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「派遣切り」などで失業した非正規労働者が10月以降、全国で3万人に達する。つまり第二第三の「加藤」が発生する可能性がある
http://www.asyura2.com/08/senkyo56/msg/321.html
投稿者 TORA 日時 2008 年 11 月 29 日 12:48:10: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu180.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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「派遣切り」などで失業した非正規労働者が10月以降、全国で3万人
に達する。つまり第二、第三の「加藤」が発生する可能性がある!

2008年11月29日 土曜日

◆「派遣切り」で3万人失業へ=10月から半年間に−厚労省調べ 11月28日 時事通信
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200811/2008112800125&rel=y&g=soc

雇用契約を更新されなかったり、契約途中で打ち切られたりする、いわゆる「派遣切り」などで失業した非正規労働者が10月以降、来年3月までの実施予定も含め、全国で3万人に達することが28日、厚生労働省のまとめで分かった。
 全国の労働局やハローワークを通じて企業に聞き取り調査を実施した。それによると、契約切れなどで職を失った労働者は派遣が65.8%と最も多く、次いで期間工などの契約社員が19.2%を占めた。
 大半が製造業で働いていた人たちで、都道府県別では、自動車関連のメーカーが集まる愛知(4104人)が飛び抜けて多く、岐阜(1986人)や栃木(1680人)、長野(1616人)、広島(1568人)も目立った。


◆なんでこうもあっさり派遣労働へのスタンスが反転するんだ?〜『労働再規制』 五十嵐仁著(評:澁川祐子) 11月28日
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20081127/178458/

今年7月、厚生労働省の「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」が派遣業務に関する報告書を発表した。報告書には、日雇いもしくは1カ月未満の短期派遣を一部を除いて原則禁止、という方針が打ち出されていた。これまで派遣労働の規制緩和を推し進めてきた流れが一変、規制強化の逆方向へと転じたことを示している。

 労働者派遣法をめぐる流れをざっとおさらいすると、同法が成立したのは1985年。その際、派遣の対象はコンピュータ関連など13の専門業務に限定されていた。それが、96年の改正で26業務に拡大、99年には原則自由化となった。そして、2003年小泉内閣のもとで製造業への派遣もついに解禁となり、専門業務への派遣可能期間の制限が取り払われ、その他一般業務への派遣は原則3年までと延長された。

 規制緩和を繰り返した結果、どうなったか。企業側は安くて使い勝手のよい労働力を手に入れはしたものの、一方で格差の拡大、ワーキングプアの出現など、さまざまな社会問題をもたらした。

 そこへ先の報告書の登場である。一時期話題をさらったホワイトカラーエグゼンプションも議会に提出されないまま立ち消えとなり、ここのところ規制緩和のかけ声はほとんど聞こえてこなくなった。

 本書は、こうした「規制緩和→規制強化」へと反転した時期を2006年と捉え、その前後の動きを追ったものである。著者は、大原社会問題研究所所長で労働問題に関する著作が多数ある人物。政治家、官僚、財界人などの発言を丹念に拾い上げ、いかにして政策が180度転じるに至ったかを描いている。

 著者は、「2006年転換説」の大きな要因として、規制緩和に強いリーダーシップを発揮してきた小泉内閣の退陣を挙げ、安倍内閣誕生を境に「官の逆襲」が始まったとしている。

規制改革会議 vs 厚生労働省
 そもそも小泉首相が強いリーダーシップを発揮することができたのは、経済財政諮問会議の存在が大きかった。「改革の司令塔」と呼ばれたこの会議の構成員は、議長を首相が務め、議員は民間人5人、閣僚5人の計11人。

 つまり、〈民間議員が結束し、閣僚のなかの一人でもそれに加われば、会議の議論は首相の思うままに操れる〉という仕組みを利用し、小泉首相と竹中経済財政政策担当相は、官邸主導の政策決定を押し進めてきたのである。

 「官から民へ」という規制緩和の流れは「官」の権限縮小につながり、官僚にとってはおもしろくなかったに違いない、と著者は推察する。だから小泉首相が退陣し、時を同じくして規制緩和に対する世論の風向きが変わると、「官」はいまがチャンスとばかりに反撃に転じたというのだ。

