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2008年12月 8日 (月)
支持率暴落の麻生政権と「偽装CHANGE集団」の蠢(うごめ)き
麻生政権の支持率を問う各社世論調査が出揃った。
共同 支持21% 不支持67%
読売 支持21% 不支持67%
朝日 支持22% 不支持64%
毎日 支持21% 不支持58%
産経 支持28% 不支持58%
日経 支持31% 不支持62%
政権維持の危険水域とされる支持率30%を軒並み下回った。不支持率は支持率の2倍から3倍に達している。
世論調査では、半数以上の国民が年明けまでの解散総選挙を望んでいる。また、麻生太郎氏と小沢一郎氏のどちらが首相にふさわしいかとの質問に対しては、小沢氏がふさわしいとの回答が、麻生氏がふさわしいとの回答を上回った。
100年に1度と言われる経済危機が日本経済を襲っているのに、日本の政治対応が停滞している背景に国会のねじれ現象がある。衆議院では与党が圧倒的多数を確保しているが、参議院では野党が過半数を制している。与野党の意見が対立すると、法案を成立させることが困難になっている。
直近の有権者の審判結果は参議院の議席構成に示されている。参議院では野党が多数を占めている。与党は衆議院で多数を確保しているが、直近の民意は与党を支持していない。したがって、政策運営にあたっては、野党の意向を尊重し、謙虚な姿勢で行動することが求められる。
2007年の参議院選挙で、安倍晋三元首相は参議院選挙を首相選択の選挙と位置付けた。自民党は惨敗し、民主党が参議院第一党の地位を確保した。安倍首相の退陣は避けられなかった。安倍元首相は進退の判断を誤り、臨時国会で所信表明演説を行ない、代表質問を受ける直前に政権を放り出した。
後継首相に就任した福田康夫首相は、野党の意向を尊重して政権を運営する責務を負っていたが、日銀幹部人事では、財務省からの天下り人事をゴリ押ししようとして行き詰まった。給油法案、ガソリン税暫定税率復活などで、参議院の意向を無視して、衆議院の数の力で法律成立を強行した。しかし、結局、政権を引き継いで1年もたたぬうちに、またしても、無責任に政権を放り出してしまった。
自民党は1年の間に2度も政権を無責任に放り出した。国民不在の無責任政治の極みと言わざるを得ない。重要問題が山積するなかで無責任に政権を放り出してしまったのだから、自民党は直ちに後継総裁を選出し、政治空白を作ることを回避しなければならなかったが、3週間にわたるお祭り騒ぎの自民党総裁選を実施した。
複数候補による代表戦を実施しなかった民主党を攻撃し、「開かれた自民党は総裁選で正々堂々と論戦を繰り広げて、政権担当能力を明らかにする」との大義名分を掲げて総裁選を実施した。その自民党が総裁選から2ヵ月しか経(た)たぬのに、内乱状態を示している。自民党議員に麻生首相を批判する資格はない。
自民党は、総裁選を実施して内閣支持率を浮上させ、その勢いで解散総選挙を実施することを計画した。政権を放り出したことに対する責任を痛感して、国民のために全身全霊を注ぐとの、政治に求められる基本姿勢は微塵(みじん)も存在しなかった。これまで維持してきた政治権力を、何が何でも離さないとの「党利党略」だけが行動の基本原理だった。
麻生首相は10月10日発売の月刊誌に解散総選挙を宣言する手記を発表した。臨時国会冒頭の解散総選挙のシナリオが確実に進められていた。
ところが、自民党が実施した選挙予測調査で自民党惨敗予想が示されたために、総選挙実施が先送りされた。その矛盾を覆い隠す隠れ蓑(みの)に、世界的な金融危機が利用された。麻生首相は「100年に1度の暴風雨が荒れている」と述べて、いまは「政局より政策」と訴え、総選挙を先送りして追加景気対策を発表した。
「政局より政策」と訴えた以上、全力をあげて景気対策の実施に突き進むことが求められるのに、麻生首相は補正予算案の国会提出を来年に先送りする姿勢を示した。民主党の小沢代表は麻生首相に党首会談開催を要請して補正予算案の国会提出を要請した。
11月28日に初めて実施された党首討論で小沢代表はこの問題を追及した。麻生首相は年内の景気対策は第1次補正予算で十分であることを力説した。小沢氏は、それでは年内に総選挙を実施するのが筋ではないかと述べた。麻生首相は明確な説明を示せなかった。
衆参の支配勢力が異なっているため、政権が野党に歩み寄らない限り、政策運営は必ず行き詰まる。この問題を解消するには、解散総選挙を実施して、国民の負託を受けた本格政権を樹立するしかない。
総選挙の結果、現在の与党が衆議院で再び多数を確保するなら、野党は与党の政策運営に協力すべきである。参議院で多数を確保していても、直近の有権者の審判が衆議院の議席構成に反映されるのだから、その意向を尊重すべきだ。
総選挙の結果、現在の野党が衆議院でも多数を確保すれば、政治のねじれ現象は解消する。政権交代が実現し、新たな政権が大胆に政策を実行してゆけばよい。
