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読む政治:「地方に1兆円」が混線 答え出せぬ官邸(その1)【毎日JP】
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081207ddm001010060000c.html
◇首相構想別枠、道路は焼け太り
ガソリン税や自動車重量税からなる道路特定財源の「一般財源化」は、配分方法の名称を変えるだけで、実際には大半が道路建設に充てられる形で決着する見通しになった。
一般財源化に関する自民党のプロジェクトチーム(PT)が4日に決定した改革案は、国に入る道路財源3・3兆円のうち、1兆円を「地域活力基盤創造交付金」として地方に回すというものだ。
PT座長の谷垣禎一元国土交通相は5日、「8割ぐらいは道路になる」と言い切った。
福田康夫前首相の唱えた「生活者財源」はもとより、麻生太郎首相が口にした「地方が自由に使える1兆円」とも異なる。
従来の「地方道路整備臨時交付金」(08年度7000億円)は廃止されるが、総額は逆に増える。「骨抜き」どころか「焼け太り」に見える。
失敗の原因は関係省庁や与党と何の調整もなく、麻生首相が「地方に1兆円」と具体的な数字を打ち出してしまったことだ。
11月19日には「1兆円は(地方)交付税で」と踏み込んだ。
首相の構想は、小泉内閣の三位一体改革によって大幅に減額された地方交付税交付金を、道路財源から補てんしようとするものだった。
しかし、「道路の世界」の改革に三位一体の手直しを結びつけるのは無理があった。
自民党幹部は「首相案は総務省が振り付けたものだ。総務省は交付税の財源を国交省の建設国債で賄おうとした。そんな話が通るわけがない」と批判する。
10月30日の記者会見で首相が「地方に1兆円」を発表する直前、総務省出身の岡本全勝秘書官が書いた「一般財源化した中から1兆円を地方に移す」という原案を、財務省出身の浅川雅嗣秘書官が「一般財源化に際して」と書き換えた。
異なる政策分野が混線するのを危惧(きぐ)したためだ。
首相の混乱を横目に、自民党は11月12日にPTを設立した。
道路族重鎮の古賀誠選対委員長らは、「財政再建派」の園田博之政調会長代理がメンバーに入ったのを知ると、党四役が出席できるように図った。「園田包囲網」だった。
結局、首相の1兆円は一般財源化と無関係の別枠で確保され、道路族は道路予算を守った。首相官邸の機能不全だけが後に残った。
毎日新聞 2008年12月7日 東京朝刊
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