 その象徴的な出来事が、労働タスクフォースの見解に対する官からの反論である。

 労働タスクフォースとは、経済財政諮問会議と並び規制緩和のエンジンの役割を果たしていた、規制改革会議の下部組織である。この労働タスクフォースが07年5月に公表した「脱格差と活力をもたらす労働市場へ──労働法制の抜本的見直しを」という文書には、

〈一部に残存する神話のように、労働者の権利を強めれば、その労働者の保護が図られるという考え方は誤っている。不用意に最低賃金を引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらし、そのような人々の生活をかえって困窮させることにつながる〉

 とある。そのほかにも、

〈過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控える結果となるなどの副作用を生じる可能性もある〉

〈長時間労働に問題があるからといって、画一的な労働時間上限規制を導入することは(中略)自由意志で適正で十分な対価給付を得て働く労働者の利益と、そのような労働によって効率を高めることができる使用者の利益の双方を増進する機会を無理やりに放棄させる〉

 など、世論に反する意見が公然と発表された。この見解は労働組合やマスコミはもちろんのこと、厚生労働省、政府からも非難を浴び、規制改革会議は徐々に孤立していく。

 一方の厚生労働省は、同じ時期に「雇用労働政策の基軸・方向性に関する研究会」を発足させ、独自の報告書の作成に励んでいた。そして、労働タスクフォースのこうした見解が盛り込まれた規制改革会議の第二次答申が発表されると、〈基本的な考え方や今後の改革の方向性・手法・実効性において、当省の基本的な考え方と見解を異にする部分が少なくない〉とし、「一部に残存する神話」といった表現も不適切、と真っ向から反論し、規制改革会議の動きを封じ込めた。

 こうした財、政、官をめぐる入り組んだ攻防戦を経て、現在は「規制強化」へと方向転換したというわけである。

労働者は会議室に入れません
 また著者は、これら一連の会議における構成員についても疑問を投げかけている。

〈労働の規制緩和を進めるうえでの政策形成における特徴の一つは、「労働の排除」にありました。本来、三者構成でなければならない労働政策の形成において、その基本方針を打ち出す場から労働代表を閉め出したのです〉

 そもそも昨今の規制緩和は、バブル経済崩壊後の不況から脱し、経済のグローバル化に対抗するために、リストラや市場の開放が必要だという使用者側の論理を中心に展開されてきた。経済財政諮問会議も規制改革会議も、学者のほか使用者側の代表も入っているが、労働者側の代表は入っていない。

 また、官側の「雇用労働政策の基軸・方向性に関する研究会」にしても、使用者側、労働者側のいずれの代表も入っておらず、構成員は学者や研究者によって占められている。本書で取り上げられているなかでは、「成長力底上げ戦略推進円卓会議」のみが労働者側の代表も交えた会議である。

 こうした構成員で果たして公正な議論ができるのだろうか、というのが著者の訴えである。そして、公正な議論の場を設けたうえで、今後は「アメリカ型」の自由主義に倣うでもなく、「日本型」の官僚支配に回帰するでもなく、「第三の道」を探るべきだと締めくくる。

 断っておくが、本書は決して読みやすい本ではない。なぜなら、議論が複雑に入り組んでいるからだ。いうなれば、白熱するサッカーの試合を観戦しているようなもの。一瞬で思わぬところにパスが出て、攻守がめまぐるしく変わる。次々、選手も入れ替わる。

 これが本当にフィールドでの出来事なら「おもしろいゲーム」で済まされるのだが、実際は10年先、20年先の未来にも関わってくる議論である。あまりに短い期間で「規制緩和→規制強化」と対極へ振れてしまう制度の危うさを目の当たりにして、背筋が寒くなった。

◆読書日記 「労働再規制」五十嵐仁著 ちくま新書 10月28日 水口洋介
http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2008/10/post-0d04.html