日本経済は未曾有(みぞう)の経済危機に直面している。年末を控えて、多数の国民が雇用不安、生活不安に脅えている。失業した場合のセーフティーネットが最も脆弱(ぜいじゃく)な非正規雇用労働者が、いま最も深刻な事態に直面している。政治が全力をあげて危機に対応するべき局面だ。
国民の視点に立てば、「総選挙をしないなら補正予算を提出しろ、補正予算を提出しないなら総選挙を実施しろ」となる。麻生首相は「選挙を先送りしたのに、補正予算も先送り」した。「国民より自分」、「政策より政局」、「公より私」の基本路線を明確に示した。世論調査結果は国民の正しい認識を示した。
国民の利益に反する、党利党略優先の政治行動がまかり通っている大きな原因は、マスメディアがこのような歪んだ政治行動を厳しく糾弾しないことにある。
二つの事例を示しておく。
テレビ東京は土曜日昼に「ニュース新書」と題する番組を放映している。MCは日経新聞政治部に所属していた田勢康弘氏だ。日経新聞は社長が鶴田卓彦氏から杉田亮毅氏に交代して以降、小泉元首相支援の色彩を鮮明に示して現在に至っている。経緯は拙著『知られざる真実−勾留地にて−』をご高覧賜りたいが、現在もその延長上で、小泉元首相−中川秀直元自民党幹事長−小池百合子氏−渡辺喜美氏−竹中平蔵氏などに連なる、いわゆる「偽装CHANGE集団」支持のスタンスを維持している。
「ニュース新書」でも日経新聞の基本路線に沿った放送内容が示されている。MCの田勢氏は、衆議院の解散総選挙の時期について、福田政権の時代から任期満了の可能性を一貫して主張してきた。現在でも、任期満了の選挙の可能性が高いことを述べている。
問題はその理由だ。田勢氏は自民党にとって最も有利な時期を考察する結果として解散時期の予測を述べている。確かに純粋に予測の精度を競うのなら、この手法で構わないのだろう。しかし、全国紙の政治担当ジャーナリストとしての役割を考えたとき、政治専門家とされる田勢氏のような立場の人間は、自分の言葉の持つ意味をもっと重く考えるべきである。
政治家が国民の幸福を第一と考えず、自らの利権、利益、党利党略ばかりを考えるようになったことが、日本政治の貧困を象徴している。政治は国民のために存在するのであって、政治家のために存在するのではない。
衆議院の解散総選挙という、最も重要な政治決定は、国民の幸福実現という一点のみに立脚して決定されるべきものである。政治家の打算、利害得失によって決定されることは邪道である。田勢氏のような立場の論者が、利害得失、党利党略による解散時期決定の思考プロセスを肯定することは許されない。政治評論家がいささかの批判的論評も加えずに、党利党略の行動を是認して評論することが、政治家の党利党略行動を助長している。
政治のあるべき姿、政治家としてのあるべき行動を論じない政治評論は、単なる「予想屋」の論評に過ぎない。政治を論じる識者は日本の政治を糺(ただ)す視点からの論評を示す責任を負っている。
第二の事例は、テレビ朝日番組「サンデープロジェクト」MCの田原総一郎氏の行動だ。これまでも記述してきたように、田原氏の偏向ぶりには目に余るものがある。テレビ朝日の会長が日経新聞会長の杉田氏と同様に、小泉元首相と極めて近いことも大きな要因であると考えられる。
「サンデープロジェクト」では、「偽装CHANGE集団」を著しく優遇して取り扱っている。この傾向は同テレビ「TVタックル」にも共通している。
次期総選挙で民主党を軸とする野党勢力が勝利して、本格的な政権交代が実現する場合、日本の「官僚主権構造」は崩壊する可能性が高い。これまでの「官僚主権構造」によって利権を維持し続けてきた「政官業外電=悪徳ペンタゴン」は、政権交代実現阻止に向けて総力を結集している。
この「悪徳ペンタゴン」の最終秘密兵器が「偽装CHANGE集団」である。私は次期総選挙の争点が
@弱肉強食奨励VSセーフティーネット重視
A官僚利権死守VS官僚利権根絶
B対米隷属外交VS自主独立外交
であると述べている。
三つの対立軸の
@は「大資本の利益VS国民の利益」
Aは「官僚の利益VS国民の利益」
Bは「外国(資本)の利益VS国民の利益」
と置き換えることが出来る。
「偽装CHANGE集団」は「大資本の利益」、「官僚の利益」、「外国(資本)の利益」の代弁者である。「官僚利権根絶」を掲げるが、だまされてはならない。「小泉一家」は5年半も政権を維持しながら、まったく官僚利権を廃絶しようとしなかった。「小泉一家」直系の「偽装CHANGE集団」は、「官僚利権根絶」の面をかぶった「官僚利権擁護者」である。
「真正の改革」=「真の政権交代」を阻止するために「偽装CHANGE集団」を創出して、改革を求める国民の清き1票をかすめ取ろうとしている。その目的は「真正の改革」=「官僚主権構造の破壊」を回避することである。その詳細については回を改めて論じたい。
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