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2008年11月23日 (日)
政策の約束手形不渡りで資金繰り倒産が激増
「政局より政策」
「100年に1度の暴風雨が荒れている」
「こうした状況の中でなにより大事なことは、生活者の暮らしの不安というものを取り除くことだと確信しております。すなわち国民生活の安全保障であります」
「ポイントは、スピード、迅速にという意味です」
「これから年末にかけて中小企業の資金繰りが苦しくなります」
「第1次補正で緊急信用保障枠を6兆円としましたが、その後の国際金融情勢がより厳しいものとなっております。中小企業、小規模企業の資金繰りをより万全なものとするために、私の指示で20兆円までこの枠を拡大します」
これらはすべて麻生首相の公的発言である。
10月30日に麻生政権は追加景気対策を決定して、麻生首相は記者会見を行った。記者会見での言葉は、国民に対する約束である。
100年に1度の未曽有(みぞうゆ)の経済危機が国民を追い詰めている。小泉政権以降の自公政権が多数の一般国民の生活を破壊してきた。非正規雇用や働く貧困層が激増し、障害者、高齢者、母子世帯など、政府がしっかりと手を差し伸べなければならない人々に対する政府支出が冷酷に切り捨てられた。国民生活は破壊され、罪なき多くの国民が深刻化する不況を実感しながら、寒波が身にこたえる年末を迎える。
麻生首相は『文藝春秋2008年11月号』に「強い日本を!私の国家再建計画」と題する手記を寄稿した。標題には、次の言葉が添えられた。
「小沢代表よ、正々堂々と勝負しよう。私は絶対逃げない」
手記のなかで麻生首相は「今こそ国民に信を問う」との見出しを掲げて、以下のように明言した。
「私は決断した。本来なら内政外交の諸課題にある程度目鼻を付け、私の持論である政党間協議の努力も尽くした上で国民の信を問うべきであるかもしれない。だが、最低限必要な経済対策も、国際協調上当然のテロ撲滅の施策にすら、民主党はじめ野党は、聞く耳をもたぬ、ただ政局優先の姿勢なのである。国会の冒頭、堂々と私とわが自民党の政策を小沢代表にぶつけ、その賛否をただしたうえで国民に信を問おうと思う。」
「小沢代表よ、堂々の戦いをしようではないか。・・・」
さらに、「小沢代表との一騎打ちを望む」との見出しを掲げて麻生氏の筆は続く。
「何にせよ、今次総選挙が政権を賭けた民主党との乾坤一擲の戦いなのは言うまでもない」
麻生首相が乾坤一擲(けんこんいってき)などの難しい漢字を使うのは不思議だ。文章全体から受ける文体のイメージが麻生首相の話し言葉とかけ離れていると感じるのは私だけではないと思う。自分の言葉で文章を記さないと、読む者の心に響かない。
月刊誌で解散総選挙を高らかに宣言した麻生首相が総選挙を先送りした。自民党が実施した選挙予測調査で自民党惨敗予測が示されたからだと見られている。
「私は逃げない」と言っていたのに明らかに逃げている。
ペルーの主都リマで開催されているAPEC首脳会議に出席している麻生首相はリマ市内で同行記者団と懇談して、17日に行われた民主党の小沢一郎代表との党首会談について、次のように発言した。
麻生首相は小沢氏が(民主党が第2次補正予算案の審議に協力しない場合)「辞めると私や鳩山由紀夫民主党幹事長ら合計7人の前で言った」と述べた。
そのうえで、「『言っていない』なんて言われたらこの人の話は危ないと思う。信用出来なくなっちゃった」と繰り返したと伝えられている。
これに対して小沢氏は「あまりにもレベルの低い話」と首相を批判し、(党首会談では)「約束したことを守れなければ党首としての責任を取ると申し上げた。(記者会見で)議員辞職するのかと聞かれたから、そんなことは言っていないと(答えた)」と反論した。
真偽のほどは定かでない。しかし、麻生首相の言葉の捉え方を示す実例から考えると、小沢代表の言葉に大きな誤りはないのではないかと思われる。
麻生首相の「ホテルのバーは安い」発言が話題になった10月22日昼の首相ぶら下がり会見。北海道新聞記者とのやり取りの一部を抜粋する。産経新聞記事から引用する。
−−夜の会合に連日行っていて、一晩で何万もするような高級店に行っているが、それは庶民の感覚とはかけ離れていると思う。首相はどのように考えるか
「庶民っていう定義を使うのが北海道新聞よく使われるのですか。僕は少なくともこれまでホテルというものが一番多いと思いますけども。あなたは今、高級料亭、毎晩みたいな話で作り替えてますけど、それは違うだろうが」
−−あの高級…