■「財界」内の二つの流れ

「新自由主義」路線(宮内義彦オリックス会長ら)と、旧来型の「日本型経営」路線(今井敬新日鐵会長ら)の対立を軸としながら、労働に関する規制改革を概観しています。

財界内に、この二つの流れがせめぎ合ったのはそのとおりだと思います。

これは、「重厚長大」の重工業から「軽薄短小」の電機産業に移行して成長してきた「日本型経営」企業が、IT情報技術革命によって金融・情報産業が次世代の成長産業になり、このような「先進企業」(金融・情報産業)に交代していくプロセスなのでしょう。

もっとも、財界内部としては、どっちが勝ったということではないのではないかと思います。高度経済成長を支えてきた大企業連合は、グローバル経済と新自由主義路線を受け入れつつ変容しながら統合したのではないかと思います。

奥谷禮子氏のような新自由主義を「戯画化」した人物が主流になっていれば、労働側も攻めやすいのですが、財界総本山はもっと利口なようです。日本型経営を基本にしつつ、新自由主義的な労務管理を慎重に導入しつつあるように見えます。

■2006年の反転

著書は、その政治的現れが小泉政権であったとし、2006年を境に、新自由主義路線はほころびを見せ、「潮目」が変わり、労働再規制の反転攻勢がはじまりつつあると言います。

確かに、ここ数年のマスコミの変わりようは目を見張ります。それほど、日本社会が大きなダメージを受けているということなのでしょう。

■ある世論調査

同書に山口二郎・宮本太郎「日本人はどのような社会経済システムを望んでいるか」(世界2008年3月号)という世論調査の結果が紹介されています。結果は次のようなものです。

「アメリカのような競争と効率を重視した社会」を望む
   全体6.7% 民主支持者5.5% /自民支持者6.3%

「北欧のような福祉を重視した社会」を望む
   全体58.4% 民主支持者61.3% 自民支持者50.3%
 
「かつての日本のような終身雇用を重視した社会」を望む
   全体31.5% 民主支持者31.5% 自民支持者41.4%

高福祉高負担の北欧福祉型社会を、旧日本型より、多くの人が支持していることに驚きました。アメリカ型「競争」社会も嫌ですが、今までの日本型「企業談合」社会もゴメンということでしょう。なかなか興味深い調査です。

民主党の政策も、新自由主義政党から社会民主主義的な政策に変わりつつあるようですから。これは、政治的・風見鶏的「変節」であって、本心からではないのではと心配に思いますが・・・・。でも、総選挙の結果、大きな変化がおきることを期待しています。

■金融危機、そしてリストラの津波が

とはいえ、現在の金融危機により大不況がはじまるようです。1985年の円高直後、また、1990年のバブル崩壊直後のように、またまた人員削減の大リストラがはじまるでしょう。

1985年 ブルーカラーの中高年労働者が「雇用調整」されました。

1990年 全産業のホワイトカラーの中高年管理職が「リストラ」され、そして若者は正社員で雇用されなくなり、非正規労働者層が激増した。

2008年 この間、ふくれあがった「非正規労働者」が真っ先にリストラされるでしょう。つまり、若者たちの再受難です。彼ら・彼女らの「仕事」がなくなる。

この局面で、労働運動が頑張れば、労働運動が再活性化するチャンスなのかもしれません。労働組合には、不退転の決意で頑張って欲しいものです。

ワーク・シェアリング、積極的労働市場政策、そして同一価値労働同一賃金を実現する労働運動や労働政策が本当に求められる時期になったと思います。

(私のコメント)
最近の国会などを見ていると、国会議員たちが選挙で浮ついてしまって政策審議に身が入らないようだ。麻生総理の戦略としては出来るだけ解散を先送りにして、民主党の選挙資金を枯渇させて、民主党の経済対策の杜撰さを引き出して、選挙に打って出るつもりだろう。

水口洋介氏のブログにもあるように、新自由主義を望む人は6%程度に過ぎず、ほとんどが北欧型の福祉政策や終身雇用を重視した日本型社会を望んでいる。つまり小泉型の新自由主義政策はほとんど支持されない政策だったのですが、どうして小泉内閣の支持率は高かったのだろう?

