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http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081024k0000e040097000c.html
生活保護を受給する母子家庭のうち、母親が強いストレスが原因とみられる精神疾患を患っている世帯は約3割に上ることが、堺市健康福祉局の道中隆理事の調査で明らかになった。ほとんどがDV(配偶者間暴力)、児童虐待などの貧困要因を複数抱えていることも判明。生活保護が親から子へ引き継がれる世代間連鎖は約3割に上った。道中理事は「健康面での生活支援も必要だ」と指摘する。
調査は、大阪府内の生活保護受給母子家庭214世帯を抽出して分析した。母親が何らかの病気を患っているのは131世帯(61%)で、うちパニック障害や心身症、統合失調症などの精神疾患は72世帯(34%)だった。
また、低学歴の母親は57%▽10代で出産した母親は26%▽DV被害は22%▽子供が病気の世帯は21%▽子供が薬物中毒、窃盗、売春などの問題を抱えている世帯は21%▽子供が虐待を受けている世帯は9%−−で、一つの家庭で3〜4項目の要因が重なっていた。
厚生労働省によると生活保護の受給世帯数(07年度)は約111万世帯で、うち母子家庭は8.4%を占める。1000人当たりの保護率は、全体で22人だが、母子家庭に限ってみると190人に跳ね上がり、貧困割合が高い。道中理事の調査では、母親の親も生活保護を受給していた世帯は07年の調査で41%、今回は32%だった。
道中理事は「さまざまな負の誘因が重なり合い、相乗的に影響を及ぼしている。母子家庭は、強い不安とストレスにさらされ続けることになり、これが精神疾患を引き起こす誘因となっている可能性が高い」と話す。
▽岩田正美・日本女子大教授(社会福祉学)の話 貧困は所得の低さだけでなく、複合的な不利の連鎖を伴って現れることが少なくない。特に生活保護制度は、このような多くの問題を抱えて働けない時に初めて対応する実態もある。生活保護の実施に当たっては児童相談所や保健所、病院、司法関係者などとの連携が不可欠だ。【坂口佳代】
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毎日新聞 2008年10月24日 16時24分
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