルギーはなかった。あまりきれいではない環境の中で、黴菌もあったが、それが体内に入っても闘い、守る力があり、免疫をつくった。「エンドトキシン」というものが大活躍し、アレルギーを防いだ。それが多く発生し、体を守る。NHKスペシャルでやっていた。 このエンドトキシンはどこにあるか。家畜小屋に一番多くある。特に牛だ。それも、牛のフンだ。だから、子供時代に牛小屋に出入りしていた人は絶対にアレルギーにならないという。小さいうちから牛小屋に入り、牛の面倒をみている子供は、ずっと健康だ。 牛ではないが、イエス・キリストは馬小屋で生まれた。家畜小屋だから同じだ。だからキリストは花粉症にならなかった。アレルギーにもならなかった。日本の聖徳太子も馬小屋で生まれた。それで厩戸皇子(うまやどのおうじ)という。花粉症にもアレルギーにもならなかった。とても聡明で、人々の訴えをよく聞いた。同時に十人の訴えを聞いて、即座に問題を処理したという。馬小屋で生まれたからだ。だから「17条憲法」も作った。「和を以て尊しとなし」で有名だ。これこそ「平和憲法」だ。今の日本国憲法第9条のルーツだ。 イエス・キリストも、争いの空しさを説き、「右の頬を打たれたら左の頬を出しなさい」と教えた。ミッションスクール出身の僕は、以後この教えを守ってきた。おかげで(左右両翼から)左右の頬を殴られ続け、こんなに腫れ上がってしまった。 そこで結論だ。子供は全部、馬小屋で生めばいい。牛小屋ならもっといい。そうしたら、一生、花粉症にもアレルギーにもならない。又、「平和の人」になる。オギャー!と生まれた時から、全国民が「9条」信奉者になる。「マガジン9条」人になる。なんだ。簡単なことではないか。 NHKスペシャルでは、さらにこう言っていた。田舎の子供より都会の子供の方がアレルギーになりやすい。又、第一子が一番アレルギーになりやすい。大事に、清潔に育てられるからだ。第二子、第三子、第四子となると、アレルギーはなくなる。汚れた環境に慣れ、免疫が出来るのだ。 昔、佐藤早苗の『誰も書かなかった韓国』という本を読んだ。北朝鮮から逃げてきた人のことを韓国では褒めたたえ、英雄扱いだ。でも、子供は疑問に思う。「北は悪魔の国でしょう。逃げてきた人も悪魔でしょう。なぜ歓迎するの?」と。「悪魔の国」というのはタテマエだ。本当は同じ民族だし、一緒になりたい。そう子供に言ってみても分からない。タテマエの「政治スローガン」で育てられ、純粋培養されたからだ。日本の保守派も同じだ。60年代の「政治の季節」も知らない。左翼と殴り合ったこともない。今は左翼の脅威もない。そして、左翼のいない「安全」な、「無菌」の世界にいて、言うことだけはどんどん過激になる。ヒステリックになる。困ったものだ。 僕は、汚れた世界に生きてきた。だから、幸せにもアレルギーにはならない。子供時代は東北の田舎で、自然の中で生きてきた。近くの川で真っ裸で泳いでいた。冬は、家でスキーを履き、そのままポンと雪の積もった畠に降りていた。犬や七面鳥は放し飼いで、よく追いかけられ、食いつかれていた。道路は馬車が走り、馬糞がいたる所にあった。トイレも汚かった。蚊も多かった。人間は蚊帳に避難して、やっと眠れた。 いや、僕自身が「獣」だったのだろう。左翼にはよく殴られたが、殴りもした。襲撃もした。先日、早大の同級生と会った。右翼学生だ。「あの頃はよく乱闘したな」と思い出話になった。「左翼なんか皆殺しにしろ!」なんて叫んでいた。右翼学生の方が圧倒的に少数だから、こっちの方が抹殺されるところだった。でも、闘っていた。力が余って、左翼だけでなく、一般学生も殴っていた。誤爆だ。「僕は左翼じゃありません。ノンポリです」と抗議されると、「ウルセー、左翼的な顔をしているのが悪い」と言って、又、殴る。「ほら、左向いた」と言って又、殴る。ひどい連中だ。獣だ。僕も、そんな獣の一人だったようだ(その時だけは、イエス様の教えを忘れていた。いかんな)。しかし、それで通用した。いい時代だった。 |