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2008年11月11日
権力の前に沈黙する風景
11月11日の朝日新聞に次のようなエピソードが書かれていた。
麻生首相が国会答弁で戦争責任に関する過去の政府答弁を「ふしゅう」する、という答弁を重ねているという。
たとえば11月7日の参院本会議で、田母神論文問題を問われて、村山談話を「ふしゅう」するといい、その前の10月15日の参院予算委員会でも、慰安婦問題で旧日本軍の関与を認めた93年の河野官房長官談話を、やはり「ふしゅう」すると答えたという。
「踏襲(とうしゅう)」という言葉のあきらかな誤読である。
ところが、秘書官をはじめ周りの誰も、麻生首相に間違いを指摘しないらしい。
参院事務局は自主判断して議事録に踏襲と記録したというのだ。
驚くべきは、麻生首相が外相だった昨年も、河野談話を「ふしゅう」と答弁していた事だ。
その時は参院事務局が外務省に問い合わせて「踏襲」と確認して議事録に載せた。
誰も麻生首相、麻生外相に、間違いを指摘することなく、今日に至っていたとは驚きだ。
そういえば11月9日の毎日新聞にも、権力の前にたじろぐ政治家、官僚の姿が浮き彫りにされていた。
田母神事件の内情をスクープして一面に報じた毎日新聞の記事の中に、辞職を迫る浜田防衛相や増田次官に対し、田母神前空幕長が、「私の考えは理解されている」と言って唐突に元首相2人の名前を挙げた事が乗っていた。
この裏話は興味深いが、問題はこの発言に、浜田防衛相、増田次官が「身構えた」、というくだりである。
それを解説していたテレビコメンテーターの一人は、これで追及が腰砕けになったとしたら、それが一番深刻な問題だ、と言っていた。その通りだ。
このふたつつの新聞記事に見られるエピソードは、この国の政府関係者が、国家権力の前に沈黙する、という風景を見事に示している。
この風景は日本人社会全体に認められる現象なのかもしれない。
しかし、少なくとも政府関係者においては、権力者の誤りを訂正する勇気を持って欲しい。
権力者の誤りが放置される事による国益の損失は、計り知れないからである。
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