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2008年12月07日 社説
[雇用対策]
もっと強力に 迅速に【沖縄タイムス】
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-12-07-M_1-005-1_001.html?PSID=d4ff8a8abcbb0bf12a0ed7ee4db83dba
一方的な中途解約に、契約更新なしの雇い止め。
自動車・電機産業を中心に派遣や期間従業員を削減する動きが加速している。
東芝や富士通、シャープなど大手では、百―四百人をすでに削減、あるいは契約を打ち切る方針だ。
トヨタなど自動車メーカーでも工場が休止に追い込まれ、非正規社員の大量削減が計画されている。
県外の工場で期間従業員として働く県出身者は多い。
沖縄労働局の紹介による出稼ぎ労働者は今年十カ月間で四千二百八十三人に上った。
県内の出稼ぎ労働者の全体数は把握できないものの、数千人の県民が本土に一時的に就職しているようだ。
愛知県にある労働組合「管理職ユニオン・東海」に寄せられた電話相談の三割は沖縄県出身者だった。
年内解雇の通告のほか、即日解雇を告げられたひどい事例もある。
四十代男性は、携帯電話の留守電に「解雇通告」が吹き込まれていた。
人間をまるで生産ラインの部品としか見ていないのではないかと思える不当な仕打ちだ。
期間従業員の多くは住み込みで働いている。失業するということは即、住まいを失うことでもある。
今年八月から長野県にあるパソコンの製造工場で働いている県出身の女性(37)は、先月末から週二回の自宅待機を命じられた。今週以降は、週三回の待機になる予定という。
「二カ月待機している同僚もいる。今以上に景気が悪くなったらどうなるのか」。不安は募るばかりだ。
自民・公明両党は、非正規労働者の再就職支援などを盛り込んだ新たな雇用対策をまとめた。事業規模は三年間で二兆円。
派遣社員を正社員として採用した企業に百万円の助成金を支給するほか、失業した非正規労働者の仕事の場を確保するため都道府県に基金を創設するという。
いずれも、速効性のある対策とは言い難い。景気後退が急速に進む中で、雇用対策に手詰まり感さえ漂ってきた。
解雇通告を受けた期間従業員にしてみれば、政府の対応はあまりにも悠長で、遅すぎるというほかないだろう。
対策を実施に移しても効果が表れるのは数カ月先。明日の生活が見えない人々にとってはまさに一刻を争う深刻な事態なのだ。
目的があいまいで混乱を招いた定額給付金の二兆円を、この際、雇用対策に回してはどうだろうか。
労働者派遣法の改正によって二〇〇四年から、製造業への「派遣」受け入れが解禁された。企業がバブル景気後の不況を乗り切ることができたのは、正規社員との格差を抱えながら業務をこなしてきた非正規労働者の働きに負うところが少なくない。
にもかかわらず景気が後退したとたん、派遣切り、雇い止め、の嵐だ。個人の暮らしが冷え込んでは景気回復にはつながらない。
政府の対策はもちろんだが、企業も安易な解雇をやめ、ぎりぎりまで雇用を継続する努力を講じてほしい。