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Like a rolling bean (new) 出来事録
http://ameblo.jp/garbanzo04/day-20081206.html
2008-12-06
移転反対仲卸分断のための豊洲新市場移転協議会開催と東京都の見境ない配布資料
豊洲移転を絶対にするぞと東京都が一方的に通告した12月4日の「第13回新市場建設協議会」の資料をいただき、内容をうかがってきました。
まったくひどいの一言で、まさにアリバイ作り(東京都の意図を報道してもらう)のための会議と批判されてやむなきでしょう。明るみになっている数多くの都側の不正にも関わらず、また、同日に発表された、技術会議座長の首都大学東京学長指名という「検討組織そのものを解体すべき局面」(身内では検討できませんから)にもかかわらず、50分の、東京都都合の一方的な説明に終始したそうです。
この協議会について伝えた日刊ゲンダイの記事によれば(後述)、移転反対派が仲卸の組合で主流になろうとしていることに焦ったイシハラ都政が、「東京都の決定が揺るがないということを見せつけて、反対派を切り崩す」という構想のもとで行われたという「都政関係者」の見解が示されています。
いわば組合選挙に向けての分断作戦が大きな目的なのでしょう(仲卸の組合理事長は年明けの選挙で選ばれます)。
よくもここまで「えげつないこと」ができるものだと、言葉を失いそうになります。
まず、協議会の会議次第を以下にアップします。
配布資料として、以下があったそうです。資料1 豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議報告書のあらまし
資料2 「豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に関する技術会議」の検討状況について
資料3 環境確保条例第117条に基づく調査の実施について
資料4−1 築地市場移転決定に至る経緯
資料4−2 現地再整備が実現困難な理由
この位置づけ(わたしが捉えた範囲)を、超アバウトに解説します。
資料1 豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議報告書のあらまし
→ これまでの繰り返し、嘘ばかり。お金(=税金)の無駄遣いです。
東京都側の主張のイメージアップ(粉飾)だけを目的にした、論外で不快な代物ですね。
裏表紙では唐突な汚染弁明と、海にかもめなんか飛ばしちゃった絵柄も意味不明です。
これを見れば「ああ、クリーンなんだなあ」と騙されると、市民を見下しているのでしょう。
資料2 「豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に関する技術会議」の検討状況について
→ 東京都のサイトに公開された以上の新しい情報がないのですが。。。
原島座長の首都大学学長指名は、ここまで日程を引っ張らないつもりだったのでしょう。
資料3 環境確保条例第117条に基づく調査の実施について
→ 地下水で10倍以上の環境基準で「不透水層」の上端までの調査を謳っています。
そもそも存在しないものを基準にした調査なんてできないのでは?
環境基準にだってごまかしがありました。
資料4−1 築地市場移転決定に至る経緯
→ 一度約束した「現地再整備」を反故にしようという目的のために言い訳の上塗りです。
資料4−2 現地再整備が実現困難な理由
→ これがへりくつと昨日書いたものです。
これが公文書だということに怒りと、次世代に対しての主権者としての謝罪の念を持ちます。
〜〜〜
せっかくなのでいくつか突っ込んでおきます。
資料1
以下の画像にあるような、12ページにわたる上質紙のフルカラーパンフレットで、すでに市場の方などに先日配布されたものです。
これは、今回だけでなくだいぶ冊数を印刷し、いろいろな場で配布すると聞いてきた方がいます。
手にしてみて立派さに驚きます。すごい意気込みです。いくらお金がかかっているのでしょう?
業者はどこでしょうね。
100%再生紙のマークもこの分では偽装かなと思わず想像してしまいます。
やたらとクリーンそうな意匠をこらした裏表紙にはなにやら文字が書かれています。
問題になった物質のうちベンゼンだけ除去すればいいわけじゃありませんし、大人と子どもや胎児の許容量は桁違いで、しかも複合汚染が問題になっているのだから、ここにある環境基準とは、法律が決めたボトムラインを漠然と書いただけに過ぎません。つまり、なんら安全性を立証するものではありません。それをここに書いた意図も「稚拙なごまかし」に見えます。
資料2
「主な検討内容」という中に、今後、土壌汚染対策全体を網羅する案について、施工性、経済性、工期などを評価の対象として、技術・工法の選定を進めていく」とあります。
何も言ったことになっていませんし、その座長が昨日書いたように、首都大学次期学長という露骨な「身内」です。
資料3
環境確保条例に従って「平成21年1月下旬:調査着手、 平成21年8月末:調査結果とりまとめ」とあります。
また、「調査結果への対応」欄には、こんなことが書いてあります。
「土壌汚染が確認された場合、専門家会議から提言された対策である、環境基準を超える汚染物質をすべて除去することから、問題ない」
・・・日本語としての意味が分かりません!!
