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雇用・企業の資金繰り対策が最重要課題 麻生首相が会見で【JAN JAN】
http://www.senkyo.janjan.jp/senkyo_news/0812/0812120386/1.php
神山玄太2008/12/12
麻生太郎首相は12日、首相官邸で記者会見を開き、「アメリカの金融危機が尋常ならざる早さで実体経済へ影響し始めている」との認識を示した上で、雇用対策と企業の資金繰り対策が最重要課題であるとした。
麻生太郎首相は12日午後、首相官邸で記者会見し、総額で23兆円規模の「生活防衛のための緊急対策」を発表し、新年早々の通常国会冒頭に上程する方針を示した。
麻生首相は会見の冒頭、現在の経済状況について「アメリカの金融危機が尋常ならざる早さで実体経済へ影響し始めている」との認識を示した。
麻生太郎首相は12日の記者会見で、雇用対策と企業の資金繰り対策が最重要課題だと表明した。
(9月22日・神山玄太撮影) 麻生首相は、年末に向けて経済状況が深刻化する中、雇用対策と企業の資金繰り対策を最重要課題とすると表明した。
これらの対策の規模として、住宅ローン減税や設備投資減税などの総額1兆円規模の減税を含んだ財政対応策に10兆円、金融対応策として保証融資枠の設定のために13兆円の合わせて23兆円の経済対策となるとした。
「国民生活の不安を取り除く、そして少なくとも先進国の中では最も早く今回の不況から脱出することを目指して、あらゆる手段をとりたい」との姿勢を示した。
◆雇用対策について
麻生首相は「年度末ではない。年末までに急がなくてはならない」と念を押したうえで、企業を解雇された労働者の住宅問題に早急に取り組むことを示した。
解雇された従業員が引き続き会社の寮に住み続けられるように事業主に要請し、事業主にも助成する考えを示した。
その上で、13,000戸ある雇用促進住宅での解雇者の受け入れと住宅入居費の貸し付け策にも言及した。
また新卒者の内定取り消しが相次いでいることを受けて、「(悪質な)企業名の公表を含めて指導を徹底したい」とした。
第2次補正予算では、職を失った非正規労働者に対して地域における雇用機会を作るために4,000億円の基金を創設し、また平成21年度予算では雇用保険料の引き下げと給付の見直し、さらに雇用維持対策と再就職への新たな支援のために1兆円を追加する考えを示した。
◆金融市場対策について
第1次補正予算において緊急信用保証枠として6兆円と政府系金融機関の緊急融資枠として3兆円の合わせて9兆円を用意したことに触れて、「この一両日を見ても、1日に1,000億円前後の保証を実施しているし、まだ4兆円以上の保証枠が残っている。
年末に向けて十分な資金を用意してある」と述べ、野党からの批判だけでなく、与党内からも早急に第2次補正予算案を提出すべきだとの声が出ていることに対して牽制した。
さらに12日に金融機能強化法が成立したことを受け、「企業への貸し渋りや貸しはがしが生じないよう、金融機関が安心して地域経済や中小企業に対して資金供給ができる環境がさらに整備された」と述べた。
総裁選後の所信表明で歴代自民党総裁の肖像画を見つめる麻生首相
(9月22日・神山玄太撮影)
◆対策の実行過程について
これらの緊急対策の実現について麻生首相は、「第2次補正とその関連法案、そして税制改正も含め、平成21年度当初予算とその関連法案を早急に成立させ、切れ目無く実行する必要がある」とし、国会での審議時間を確保するために年明け早々の1月5日に通常国会を召集する考えを示した。
また先日行われた小沢一郎民主党代表との党首討論に触れ、「審議に協力し早急に結論を出すと約束いただいている」と述べ、ねじれ国会の下での法案審議について民主党の協力を要請した。
◆消費税について
消費税の増税について麻生首相は、「大胆な行政改革を行った後、経済状況を見た上で3年後に消費税の引き上げをお願いしたいと過日申し上げた。
この立場は全く変わっていない。
社会保障の安全強化のため、消費税負担増の準備をやらなければならない」と明言し、「3年後の消費税率の引き上げ」の方針を維持した。
「いろいろと批判が出ることは承知している。それでも責任与党として最後は理解してもらえると信じている」と述べ、消費税率引き上げ時期の明言を避けようとする与党内の異論に首相自らクギを刺した格好だ。
◆解散・総選挙について
解散総選挙に関連し、「解散の時期について民主党小沢代表と話し合うつもりはあるか、また解散総選挙についてどのように考えているのか」との記者団の質問に対して、麻生首相は「政策について民主党と話し合う政党間協議は大歓迎だ。
ただし解散については話し合うつもりはない。
また(解散の)時期というものも、私が判断をさせていただきます」と述べるにとどめた。
◇ ◇ ◇
麻生首相の追加経済対策に関する会見(全文)
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