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2008年11月09日
「誰が米国の大統領となろうとも日米同盟関係は不変」と言い続ける日本政府と外務官僚
シーファー駐日米国大使は6日、オバマ大統領の当選を見届けた上で、誰が米国の大統領になっても日米同盟の重要性は変わらない、と日本に向かってメッセージを発した。
おかしな話だ。ブッシュ大統領の退任とともに駐日大使を去るシーファー氏が、どういう権限を持って、そのような発言が出来るというのか。
しかし、その発言をよく聞くと、日本はもっと米国の「テロとの戦い」に協力しろ、と言っているのだ。
歴代の駐日米国大使のなかで、このシーファー大使ほど日本を軽視した大使はいなかった。
彼はブッシュ大統領の代理人として日本に戦争協力を求めるためだけに4年近くもの間滞在した。それだけの大使だった。
さすがの日本政府指導者も外務官僚も、さらには日本の各界の指導者たちも、シーファー大使に辟易したと見えて、その接触は極めて限定的だった。
シーファー大使が、次期政権でも日米関係の重要性は変わらないと、話す言葉には、しかし、少なくとも明確な意味がある。どのような政権になっても日本から搾り取れるうちは搾り取るからいいな、よく覚えておけ、というメッセージを日本に伝えているのだ。
これに対してどう考えてもおかしいのが、日本の政府指導者たちがその米国との関係を不変であるといい続けることである。
オバマ次期大統領が決まった事の感想を求められて、麻生首相は、「どなたが大統領になられようとも日米関係は50年以上培ってきた。(この関係を)新大統領とも維持していく」とコメントした。
この白々しさを、11月8日の毎日新聞「発信箱」で伊藤智永記者が次のように痛烈に批判していた。
・・・米国民の多くは、いまやブッシュ時代を「間違っていた」と考え、オバマ氏を選んだ。日本以外の同盟国も、それぞれブッシュ路線と確執を抱え、オバマ氏の「変革」に期待を寄せる。同じ時期の日米関係を、外務省は「戦後最良」と自賛してきた(が)、その基になったのは、小泉純一郎元首相とブッシュ大統領の人間関係。なのに今、日本だけ反省もなく「誰が大統領でも同盟は不変」なわけはなかろう・・・
その通りである。
その伊藤氏は同時にまた、米国の日米同盟観のしたたかさについて次のように書いている。
すなわち、米国は、1955年、鳩山内閣の重光葵外相が日米安保条約改定を提起した時、これを一蹴しておきながら、岸政権になると一転して交渉に応じた。
米国は日本の指導者を冷徹に採点し、米国にとって好ましい指導者と話を進める国であると。
そして「米国の大統領が誰であろうと米国との関係は不変だ」などという麻生首相の言葉は外務官僚の振り付けどおりであり、躍動感も同盟観もない。そんな麻生首相が米国の新しい指導者に果たして尊敬されるか、と。
11月9日の日経新聞「オバマ米国と世界」の中で、次のようなくだりがある。
・・・日本政府は大統領選の前から在米大使館、外務省を総動員して「オバマ政権」にそなえ、陣営幹部と接触を図ってきた。大統領選から二日後の電話協議でオバマ氏から、「同盟を強化していきたい」との言葉を引き出し、関係者は胸をなでおろした・・・
おめでとう。しかしなんという情けない外交をやっているのかと思う。
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