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http://www.news.janjan.jp/living/0811/0811232131/1.php
「人を裁きたくない」裁判員制度に反対し東京で集会とデモ
佐藤恵2008/11/24
来年導入予定の「裁判員制度」に反対する集会が「裁判員制度はいらない! 大運動」が主催して東京で開かれた。。全国の弁護士、作家・ジャーナリストらが参加し、都心をデモ行進した。「人を裁きたくないという感情は日本人の美徳だ」などと、市民に制度への不参加をよびかけた。
来年5月の施行が決まった「裁判員制度」に反対する集会が22日、東京・永田町の社会文化会館で開かれた。主催は「裁判員制度はいらない! 大運動」。全国の弁護士が呼びかけ、作家やジャーナリストら著名人が多数賛同を寄せている。
最高裁はいよいよ来週にも、「裁判員候補者」として名簿登録した約30万人に通知を送りつける。かたや反対運動はこの数ヶ月、各地で集中して学習会や情宣活動を展開、両者の攻防が続いている。連休初日で快晴のこの日、640人(主催者発表)の参加者が、制度を廃止に追い込む決意を新たにした。
最初に交通ジャーナリストの今井亮一さんが開会のあいさつをした。「この制度は、私たちが参加さえしなければ成り立たない。今日の集会を成功させよう」。新潟弁護士会の高島章さんは、「全国の弁護士会で制度延期の決議があがっている。私も国会議員など、さまざまなツテを使って働きかけていく」と発言。
■「人を裁きたくない」――日本人の最後の美徳
玄侑宗久さん(作家・臨済宗福聚寺住職)はビデオ映像で参加。仏教も神道も、罪人を裁くことには関心を持たない。市民の「人を裁きたくない」という感情は、日本人のなかに残った最後の美徳なのだ。仏教でも最高罰は破門だが、たとえ教団追放になっても、別の世界で生きていける。百姓一揆が為政者には「罪」でも、民衆にとってはヒーローであり、両者が共存する社会には深みがある。
裁判員制度では裁判官と市民に裁かれる。これでは完全に被告の逃げ道がなくなってしまう。市民が決めた判決に、ケチがつけられなくなってしまう−−。玄侑さんは、スクリーンから淡々と語りかけた。
高山俊吉さん(弁護士)の司会で、シンポジウムが始まった。パネラーは漫画家の蛭子能収さん、元小学校教員の森本孝子さん、「葛飾FM」のパーソナリティ吉沼紀子さん、台東区竹町中町町会会長藤原隆男さんの4人。
■一般市民の感情こそ、恐ろしい
蛭子さんは、「賭けマージャン」で取り調べを受けた自身の体験を披露。逮捕されてから、テレビの仕事がぱったりと来なくなり、石を投げられたり、自宅の玄関に糞を置かれたりしたという。「芸能人は、怒ってキレる市民が怖い。そんな人が裁判員になって、人を裁くことが恐ろしい」と笑顔で語った。
「石原ババア発言」の原告として裁判を闘う森本さん。住んでいる下町では護憲運動団体の共同代表としても活躍する。教育基本法改悪以降、教育現場にかけられている攻撃の数々を紹介した。
「文科省の指導に基づき、子どもたちの教科書にもこの制度が書かれようとしている。国は子どもの未来まで縛っている。「希望は戦争」と言い切るような若者たちは軍隊へ入隊させ、それ以外の人々は裁判所へ動員する」。「死刑存続派が国民の8割だというが、タレントらがテレビ番組で軽々しく死刑を要求している。『悪い奴、敵は殺せ』という大合唱だ。そんな『常識』がメディアによって作りだされている」と、無責任な犯罪報道を厳しく批判した。
■下町の中小零細業者は猛反発
藤原隆男さんは先の戦争で招集され今は自営業を営む。石原慎太郎都知事の「ババア発言」に触れて、台東区山谷地区への、知事の差別的発言に触れた。秋葉原と御徒町の中間に位置する竹町は、戦災を免れた古い町並みが残り、中小零細の家内企業が軒を連ねる。裁判員制度については、地元学校長・教頭、町会レベルの議論を続けてきた。その結果、「反対、迷惑である」との意見が圧倒的だった。藤原さんは「戦争に駆り出されたうえに裁判に強制動員されるなんて、まっぴらだ」と、怒りをあらわにした。
日本政府は第17代最高裁長官に、竹崎博允・東京高裁長官を起用する方針を固めた。最高裁長官は現職の最高裁判事の中から選ばれることが慣例だが、彼ら14人の判事を飛び越える、極めて異例の人事である。 竹崎氏は裁判員制度の導入に積極的に動いてきた人物だ。この抜擢には、最高裁の並々ならぬ執念が込められている。最後に行動提起をした佐藤和利さん(「大運動」事務局長)は、「いいじゃないですか。相手がその気なら、受けて立ちましょう。やってやりましょうよ」と頼もしく集会を締めくくった。
午後3時に出発したデモ行進は、青山通りを西へ行き、赤坂見附−溜池山王−虎ノ門 −新橋−数寄屋橋−東京駅、そして解散地点の常盤橋公園という、全長約5.7kmにもおよぶ長距離コースを歩いた。
「仕事のじゃまをするな、休めない人はどうする」
「死刑判決を強制するな」「国民を裁判の飾り物にするな」
「憲法違反の裁判員制度絶対反対」
デモ隊の力強いシュプレヒコールが、夕闇せまる都心に響き渡っていた。
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