★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK56 > 191.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20081125k0000m070085000c.html
余録:殺意の闇
アテネの政治家アルキビアデスが若いころ、飼い犬の尾を切り落として市民の非難を浴びた。親友が「みんな犬のことでお前に毒づいているぞ」というと、彼は言った。「おれの思うツボよ。おかげでおれのもっとひどい悪事は語らないでいてくれる」▲「プルタルコス英雄伝」(ちくま学芸文庫)にある逸話だが、ペットが悪事の目くらましに使われることもある。だから30年以上前に「ペットを保健所に殺された」というのが元厚生事務次官やその家人を殺傷した動機だったと聞かされれば、何かの目くらましかと疑いたくなる▲「元次官を殺した」と警察に出頭した小泉毅容疑者の不可解な供述に、何かのどを通らぬ異様な食べ物を口にしたような気味悪さを感じた方も多いだろう。捜査本部はさいたま市の元次官夫妻殺害の容疑で小泉容疑者を再逮捕するという▲綿密に事前調査し、宅配便を巧みに偽装し、ためらいなく凶行に及んだ周到さと冷酷が事件の最も憎むべき特徴だ。だが一方、子供時代のペット喪失や、保健所業務を旧厚生省高官と直結する社会認識など、供述される動機は常軌を逸している。何とも奇怪な両者の取り合わせだ▲容疑者は「大学で高級官僚は悪と知った」と、学生時代に事件の根があるかのような話もしている。すべては特異な性格に帰することもできようが、古い過去のペットや大学を「現在」の何かを隠す目くらましにしていると思えぬこともない▲ともあれ捜査当局は容疑者の行動・生活実態を洗い、事件の背景を余すところなく解明してほしい。「殺意の闇」をそのままにしておけば、今後に残す不安が大きすぎる連続襲撃事件だ。
【関連記事】
元次官宅襲撃:「元次官と家族10人前後殺害計画」と供述
元次官宅襲撃:麻生首相「暴力には断固屈しない」
元次官宅襲撃:小泉容疑者を送検 車内にナイフ10本
元次官宅襲撃:毎日新聞にも「事件」と「自首」の書き込み
元次官宅襲撃:小泉容疑者が連続襲撃供述 殺人で再逮捕へ
毎日新聞 2008年11月25日 0時04分
2 81 +−
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK56掲示板
フォローアップ: