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国民による麻生政権集団訴訟が必要
2008/11/16 10:00
●2兆円バラまきは選挙買収の疑い
「無責任」「誤った政策だ」「いいかげんな制度」「言語道断」――。全国の自治体の首長が、麻生政権の「定額給付金」案に一斉にバッシングを浴びせている。批判は当然だが、それ以上に問題なのは、この給付金バラマキは麻生自公政権による選挙買収で犯罪ではないのかという点だ。
所得制限をめぐって麻生首相の発言は二転三転、自民党内は異論噴出だった。その上、総額2兆円もの税金を使うのに、首相は「法律を設けると面倒なことになる」と国会審議を放棄したのだ。いくら漫画バカ首相とはいえ、デタラメの限りを尽くして「これでいいのだ!」なんて、天国の赤塚不二夫先生もアキれたことだろう。
そもそも、定額給付金は初めから姑息な魂胆がミエミエだった。前身の「定額減税」を福田内閣時代の緊急経済対策にネジ込んだのは、公明党だ。早期解散を望み、中低所得者層が多い選挙マシンの創価学会員にも「恩恵を」と思いついたアイデアである。
公明党の恫喝に屈したというか、学会票欲しさに思惑が一致したのが、総選挙を控えて劣勢の麻生自民党。やはり票が欲しくてウズウズしていた。
国民新党の亀井静香代表代行が「(定額給付金は)国家権力による壮大な選挙買収事件だ。東京地検特捜部は(麻生首相を)検挙して、捕まえたらいい」と痛烈に批判したが、その通りだ。定額給付金なんて、しょせん「票をカネで買おう」という選挙目当てのバラマキでしかないのだ。
「定額給付金はターゲットがハッキリせず、GDPの引き上げ効果はたった0.1%。『低所得者支援』にも『景気対策』にもなりません。同じ2兆円を投じるなら、約1.3倍の追加的消費需要が生まれる公共事業の方が、はるかに経済効果は高い。麻生政権が経済効果より“選挙効果”を期待しているのは明らかです。お金さえバラまけばオレたちに投票するだろうという、さもしくてイヤらしい発想で、こんなものは『政治』とは言えません」(エコノミスト・紺谷典子氏)
●道路特定財源の地方配分も“詐欺罪”
どの世論調査でも、半数を超える人が「定額給付金は不要な政策」と答えている。ほとんどの国民が、定額給付金の裏の“犯罪性”を見透かしているのだ。
ならば、みすみす国家犯罪を見逃してはいけない。ついでに言えば「1兆円を移譲する」とブチ上げておきながら、既存の交付金(約7000億円)への単なる上乗せで終わりそうな道路特定財源の地方配分だって、地方に対する詐欺罪の疑いがある。
前出の亀井氏は「(地検は)あまりにもでかい事件だからやりにくいかもしれないが、場合によっては国民新党が告発する」と語っていた。
世論が高まれば、捜査当局だって動かざるを得ない。今すぐ国民は麻生政権を相手取り、集団訴訟に打って出るべきだ。
(日刊ゲンダイ2008年11月13日掲載)
2008/11/16 10:00 更新
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