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2008年11月27日
国籍法改正を急いではいけない
11月27日の各紙は月内成立の見通しだった国籍法改正案の参院可決、成立が自民、民主の話し合いでひとまず先送りされる事になった事を小さく報じている。
これはもっと大きく報道されるべき問題である。今日のブログはその事について書く。
実はこの国籍法改正問題については、このブログで取り上げてくれという書き込みが最近多く寄せられていた。
それをあえて取り上げてこなかったのには勿論理由がある。
その理由の一つは、このブログで取り上げるテーマは私の独断と偏見で、私が書きたいと思うテーマだけを取り上げるという原則を崩したくないからである。このブログは読者の期待に応えて書くものではない。
しかし、もう一つの理由は、自分が自信の持てないテーマについて書く事は控えるという方針があるからだ。何を書いても必ず批判するものがでてくる。その批判に堪えられるのは、自分が書くことに対する絶対的確信である。たとえそれが妄信であるとしてもだ。
しかし今日の新聞報道を見て、国籍法改正についてどうしても書きたくなった。
11月27日の朝日新聞によれば国籍法改正は、ひとまず月内成立は見送られたけれど、自民、民主両党の間では今国会で成立させる合意が出来ているという。
これはおかしい。
国籍法改正についてはもっと慎重な審議が重ねられるべきだ。
メディアがもっと大きく取り上げ、国民の間に問題点が周知される必要がある。
それほど重要な国籍法改正である。
いうまでもなく今度の国籍法改正のポイントは、単純化していえば、日本人の父親が認知すれば未婚の子供にも日本国籍を認めるというものだ。
この国籍法改正反対に熱心なのは保守、右翼的な立場の人が多い。
その例には枚挙にいとまがないが例えば11月27日の産経新聞で、あの稲田明美衆院議員が反対をし、今日発売の週刊新潮では桜井よしこ氏が平沼赳夫衆院議員と対談して「日本の危機」とまで酷評している。
その背景にあるのは、国籍は国家の主権にかかわる需要な要素であり、正体不明の者に安易に国籍を付与しては日本が崩壊する、という国粋主義、愛国主義、排他主義の考えがある。
その一方で、一体誰がこの法改正を推進しているか、それは公明党だとして、公明党の日本乗っ取りを警戒する意見などもある。
しかし、国籍法改正に反対しているのは、なにも保守、右翼的な議員ばかりではない。
11月27日の日刊ゲンダイで田中康夫参院議員が連載コラム「奇っ怪ニッポン」の中で次のように反対意見を述べている。
つまり偽装認知を行なって国籍取得する事に道を開く事によって、子供たちを悪の犠牲者(闇の子供たち)に貶める憂慮すべき事態を助長しかねないというのだ。
共産党や社民党の議員から声が聞こえない事もおかしなことだ。「人権といえば進歩的だとする浅薄な風潮」(平沼赳夫)とまでは言わないが、護憲政治家からももっと意見が出なくてはおかしい。
結論からいうと、国籍法改正を急いではいけないということだ。
今年の6月に最高裁が現行法は憲法14条「法の下の平等」に反するという違憲判決を下した。
それをきっかけに法務省が改正を急いだとされている。
しかし、最高裁の違憲判決はきわめて政治的だ。憲法9条がらみの違憲判断は決して行わないが、摩擦がないと判断すればあっさり違憲判決をする。
人権重視の護憲政党が、日本国籍を取れない子供の人権を慮って改正案を賛成したとすれば、田中康夫氏のいうように悪の手にかかる子供たちの人権はどうなのか。
それよりも何よりも、国会議員が何もわからずに改正案を通そうとしているあきれた現実がある。
20日の自民党津島派の総会で「この中で、国籍法改正案を全部解している人は手を挙げてください」と某議員が呼びかけたら手を挙げた議員が一人もいなかったという(11月21日産経新聞)。
実のところ殆どの法案が官僚の作ったものをそのまま通過させているのが日本の国会の現状だ。
たしかに、国籍法改正に反対している議員の中にはとんでもない議員もいる。その反対の理由もまちまちだ。
しかし、そのことと、国籍法改正の是非について冷静に判断する事は別だ。
国会審議は尽くされていない。
なによりも一般国民がその問題点を十分認識していない。
国籍法改正を急ぐ理由はどこにもない。
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