民主主義国家では独裁的権限を掌握する為には、マスコミを買収して国民を扇動して人気を高める事が重要だ。そして選挙で勝てば政権基盤は万全であり、逆らうものがいれば郵政選挙の時のように除名して刺客を送り込んで選挙で落とせば良い。しかしいつかは政策の歪みが出るから小泉首相は5年半で辞任して政界からも引退するようだ。

ボロが出るまでに一時的にしろ、小泉内閣の支持率が高かったのは事実だ。テレビのワイドショーでもB層向けの女性の刺客候補を重点的に取り扱って、ホリエモンなどのタレントを動員した選挙戦法は非常に効果的だった。郵政の民営化に反対した議員は悪役として扱われて多くの議員が落選した。

しかしB層の国民にとっては郵政の民営化の意味がどのようなものであるのかを理解するには難しかった。しかし地方の郵便局が次々整理統合されていくに連れて弊害が分かり始めた。しかし後を継いだ安倍内閣も福田内閣も小泉政治を全面的にひっくり返す事はできなかった。

新自由主義経済では、派遣労働者の規制緩和が製造業にまで認められて一気に派遣労働者が拡大した。しかしB層の若者にとっては規制の緩和といっても政治に無関心だから何のことかも分からず選挙にも行かない。B層の若者は知的なホワイトカラーの仕事など出来ないから製造業などの派遣労働者になるしかない。

このような体制にしてしまったのも規制緩和を進めた小泉内閣なのですが、渋川裕子氏の書評にもあるように、経済財政諮問会議が政策を決定して、それが閣議決定されて小泉政権の政策として実施されるようになった。自民党の総務会も多数決で押し切られるようになって小泉独裁政権が誕生した。

「労働再規制」という新書本は私はまだ読んではいないのですが、経済財政諮問会議は民間人5人と閣僚5人の議員で政策が決定されて、そこには労働者の代表はいなかった。いわば日本の支配層の代表だけで政策が決定されて実施される独裁政権が誕生してしまった。その政権基盤となったのが国民の高い支持率だ。

B層の若者にとっては小泉首相は単にかっこいい首相であり、歯切れの良い演説で人気を保ち続けた。安倍総理も福田総理もコイズミ的やり方を真似しようとしたのでしょうが、肝心な政策のボロが出てきて参院選挙では自民党は大敗してしまった。麻生総理もコイズミ的やり方を真似していますが、失言が多くてそのたびに訂正している。小泉総理は失言しても「人生いろいろ」とはぐらかし方が上手かった。

一番悪いのは政治に無関心なB層の若者にあるのですが、彼らは知的レベルも低く社交性もなく孤立しがちだ。しかし秋葉原で無差別殺人を犯した「加藤」のように知的レベルは低くても学力は優秀であり、両親も教育熱心な家庭だった。しかし不況が長引く日本では彼らを正社員として雇うところは限られていた。

Bその若者は学力は高くても、自分で考えて判断する能力は低く政治に無関心であり、これではいくら学力が高くても現代社会では知的能力が無くて使い物にならない。知的能力とは考える力であり学力の事ではない。「加藤」」のように学力は優秀だが孤立しがちな性格の持ち主であり、携帯などでも無視された事が犯行にいたった原因のようだ。

このような若者が増えた事は家庭や教育にも問題があるのですが、学力はあっても政治的白痴では社会の役に立つはずがない。ネットのサイトやブログを見ても政治や経済を論じたものはわずかだ。ましてや自分の政治的意見を述べたものは非常に少ない。あったとしてもテレビのワイドショーレベルの知識しかない。

しかしその彼らにも小泉改革の弊害が及んできた為に、彼らは「加藤」のような無差別殺人を行なうようになった。今年だけでも8件も無差別殺傷事件は起きている。いずれは政治家や官僚を狙ったテロが起きるようになるだろうとも書いた。そして恐れていたように「小泉毅」は元厚生事務次官を殺害するようになった。「株式日記」の恐れていた事が起きたのだ。

日本にテロの時代をもたらした小泉内閣の責任は重い。ニュースでも派遣労働者が10月から3万人も首が切られた事を報じている。彼らの中から「加藤」や「小泉毅」が出てくる可能性は非常に高い。しかし政治家達は、彼らに命が狙われるようなほど恨まれている事の自覚はない。

 

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