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http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20081125/178232/
麻生政権が発足し、自民、公明両党が早速打ち出した政策は、国民1人当たり1万2000円の現金(定額給付金)をプレゼントするというものだった。18歳以下の子供、65歳以上の高齢者には2万円だそうだ。総計2兆円に上る経済対策で、これで景気が良くなるという。 このプレゼントはもちろん金持ち宰相のポケットマネーで為されるものではない。本来は、国民自身の資産であるいわゆる霞が関埋蔵金(もっとも政府はやがて赤字国債発行もやむなしと考えているようだが)を、政府が多大な経費をかけて配るというものである。このプレゼントにはクリスマスカードが添えてある。「次の選挙の際には1票をよろしく」と。 このような偽善に満ちたクリスマスプレゼントを「ありがとうございました」と受け取るほど日本国民はバカではないということは、様々な報道や世論から明らかだろう。それでも麻生内閣がこの給付を撤回しようとしないのは、いわゆるKY(空気読めない)だからか、確信犯だからか。 日本国民は、このようなプレゼントは「誰一人受け取らない」という国民運動を広げ、加えてこのような政策を打ち出す内閣に対し、早急に総辞職をするよう圧力をかけるべきであろう(かと言って、私は別に小沢・民主党を支持する者でもない)。 ズタズタに切られた「信用」の輪現在世界の企業が直面しているのは、5%とか10%とかの売り上げの減少ではない。米国自動車産業は既に売り上げの3割、4割の低下を経験している。米政府がてこ入れするか否かにかかわらず、まさに存亡の危機である。世界最大の化学会社が25%の減産を打ち出した。世界で最も手広く営業するシティグループは、民間企業のレイオフ(一時解雇)としては過去2番目に大きい5万人超の人員削減を行う。ニューヨークの宝飾店のオーナーに聞くと、クリスマス商戦を迎えるにも関わらず、在庫の増加はゼロとしていると言う。これらのミクロの現象は、既に尋常ではない経済危機の到来を告げている。 このような状況下、世界の中央銀行が一致して金利を下げ、通貨供給量を増やせば、大恐慌を避けることができるというような発想は甘い。そのような対策は、問題の本質に迫っていない。現在世界で起こっていることの本質は、「信用」の輪がズタズタに切れていることである。 「信用」とは築くに10年、壊すに1日。一度壊してしまうと、それを回復するには倍旧の努力を要するというものである。金利や通貨供給量ではこの「信用の回復」を成し遂げることはできない。全く異なる種の問題であるが、世界各国の政府すべて、この根本問題をいまだ直視しようとはしていない。 賢い金の使い方世界各国がこれから新たな「ニューディール政策」を打ち出すとしても、問題はその使途である。麻生総理が打ち出した「選挙対策の現金バラ撒き作戦」などは議論するにも値しないが、今後はお金を賢く投資する国と、そうできない国で国力が大きく変わってくるだろう。企業も同様である。一例を出そう。皆さんが好きな音楽を聴く手段はレコードから、カセットテープに、そしてCD(コンパクトディスク)に、iPodにと大きく変化してきた。今多くの人がレコードを聞いているからとレコード産業に投資しても、カセットを誰かが密かに開発していたとしら市場は100%奪われてしまう。一方、リスクを取ってカセットを開発していた国は繁栄する。その先に今度はCDを開発している国があるかもしれない。 「石が無くなったから石器時代が終わったのではない。石油が無くなるから石油時代が終わるのではない」というのは、サウジアラビアのアーメド・ザキ・ヤマニ元石油相が言った言葉だ。実際に現在石油化学はバイオ化学に取って代わられる時代を迎えようとしている。 不況を脱する手段、言い換えれば売り上げが一般に低下する環境下、右肩上がりの企業経営をするには、このような技術革新の担い手となるしかないのだ。 国民が求めているクリスマスプレゼントさて、国民が求めているクリスマスプレゼントとは何であろうか。それは、「強欲資本主義」が崩壊した後の、これから国民皆力を合わせて構築しなければならない「新しい経済社会の仕組み」に関するビジョンだ。国庫が赤字で、国債を発行して調達する「なけなしのお金」は、上記のように(1)新たな価値を生み出す技術の振興 にこそ、使われるべきではないだろうか。 多くの日本人がクリスマスの日だけ「一日クリスチャン」になり、この日を祝う。今年のクリスマスに、できれば家族を愛し、隣人を愛し、自分たちの住む国や地球への愛について考える機会にしていただくよう願う。それが失われた信用を社会が回復する出発点になると信じるからである。 少し早いですが、「メリークリスマス」。あなたとあなたのご家族のご多幸をお祈り申し上げます。本年「日米企業往来」をお読みいただき、ありがとうございました。また来年お目にかかりましょう。 |
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