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http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10141252926.html から転載。 2008-09-19 19:14:30 私は常々若い人たちに「昔は独身でいるという選択が限りなくゼロに近くて、三択、四択、五択という言い方をすれば結婚は事実上、選択肢が一つしかないから一択だった」と言っている。私の若い頃は独身でいる人をなにかまるで欠陥人間でもあるかのように見る風潮が社会にあって、独身でいたくても結局は追い込まれて結婚せざるを得なくなっていた。貧しくても見合いをしたり恋愛をして何とか結婚にこぎつける若者が圧倒的多数を占めていた。60歳以上で一度も結婚生活を経験していない人など、おそらく皆無とは言わないまでも、きわめて少ないに違いない。 ところが今はどうだ。就職活動を「就活」と言うように、結婚活動を略した「婚活」という言葉まであるようだ。それほど結婚にこぎつけるのが昔に比べて困難になっているということだろう。 このように結婚が難事になった現代社会を描いた書物が「『婚活』時代」である。著者の一人、山田昌弘さんに日経ビジネスがインタビューしている。 ============================================= http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20080307/149207/ <著者に聞く> 結婚できない男女が増えている。就職に「就活」(就職活動)が必要なように、結婚にも「婚活」(結婚のための活動)が必要な時代が到来した――。本書では、「パラサイト・シングル」「格差社会」などの概念の生みの親として知られる家族社会学者の山田昌弘氏と、本ウェブサイトで「白河桃子の『“キャリモテ”の時代』」を連載中の白河桃子氏が、晩婚化、非婚化の進む日本の実態を解明し、各種結婚サービスの活用法を紹介している。山田昌弘教授に、現代日本の結婚の実態と具体的な「婚活」について聞いた。(聞き手は日経ビジネス オンライン 大塚 葉) 山田昌弘(やまだ・まさひろ)氏 ―― よりよい結婚を目指して積極的に行動する「婚活」の必要性は、いつ頃から出てきたのでしょうか。 1980年代です。例えば就職について言えば、就職協定などの規制があった頃は、学生の就職先も比較的楽に決まっていました。しかし1980年代の就職協定解除や男女雇用機会均等法施行後、就職難の時代が来た。1990年代には求人も減り、「就職氷河期」が訪れます。よりよい就職先を見つけるには、会社情報を集めたり自分から積極的に行動する「就活」(就職活動)の必要性が、以前より高まってきました。 結婚の場合も同じで、男女交際や結婚についてある種の「規制緩和」が進んだことで、晩婚化、非婚化が始まった。これが1980年代のことです。 「規制緩和」の1つは、恋愛結婚の増加です。国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、「恋愛結婚・見合い結婚の構成比」が1965〜69年頃を境に逆転しました。それまで多く行われていた、お見合いや職場結婚などのような「ほぼ自動的に結婚できるシステム」が減ってきたのです。 恋愛観や結婚観にも「規制緩和」が進みました。例えば「男女交際の自由化」です。男女とも出会う相手が多くなって選択肢が広がったこと。さらに、つき合ったからといってすぐに結婚しなくなった、つまり「別れる自由」が出てきた、ということです。こうした状況が男女の晩婚化、非婚化を促進することになりました。 このため、意識的に「結婚のための活動をする」必要性が出てきたのです。 ―― 山田さんのおっしゃる「格差社会」が結婚に関しても登場し、晩婚化や非婚化の原因になっているのではないでしょうか。 男性、特に若年層の経済力格差が、今起こっている問題の根本にあります。以前は、男性は就職すれば収入が安定し、将来的には増大する見込みがありました。しかし今では、「就職できない」「正規社員になれない」などの理由で、経済力がない男性が増えています。