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新テロ特措法は、18日に採決することが合意された(世に倦む日日)
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投稿者 あ+ 日時 2008 年 11 月 13 日 23:11:15: 8WlTWJKy3iQ86
 

給付金問題と田母神問題 - 自民党と民主党の結託と世論誘導
筑紫哲也が生きていたら、田母神問題と給付金問題について、どのように論評を加えただろう。新聞やテレビやネットを見ても、誰も政治の真実や問題の本質に気づいていない。私にはそう感じられる。最初に給付金問題について言えば、これは「撒き餌」であり、マスコミの紙面と画面を埋め、国民の関心を埋めて時間稼ぎをするための「ネタ」であり、大事な問題を報道から隠すための「代替情報」の政治である。与謝野馨と麻生首相の対立だとか、閣内不統一だとか、そんな話は全て最初から仕組んで演じている芝居だ。市長会長の佐竹敬久の所得制限反対論や橋本徹の丸投げ反対論は、麻生首相自らが指令して声を上げさせ、マスコミの表面で「問題」にさせている政治であり、わざと「混乱」を起こして騒動を長引かせている。そしてNHKの7時のニュースと報道ステーションは、毎日この問題をトップで扱って、NHKでは内容的には全く無意味な「街の声」を延々と見せている。ワイドショー的に情報を調理して、この問題に国民の関心を張り付かせている。

昨夜(11/12)は、総務相の鳩山邦夫が麻生首相に噛みつく一幕があった。言うまでもないが、鳩山邦夫は麻生首相と盟友の関係であり、あの口調と表情がヤラセの演技だということは簡単に見破ることができる。わざと内輪で揉めているように見せ、この問題が国政の最重要問題であるかの如く演出してマスコミに報道させている。麻生首相の目的は二つだ。一つは政権延命の時間稼ぎであり、田母神問題や新テロ特措法問題がマスコミの関心の表面に浮上するのを防止するための情報操作である。もう一つは、定額給付金そのものを自ら葬る狙いがある。この政策は、もともと公明党から要求された選挙対策の措置で、自民党も財務省も本心では消極的だった。金融危機が起き、これを選挙回避の神風として巧みに利用できた後は、解散先送りが成功するとともに、定額給付金策をマスコミにバッシングさせて、給付金に対する国民の支持率を下げ、給付金反対を国民世論として固め、言わば給付金を死に体の政策にして、引っ込めた方が国民の支持が上がる方向に仕向けたのである。

つまり、麻生首相は給付金を配る気はないのだ。財務省は大事な2兆円を出したくなく、できれば反対世論の圧力で白紙に戻すのがありがたい。現時点で、給付金を推進しようとしている勢力は公明党だけで、マスコミも官僚も野党も国民も反対であり、その気になれば簡単に白紙撤回できる。現に、2次補正予算は臨時国会に提出しない方針が明らかにされ、国会は11月末で閉幕の日程となった。給付金問題は年を越し、通常国会の審議では野党の反対を理由にして潰すことができるだろう。選挙はやらなくて済み、選挙対策の2兆円は出さずに済み、麻生首相と官僚にとっては笑いが止まらない。そういう戦略に沿っての現在の「給付金問題」の騒動なのである。それをどうして誰も見抜けないのか。目を怒らせて給付金反対を絶叫しているブログ左翼は、自分たちが麻生首相とマスコミに踊らされている事実にどうして気づかないのだろう。臨時国会閉幕まであと2週間、結局、麻生内閣にとって無風の国会で、政府が野党やマスコミから追及を受ける局面は一度もなかった。政権は崖っぷちに立っていたはずではなかったのか。

マスコミが「給付金問題」を煽り、それに国民の関心を釘付けにしている裏側で、報道を伏せられている政治がある。それは与野党の国会対策の政治報道だ。新テロ特措法は、結局、昨日12日の参院国対委員長会談で18日に採決することが合意された。20日には衆院で再可決され成立となる。この新テロ特措法の扱いを決めた重要な国対委員長会談に関する記事は、今日の朝日新聞の隅から隅を眺めても一行もなく、昨夜のNHKや民放の報道番組でも一言も触れられなかった。民主党が衆院での態度をそのまま変えず、事実上の法案賛成を決めたのであり、今月末の国会閉幕もそのまま受け入れたのである。テレビ報道に出てくるのは、鳩山由紀夫の給付金に対する揶揄と嘲笑の映像だけだ。確か、新テロ特措法が参院に送られたときは、衆院では解散欲しさに審議で妥協したが、解散先送りで逃げる麻生政権を追い詰めるために、野党多数の参院では対応を一転させ、徹底審議で廃案か解散に追い込むと意気込んでいた。あれは嘘だったのか。どうやら嘘だったようだ。民主党はまた国民を騙した。そして国民を騙した民主党の卑劣を誰も責めない。