資料4−1
勝手に工事を止めておいて、「再整備工事の行き詰まり」と書いてあるありえない年表です。
資料4−2
出ましたね、へりくつ連打。
種地がないという問題には、プランがありますが、それに対して、「種地の条件」として根拠の分からない東京都の独自の制約条件を設けて、駄々をこねています。
種地については、先日転載させていただいた中央区議小坂さんが議会質問した内容がありますね。
一般質問(2)
2008-11-25 22:27:27
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/efa9ccf0985e8a82e541e41ea1135a60かつて、平成11年(1999年)当時、中央区は、築地市場現在地再整備する場合の種地として、築地川東支川の2851uの提供を市場当局に申し入れをしたり、平成12年(2000年)には、『築地市場現在地再整備促進基礎調査報告書』も作成しました。右ページ側はまるで神話的と言ってもいいようなものです。
新人教育のOJTレポートとしてこの作文を作らせたのかと疑います。
(1)工事期間 ⇒完成まで最低でも20年程度は必要。
アソー総理の、日本経済は3年で回復するという数字と同じくらい根拠薄弱です。
(2)建設費用 ⇒割高となる
笑われたいのでしょうか?
(3)営業活動への影響 ⇒支障が極めて大きい
交通混雑などなどもう後付けの口実だらけです。
わたしが冗談でしょうと驚いた点としては、「整備時期による新・旧店舗の格差や、不利な立地の店舗が発生」とあるところです。
豊洲に強制移転し、「店舗格差」どころか、仲卸の「円滑なリタイア」を求めていると批判のあったお東京都様にそんなご慈悲があったのですか(もちろん皮肉です)。
(4)アスベスト対策 ⇒工事期間が更に伸び、営業にも深刻な影響
イシハラ閣下がおっしゃっていた内容そのものをなぞっていますね。口がすっぱくなってしまいますが、アスベスト対策は着々と進んでおり、一般的な再開発となんら変わるところがありません。
(5)完成後の市場機能 ⇒基幹市場としての機能配備が不十分
いろいろ記載されていますが、つまり人様の目に触れる都心地域では、電子取引による投機や、市場の構造カイカクができないってことですね。
(6)財源 ⇒中央卸売市場会計が保有する資産では不足
ああ、そうですか。豊洲新設と築地廃止とすれば、財源をあいまいにできるのに、という恨み節と考えます。
(7)その他、工事の進捗に影響を及ぼす要因
ここだけ抜き書きしてみます。
・環境確保条例第117条の規定による調査(3,000m2以上の土地改変を行う場合)
・環状2号線の建設工事
・隅田川のスーバー堤防整備事業(再整備工事実施時に該当)
・都営地下鉄大江戸線(敷地地下部に幅約20メートルのトンネル)
・地下構造物(場内排水本管、場内共同溝等)
ばかばかしい内容と、これが理由になると都側が思っているのだとしたらその能力の低さに呆れます。
こういうものを言いがかりと言うのだと思います。それも悪辣な地上げ屋によるそれとなら変わるところがありません。
一種の悪辣な人種によるものと何ら変わらない恐喝を、行政(イシハラ三選都政)から受けているのは、市場関係者だけでなく、日本の食文化を心から守りたいと考えるすべての人です。
〜〜〜
この協議会の目的を推察している日刊ゲンダイの記事は下記の通りです。
日刊ゲンダイ 2008/12/5石原都知事を追い詰める「築地問題」 問題山積! 反対派が理事長奪還へ
築地市場の豊洲移転がいよいよ厳しくなってきた。
築地市場の業界組合の中で、700人規模と会員数が最も多く、移転問題に影響力のある東京魚市場卸売協同組合(東卸)、仲卸業者で組織され、現在は移転「賛成派」と「反対派」が真っ二つに分かれている。賛成に回っている理事長らの執行部が反対派を抑えている格好だが、年明け早々にも行われる理事長選挙で、反対派が理事長のイスを奪還しそうなのだ。
(略)
反対派が東卸の理事長になれば、東京都に対し築地移転の是非を問う全関係者の「意向調査」を求めるという。また、参院の財政金融委員会でも取り上げられた、東卸、農林中金、東京都が出資するファンドの3者の不可解な金融取引の実態も明らかになる。
こうした情勢に危機感を抱いたのだろう、東京都はきのう(4日)、業界組合を対象にした「新市場建設協議会」を2年ぶりに突然開催。会議をマスコミに全面公開した上で、「現在地(築地)での再整備は不可能」といくつも問題点を挙げ、豊洲移転しか選択肢がないことを説いた。
「東卸の執行部が反対派になるのを、東京都は歓迎できない。協議会は、東京都の決定が揺るがないことを見せつけて、反対派を切り崩そうというのでしょう」(都政関係者)
(略)
アメとムチによる反対派の切り崩しがまだ有効だと考えているということなのですね。
東京都の間違った決定がどんな状況の変化によっても揺るがないことを改めて宣言して、しかしここまで騙され続けて翻弄され続けた市場関係者や市民が、ああそうですかと諦めるはずはありません。
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