安定した収入が見込めないため結婚できない、という状況になっているのです。 男性だけではなく、未婚の女性の間での経済格差も広がっています。昔の女性社員は、「一般職という中ぐらいのレベル」で平等だったのですが、今は(高収入の)「キャリアウーマン」がいるかと思えば、「非正規社員」も多い。 (共著者の)白河さんは、「最近は高収入のキャリアウーマンも出てきている」と言っていますね。確かに以前に比べて増えましたが、まだ一握りです。大多数の女性は、男性に経済的に頼りたいと思っています。それなのに男性の経済力が落ちているので、結婚に至らないというわけです。 以前は男女の経済格差が大きかったから、20代半ばで結婚し、「夫は仕事、妻は専業主婦」という形が成り立っていた。しかし結婚や恋愛に関する選択肢が増え、認識も変わってきました。 例えば女性の社会進出により、「私は結婚してからも働きたい」と悩む女性が出てきた。さらに今では、男性が経済的な理由から「結婚しても共働きしたい」と思っているのに、女性は「私はあまり働きたくない」という悩みが出てきている。こうしたライフスタイルへの考え方の変化も、結婚の決断を鈍らせる原因にもなっています。 ―― そんな状況下、具体的にはどんな「婚活」をしたらいいでしょうか。 結婚情報サービスについては本書で白河さんが詳しく述べているので、私は男女それぞれが努力すべきことを言いますと、まず、男性は自分を磨くことが大事です。これまで「自分を磨く」のは女性に望まれることでしたが、男性にも必要だということですね。 特に、経済力とコミュニケーション力をつけること。コミュニケーション力とは、相手が何をほしいか察知できる能力です。 一方で女性のすべき「婚活」は、自分で稼げるようになること。それから男性に求めるものを変えていく必要があります。相手への要求水準を下げることも大事です。 ―― 山田さんが理事、白河さんが委員長として関わっておられるNPO法人(特定非営利活動法人)「日本ライフデザインカウンセラー協会」は、どのような活動をしているのですか。 結婚相談所も昔なら、若い未婚の男女を引き合わせさえすれば、自然に結婚するケースがほとんどでした。しかし今では、単に出会ったり交際しただけでは結婚に至らない場合も増えてきている。そこで最近ではカウンセラーにも、どうやったら成婚させられるかのスキルが問われるようになってきているのです。 ―― 本書を読んで納得したのは、「婚活」が少子化対策になり得るという点でした。 日本で少子化という言葉が定着して10年ほど経ちます。今、少子化対策として打ち出されているのは、育児休業制度の拡充など、ほとんどが「子育て支援策」です。しかし、よく考えると少子化の直接の原因は、未婚の男女の増加なのです。 「子育てしやすい社会にする」のも大事ですが、その前に結婚して子供を生む人を増やすことが必要です。 「就活」に関しては、公的支援や指南本なども多く出ている。「婚活」についても、日本の結婚の実態を明らかにし、「結婚できないけれどしたい」という人をサポートすることが必要だと思ったのが、本書を書くきっかけになりました。
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『「婚活」時代』の著者、家族社会学者の山田昌弘氏に聞く【日経ビジネス】
テーマ:一般ニュース
結婚できない男女が増加
今後は「婚活(こんかつ)」が必須に
『「婚活」時代』の著者、家族社会学者の山田昌弘氏に聞く
2008年3月12日 水曜日 大塚 葉
1957年生まれ。1981年東京大学文学部卒業。1986年同大学大学院社会学研究科博士課程 単位取得退学。東京学芸大学教育学部教授(4月より中央大学文学部教授)。専門は家族社会学。著書に『パラサイト・シングルの時代』(ちくま新書)、『家族というリスク』 (勁草書房) 、『新平等社会』 (文芸春秋)など。(写真は省略)
『「婚活」時代』
山田昌弘、白河桃子共著、ディスカヴァー・トゥエンティワン、1000円(税別)
結婚、育児、介護、キャリアなど様々なライフステージにおける専門的なアドバイスやカウンセリングのできる人を養成・認定する団体です。いわゆる結婚相談所のカウンセラーの育成なども行います。