★阿修羅♪ > 社会問題6 > 119.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
中日新聞
全文
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/yomawari/list/CK2008081102000216.html
子どもたち、私はこの4月から京都にある花園大学で教壇に立っています。
花園大学の教壇に立つことになったことには、実は理由があります。花園大学は、仏教、禅宗の一派である臨済宗の大本山妙心寺がつくった大学です。
子どもたち、仏教について何を知っていますか。仏教は、今から約2500年前にインドのゴータマ・シッダールタ(釈迦)が、はじめた宗教です。仏教の基本的な教えは、一切皆苦(この世のすべては苦である)、諸行無常(すべてのものは変化する)、諸法無我(絶対的なものは存在しない)、涅槃(ねはん)寂静(無常・無我を悟れば、心の安らぎが訪れる)、の4つのことばで説明することができます。
簡単に言えば、生きるということは、それだけで苦である。それは、人が必ず欲望を持ち、その欲望が満たされないことからくる。そんな欲望を捨て、自分にこだわることをやめ、自然の流れのままに生きようという教えです。
また、仏教の一派である禅宗は、その欲望、自分に対するこだわりを捨てるために、座禅(ただ座ること)を通して止観(感じる、考える、思うことをすべて止めること)、無我(自分へのこだわりを捨てること)を行い、煩悩(今の悩み苦しみ)から解脱(解放)されようという教えです。
子どもたち、私は今、約15万人の夜眠れず苦しむ子どもたちと共に生きています。彼らの多くは、消すことのできない過去にとらわれています。過去のいじめ、過去の虐待、過去の失恋…。それはつらかったと思います。でも、過去を変えることはできません。また、彼らの多くは自分の欲望や夢がかなわないことにとらわれています。でも、悩んで立ち止まり苦しんでいても何も変わりません。明日に今日の苦しみを運んでいるだけです。
子どもたち、私が花園大学で教壇に立っているのは、禅を勉強しようと思っているからです。禅の止観、無我を、悩んでいる子どもたちの、悩み苦しみからの解放に、方法として使えるのではないかと考えているからです。
関連
【シリーズ 結いの心】もやいの輪、広がれ 針路さがして(下) 昔の寺の役割、社会の役割
http://www.asyura2.com/08/social6/msg/116.html
いじめの構造 〜日本人が知らない分断統治の仕掛け〜【連山】
http://www.asyura2.com/08/senkyo52/msg/487.html