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http://www.chunichi.co.jp/article/feature/yomawari/list/CK2008092202000195.html
子どもたち、私たち人間は、五感を働かせて外の世界とつながり、そして感じ、考え、生きています。五感とは、視覚、聴覚、触覚、嗅覚(きゅうかく)、味覚の五つの感覚のことです。
特にこの五感の中でも、視覚と聴覚は、生きている限り、起きている限り、常に働き続けています。町を君たちが歩いているとき、不審な物音や悲鳴が聞こえれば、君たちは振り返るでしょうし、目の前に車が飛び出してくれば、逃げるでしょう。
君たちが、テレビでお笑い番組を見ている時を思い出してください。君たちは、彼らの面白いことばで笑い、また彼らの奇妙な動作で笑っています。でも、決して耳で聞いたことばだけで笑うのではないでしょうし、目で見た動作だけで笑っているのではないでしょう。耳と目を同時に使い、その両方から得た情報で、おなかがよじれるほど笑っているはずです。確かに、日常の生活では、これでいいでしょう。
でも、美術館で美しい絵を見るときはどうですか。もしそこにうるさい音楽や騒音が流れていたら、君たちは絵をきちんと見ることができますか。美しい音楽を聴くときも同様です。そこに、意味もなく赤や青、黄色の明かりが点滅していたら、きちんとこころで聞くことができますか。また、その逆にこんな経験はありませんか。電車の中で面白い本を読むことに熱中して、おりるべき駅を通過してしまったことが。
子どもたち、人間には、視覚と聴覚をきちんとともに働かせていなくてはならないときと、どちらかを抑え集中しなくてはならないときがあります。子どもたち、今私は、少し恐れていることがあります。それは、君たちが、いつも視覚と聴覚をともに働かせて、外の世界と関係を持ってしまい、それぞれをきちんと、使い分け、集中することが苦手になっているのではないかということです。
子どもたち、目を閉じ、鳥の声や川のせせらぎ、風の音を聞いたことがありますか。夕日の美しさに夢中になり、何の音も聞こえなくなり、時の過ぎることすら、忘れたことがありますか。
子どもたち、本当に美しいものには、音は必要ありません。花は音を出しますか。朝日や夕日はどうですか。本当に美しい音にも、同じです。他の感覚を働かせることは、その本当の美しさを汚してしまいます。
子どもたち、1日数分でいい、目を閉じ、美しい音を探しましょう。1日に数分でいい、耳を閉じ、美しいものを探しましょう。それが、必ず、君たちのこころを洗ってくれます。
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