「そういう言い方を引っかけるような言い方やめろって。もうちょっと事実だけ言え。事実だけ。ずーっと、日程だけでも言えるから」
−−あの
「だろ」
−−ホテルが…
「馬尻がいつから高級料亭になったんだ。言ってみろ。そういう卑劣な言い方だめ。きちんと整理して、ね、言わなきゃ。いかにも作り替えれるような話はやめたらいい」
(引用ここまで)
私が現場にいたわけではないから、記事がどこまで正確であるのか分からないが、麻生首相が高級料亭のことを問題にしているので、この部分についての詳細は正確ではないかと思われる。記事が正確であるとの前提で考えると、麻生首相は明らかに記者の発言を聞き違えている。
記者は、「一晩で何万もする高級店」としか言っていない。
それを、麻生首相が「高級料亭」と取り違えたのではないか。
記者は、麻生首相が何人か連れ立ってホテルのバーに通っているので、一晩の支払い料金が合計で何万円に達すると計算して質問したのだと考えられる。
それを麻生首相は「一晩で何万もする高級店」の表現を、「一人何万円もかかる高級料亭」のことを指したのだと勘違いしたのではないか。
一般庶民からすれば、お酒を数杯飲んで、何人か合計して何万円かかかるホテルのバーは「高級店」だと受け止める感覚を持つ。新聞記者は一般庶民よりも所得が多いかも知れないが、それでも、ホテルのバーを「高級店」と表現しても不自然ではない。
麻生首相は、北海道新聞の記者が「一晩で何万もする高級店」と表現した言葉を「高級料亭」のことを示したと勝手に思い込み、逆ギレしているのである。麻生首相が、間違えたのはあくまで記者だ、と主張するなら、ぶら下がり会見に同席した多数の記者に確認すれば、真相が明らかになるだろう。本ブログ10月23日付記事では、ぶら下がり会見のやり取りを引用してこの問題を記述しようとしたが、技術的な問題が生じ、記述できなかった。
このことから類推すると、小沢民主党代表が「党首として責任を取る」と発言したことを麻生首相が「議員辞職する」と発言したのだと、勝手に取り違えたとしてもおかしくはない。
麻生首相は11月19日の全国知事会議で、地方の医師不足問題に関連して、
「(医師は)社会的常識がかなり欠落している人が多い。ものすごく価値観なんか違う。そういう方らをどうするかっていうのは真剣にやらないと。」と述べた。
これまでの麻生首相の言動を見る限り、社会的常識がかなり欠落しているのがどちらであるかは明らかだと思われる。自民党の鴨下一郎元環境相は医師会執行部から「常識があるというヤツは常識がない」と言われたと語ったが、その通りだと思う。
この言葉を使うと、「人を信用できないというヤツは信用できない」ということになるだろう。
11月23日のNHK日曜討論に小沢一郎民主党代表が出演し、民主党の考えを真摯に語った。メディアは民主党の行動を「政局絡み」と説明したがる。補正予算案の早期国会提出を求めてテロ特措法、金融機能強化法の参議院採決を先送りしたことを、麻生政権を解散に追い込む「戦略」と言いたがる。
しかし、民主党が強く主張しているのは、補正予算案の国会への早期提出である。「政局より政策」と発言し、国民に宣言した衆議院解散総選挙を先送りして、景気対策に全力をあげることを国民に約束しておきながら、補正予算案の国会提出を来年まで先送りするというのは、どう考えても筋が通らない。国民的視点に立ち、中立公正に判断して、小沢氏の主張は正論そのものだ。
自民党内部からも、小沢氏の意向に賛成する意見が噴出している。国民は生活、生命の危険に直面しているのだ。「政策より政局を優先」しているのは麻生首相である。
麻生首相に補正予算案の提出を来年まで先送りすることを強く主張しているのは大島理森自民党国会対策委員長と細田博之自民党幹事長である。国民生活よりも自分たちの利益、党利党略を優先する、政治家として恥ずべき行動を、臆面もなく強行している。
麻生首相が10月30日に記者会見で国民に約束した追加経済対策、この「約束手形」が不渡りになる可能性が浮上している。この手形が不渡りになると寒空の年末に向けて連鎖倒産が一斉に発生する。「麻生恐慌」の発生だ。自民党は日本経済を一気に奈落の底に突き落とした主犯として、多くの国民の心に取り返しのつかない傷を与えることになるだろう。
政治は政治家の党利党略のために存在するものではない。国民の幸福を実現するために存在する。補正予算案の早期国会提出、早期成立、景気支援策実行は政局ではない。根源的な政策である。麻生首相が「私」を捨てて、「公」のために行動することが求められている。
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