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裁判員制度 県内弁護士「廃止」「延期」55%2008年12月6日
来年5月に始まる裁判員制度について、琉球新報社が県内の弁護士を対象に実施したアンケートで、制度の「廃止」や「延期」を求める意見が回答者の5割を超え、制度開始時期や制度自体に抵抗感を持っていることが5日までに分かった。廃止や延期を求める理由として「準備不足」など国民への周知不足を指摘する声があったほか「感情で裁判される」と厳罰化を懸念する意見もあった。一方、約3割が制度を推進すると答え、その理由に市民参加の必要性や刑事裁判に市民の声を反映させることの重要性を挙げた。
調査は、11月に沖縄弁護士会会員(212人)を対象に、調査票をファクス送信などで配布。約4割に当たる82人から回答があった。調査の結果、回答者の32・9%に当たる27人が制度を「推進」と答えた。一方で、「廃止」と回答した会員が21人(25・6%)、「延期」と答えた会員が24人(29・3%)に上り、54・9%が制度の廃止か延期を求めた。
「廃止」と回答した理由には、「(参加者への)負担が大きい」「準備不足」などのほか「『疑わしきは被告人の利益に』の原則が侵され、感情で裁判される」との指摘や「裁判員法は、真実究明や人権保障のために国民の司法参加が必要だという前提にない」と批判する意見もあった。
「延期」とした回答者は、その理由として、制度の趣旨や意義に賛同する意見も一部あったが「裁判員になった時の心構えや責任の重さを知ってもらう必要がある」「被告人の権利や立場、弁護人について理解できているか」など制度の浸透が不十分であることや、国民の理解度を疑問視する意見が相次いだ。
一方、「推進」と回答した弁護士からは、弁護士が取り調べに立ち会えない中、捜査機関の提出する調書が重要視される、現行裁判の“調書偏重”を指摘、「裁判員裁判では裁判員が調書を読む時間がなく、法廷での調べが重要になる」として「現状に風穴をあけることができる」と期待する声もあった。
(謝花史哲)
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