マスコミも責めない。ブログ左翼も責めない。マスコミが責めないのは、マスコミと政権と民主党が一体だからである。ブログ左翼が責めないのは、騙されているか、自己欺瞞のためである。民主党は参院で問責決議案を出すとまで言っていた。そんな中での田母神問題の浮上は、本来なら野党の絶好の攻勢機会であり、崖っぷちの麻生政権を解散に追い込めるチャンスであったのに、民主党はまるで腫れ物に触るように田母神俊雄に接し、マスコミも民主党に倣って問題の火消しに躍起になっている。誰も本気になって問題を追及究明しようとしない。普通であれば、参考人招致があった11日のニュースでは、民主党だけでなく共産党や社民党や国民新党の党首クラスからの一斉反発の声が出て、文民統制違反と自衛隊の堕落を糾弾する学者や国民の声が映像で拾われ、マスコミが世論を盛り上げているべきところである。ところが、11日のニュースはそのような報道にはならず、田母神俊雄に言いたいだけ言わせて、それで報道は打ち止めとなった。民主党の対応が田母神俊雄に宥和的だからである。形だけ参考人招致をしたが、本心では追及を深めたくない。だから、マスコミも民主党に準じた。

何度も繰り返し言っているが、小沢一郎は集団的自衛権に賛成で、それが(政治家小沢一郎の数少ない政策上の)持論でもある。参考人招致で質問に立った民主党ネクスト防衛相の浅尾慶一郎は、日本会議国会議員懇談会のメンバーである。ちなみに、藤井裕久、西岡武夫、松原仁、前原誠司、長島昭久、大江康弘、森ゆうこ、鈴木寛らも、当然と言うべきか、この会のメンバーに堂々と名を連ねている。護憲や平和を主張しているブログ左翼が、小沢民主党支持をヒステリックに絶叫し、小沢信者の仲間をネットに増やそうとする行為が、どれほど自己矛盾に満ちた愚行かを真面目に考えるべきだろう。給付金問題は、言わば、田母神問題を表で騒ぎにしたくない自民党と民主党とマスコミのエクスキューズである。代わりにこれで騒いでくれと与えられた世論ごっこの玩具だ。財務省はもともと定額減税を潰したくてたまらず、公明党が出してきた瞬間からマスコミを動員してバラマキ批判の大合唱をやらせた。それが功を奏して、マスコミに洗脳された国民が自分から給付金不要を言い出してくれた。これは便利な「政治の道具」だから、もう暫くこの騒ぎを続ける。そして、年末までには、消費税増税賛成を国民の過半世論にすることも夢ではない。

なぜなら、自民党と民主党とマスコミが増税賛成なのだから。解散は、消費税増税賛成が過半数になり、国論として固まってからだ。加えて言えば、年を越し、予算を上げて年度末を超えてしまえば、もう自民党も公明党も麻生降ろしは物理的に無理になる。衆院の任期は来年9月で終わりで、必ず選挙に勝てる条件がない以上、麻生首相を無理に降ろして自分が政権に就く野心家も存在しない。だから、解散があるとすれば、それは勝てる条件を揃えた上で麻生首相がやる場合であり、当の本人は、解散風を吹かせながら最後まで任期を全うする腹でいる。麻生首相は、定額給付金が選挙の役に立たないことを知っているし、これを出しても引っ込めても支持率が上がる材料にならないことを知っている。そして、給付金を潰すときは、必ず通常国会で民主党に猛反対させて、野党に潰されて撤回を余儀なくさせられた形にする。つまり、定額給付金を支持し期待していた層には、「民主党に潰された」言い訳を作り、野党に責任転嫁して支持率のダメージを食い止めるのだ。麻生首相の支持率というのは、実際には、その右翼的姿勢で支えられているのであり、タカ派であるがゆえに支持率が福田政権のように下がらないのである。そのことを麻生首相は知っているはずで、その意味では自信を持っている。

政権を追い詰めるのは国会での野党の仕事だが、その野党が不全で、不思議なほど政権を追い詰めようとしない。事実上の連立政権状態になっている。国会が開かれているという実感が全くない。まるで閉会中のようだ。参院が与野党逆転しているという実感もない。昨年は「ねじれ国会」だったが、今年は「ねじれ」の状況が微塵も感じられない。おそらく来年の通常国会でも、何も争点にはならず、政府が景気対策と称して、大企業や投資家のための優遇措置が法制化されるだけだろう。


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まさに政局のみで政策が無し、政治を弄んでる。  

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