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麻生内閣の看板大臣が窮地に立たされそうだ。岐阜市の野田聖子事務所の放火事件で、公設秘書の男性が県警の家宅捜索を受けていたことが発覚。しかも、「放火容疑」で令状を取った上での強制捜査だ。この問題を野党も国会で追及する構えで、追い詰められた野田大臣はうろたえまくっている。
●痛くもない腹探られイメージダウン
内部犯行が疑われたことで、野田大臣のイメージダウンは避けられない。国会で説明に追われる日々となり、痛くもない腹も探られる。「女性初の宰相」は大きく遠のいた。道義的責任も問われる。
事件は佐藤ゆかりとの公認問題が決着しない時期に起こった。当時、地元では「2人の公認争いをめぐるトラブルから生じた事件」との憶測が飛び交っていた。当然、疑惑の目は佐藤陣営に向けられてしまった。
「野田氏本人も街頭演説などで『卑劣な行為は許さない』と訴えていました。こうして野田氏がテロを含めた部外者の犯行であることを強調するたび、佐藤陣営へのあらぬ疑いが深まるというムードでしたね」(地元関係者)
放火犯が燃やしたブツも野田大臣にとって具合が悪かった。
「犯人は経理担当の女性秘書の机を中心に油をまいて火を放っていた。政治資金にかかわる書類は、ほとんど燃えてしまったようです。女性秘書は先代の野田卯一氏から仕える古株。そのため『犯行は卯一さんの頃からの書類を焼失するのが目的だったのでは』とまことしやかに語られ始めています」(自民党関係者)
政治資金の資料の焼失を狙った犯行だとすれば、ますます野田大臣は逃げ場を失っていく。すでに一部週刊誌は、野田大臣の政治団体が雇用実体のない人件費を政治資金に計上した疑いがあると報じた。もし、内部犯行だった場合、決して「秘書がやったこと」では片付けられない。
よほど捜査の行方が気になるのだろう。野田大臣は先月31日の定例会見に約40分も遅刻。会見が始まっても、目はうつろで気もそぞろ。遅刻の理由を明かさないまま、10分チョットで立ち去っていった。
「最近、野田さんは自民党議員の選挙応援や資金集めパーティーに誘われても、断り続けています。何か後ろめたいことでもあるのでしょうか」(政界関係者)
こんにゃくゼリー法規制の迷走、マルチ業者との癒着に加え、秘書宅捜索の“三重苦”。パンクする前に、大臣の座を降りた方が身のためだ。
(日刊ゲンダイ2008年11月6日掲載)
2008/11/9 10:00 更新
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