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(回答先: 共同通信の世論調査で、郵政民営化見直し、財政再建見直しを求める声が上回ったという点を見落としてはいけない 投稿者 ブッダの弟子 日時 2008 年 12 月 11 日 12:52:58)
榊原英資氏:小泉首相がおこなっていることは「知的詐欺」
http://www.geocities.jp/mizuyokan2002/sakakibara.html
◆2005年9月9日◆
“ミスター円”として知られた元大蔵省(現・財務省)財務官で現在慶應義塾大学 教授、同大学グローバル・リサーチ・セキュリティ・センター所長である榊原英資氏 は、小泉純一郎首相に「非常に怒っている」と言う。民営化でないものを「民営 化」とごまかして、民営化に賛成かどうかで選挙をするなどとは、「知的詐欺」だ と言葉を荒げる。以下榊原氏とのインタビューだ。
Q:小泉氏の「郵政改革」をどう思われますか?
A:まず最初に現実問題として問われているのはあの法案に賛成かどうか なのです。選挙に勝てばあの法案を出すわけです。あの法案がどういう法案か ということをまず知らなければいけません。民営化法案ではないのです。
なぜかというと、例えば、郵便事業に関してはネットワークを全部維持する と言っているわけです。それから、雇用はいじらないと言っています。民営化 して雇用の調整もできないし、ロケーションの調整もできない。当然のこと ながら、過疎地とか離島の郵便局は維持するわけでしょ。維持すると赤字が出ます よね。赤字を補填するために2兆円を積むと、つまり、公的資金を2兆円投入 するということです。もともと2兆円の公的資金の投入を予定する株式会社など どこにありますか?それが「民営化」だなんてまったくおかしい。
2点目は、民営化すると何が起こるかというと、貯金業務は銀行法の対象になる わけです。保険業務は保険業法の対象になるわけです。銀行法と保険業法では 他業の禁止というのがあるのです。つまり、貯金をやっているところは郵便事業 ができないわけです。貯金をやっているところは保険事業ができないのです。 だから、分社化しなくてはいけない。法律に違反するから分社化せざるをえない のです。ところが、分社化すると言っておいて、一方で一体化して運営すると 言っています。どうやるのですか?分社化しておいて、一体化して運営したら、 これは法律違反になります。この法案はそこの問題が解決していないのです。 これは民営化ではありませんよ。
それからもう一つ、当面は株を100パーセント国が持つのです。最終的には 3分の1の株を国が持つのです。おそらくこれは国民に広く売るでしょうから、 3分の1持っていれば、国が筆頭株主として会社をコントロールできます。 つまり、これは国営会社のままということです。そういうディテイル(詳細)を ちゃんとチェックしないで、民営化すべきかどうかと議論してもしょうがない。 この法案は民営化法案ではないのです。結果として何が起こるかというと、 事実上の国営のままの業務の肥大化が起こるのです。小泉氏はこれらをわかった うえで民営化か民営化じゃないかと言っているわけですよ。あの法案に反対した 「守旧派」と言われている人たちはそれを分かっているのです。小林興起氏 などは分かっているが、小池百合子氏は分かっていません。
こういう実態をちゃんと報道してほしい。法案を読んでくれればそう書いてあり ます。2兆円の基金を積みます、しかも、ネットワークは維持しますと書いて ある。雇用は減らしませんと言っているわけです。株式は3分の1最後まで持ち ますと書いてある。そんな民営化どこにありますか?私は民営化がいいと言って いるのではない。これは民営化法案ではありませんと言っているのです。事実上 の国営業務の拡大です。むしろ、お金が民から官に流れるわけです。
私は今、非常に怒っている、民主党を支持するとかそういうのではなくて、要する にインチキなんだ。知的詐欺だ。「民営化する」と言っておいて、民営化して いないのは知的詐欺だ。3分の1の株を国が持っているところが、民営化企業 ですか?国が圧倒的筆頭株主ですよ。
Q:純粋な郵政民営化が可能ですか?
A:私は民営化には反対です。純粋な民営化は非常に難しいのです。日本の場合、 無人島まで含めると6852島あるのです。そのうち、人間が500くらいの島 に住んでいます。そのうち、300くらいが離島です。それから、日本というのは 山間僻地が多いですから、これがやはり、200や300くらいあります。民営化 するのであれば、採算の取れないところはやめなければならない。ですから、純粋 に民間企業化した時に廃止しなくてはいけなくなる郵便局というのが、500くら いあります。これができるかどうかという話なのです。おそらく国としてはでき ないでしょう。要するに、これらの地域の郵便局を維持しようと思ったら、郵便 事業は民営化できないのです。だから、私は、郵便事業は民営化できませんよと 言っている。
それから、もう一つ、貯金と保険は論理的には民営化できます。ただ、貯金は 210兆円あります。それから、保険は130兆円くらいあるわけです。民営化 した場合には世界最大の銀行になるわけですね。その世界最大の銀行を稼働させた ときにいったいどうなるかというと、巨大な影響がでるわけです。郵便局のネット ワークは地方に多いわけですから、地方に大きな影響が出ます。信用金庫、信用 組合とかと競争することになります。すると、地方金融機関の再編を促すこと になるわけです。
例えば、シティ・バンクが日本に2万の支店を持ったと考えてください。しかも、 事実上、国のバックがあるわけですから、預金者獲得競争をやり出したらそりゃあ 勝てますよ。結果としては、地方の金融機関がバタバタ倒れることになる でしょう。巨大すぎて民営化がなかなかできないわけです。民営化すると 言うのなら、最初に縮小しなくてはいけない。民主党案はそれです。
つまり、徹底的に議論した末、民営化できないというのが結論なのです。だから、 民営化しないような法律になっているわけです。あれは民営化の法律ではない のです。それが現実なのです。それで民営化かどうかを問うために、衆議院を解散 して民意を問うなんていうのは狂っている。非常にインチキな選挙なのだけど、 それがまかり通っている。許せないことです。
どの党がどうだと言うつもりはまったくありません。いろいろな立場があっていい と思います。それが民主主義ですから。ただ、民営化でないものを民営化だと言ってはいけません。知的詐欺はいけません。
Q:それでは、今、国がまず取り組まなければいけない問題とは?
A:財政再建です。そして、財政再建の一つのポイントは年金であり医療なの です。だから、経済では財政再建、年金、医療なのです。外交でいうと、アジア 外交です。その二つが非常に重要なのです。このまま財政再建できなければ、 日本は5年から10年の間に沈没になってしまいます。今までのところは、 個人の貯蓄の資産が1400兆円あります。その範囲で赤字がおさまっています。 (国の借金は)だいたい800兆円ほどだと言われていますね。だけど、どんどん増えている わけですよ。個人の資産は目減りするわけですから、どこかでクロスすると 日本は破綻です。このままだと国家破産が5年から10年後に来るでしょう。
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