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2008年11月27日
人を見下す事はいけない事だ
官僚なったぐらいだから、そして官僚を35年もつとめてきたぐらいだから、私も官僚の悪しき本性を見につけている。
官僚の悪しき本性の中でも一番鼻持ちならないところは人を見下すところである。
それは良くない事だと遅ればせながら気づいて改めようとしても、そう簡単には改まらない。
もはや人の批判など気にしない私だが、「あいつはいつまでたっても官僚臭が抜け切らない奴だ」、と批判される事が一番こたえる。
そんな私だが、次のような記事に出くわすと、やはり驚く。心が寒くなる。
近ごろ水村美苗(みずむらみなえ)という女性作家の書いた「日本語が滅びる時ー英語の世紀の中で」(筑摩書房)という本が、評判されていると見えて、書評欄でよく取り上げられている。
この本は、世界で流通する英語が唯一の「普遍語」として君臨する一方、他の言語は亡びる、という事を言っているらしい。それはまた、「愛する日本語」を滅ぼしてはいけないという逆説でもあるらしい(11月25日朝日新聞書評)。
11月23日の毎日新聞「千波万波」においても、潮田道夫論説委員が、いまや国際語となった英語が学問や文芸の世界で他の言語を圧倒しほろぼしていくだろう、とする水村美苗氏の主張を、「文明論的見通しを雄弁に語っている」と褒めている。
確かに英語はもはや英米人の言葉にとどまらず国際語となっている。
だから日本という国が、そして日本人が世界に正しく理解され、評価されるには、日本人がもっと英語で自由に発信できるようにならなければいけない、と私も世界を渡り歩いて来て感じてきた。
しかし、私が水村美苗氏の事について俄然興味を持ったのは、この本のそういう主張ではない。
前掲の毎日新聞「千波万波」のコラムで潮田論説委員が書いていた次の文章を見つけたからである。
・・・(この本に書かれている)数々の挿話も面白く読んだ。水村氏の女友達の大学教授の感懐。小さいころ小説家を世の中で一番尊敬していたが「それが、今、日本じゃあ、あたしなんかより頭の悪い人たちが書いているんだから、あんなもん読む気がしない」。水村氏も同感だそうだ。そうだろうなあ・・・
この見下し観はどうだ。
こういう連中が官僚の世界に如何に多かった事か。
そして官僚の周りに集まる経済人や有識者などの自称エリートたちもそうだった。
この大学教授も水村氏もそしてコラムを書いている毎日新聞の潮田論説委員もその仲間たちに違いない。
しかし、それは間違いである。
人を見下す事も間違いだけれど、事実認識としても誤りだ。
その大学教授がどの作家をさして自分より頭が悪いと言っているのか知らないが、人々に読まれるものを書いていること自体が評価に値する事なのだ。価値がある事なのだ。頭が悪くてはできない。
そもそも頭がいい、悪いとは、どういう事なのか。
自分こそ頭がいいと思いこんでいる頭の悪い連中が、つるんでこの国を動かしている、その現実こそ、国民を不幸にしていると思う。
そこを変えなければこの国は変わらない。
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