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2008年11月05日
オバマ大統領誕生に思うーその@ 日本の政治の主役は世論調査でいい。
オバマが大勝した。感動的だ。
私は今から8年前の2000年の大統領選挙を思い出す。
その時私はデトロイトの総領事であった。
最後の仕事がゴアとブッシュの大統領選挙の報告であった。
所管していたミシガン州とオハイオ州は、ミシガンがゴア、オハイオがブッシュだった。
あの時も今回も、オハイオ州は大統領選挙を左右する重要なスイングステートであった。
あの時は共和党が終始優勢であった。
今度の選挙でオバマがオハイオ州を制した時、私はオバマの勝利宣言を頭の中で聞いていた。
それにしても、米国の大統領選挙にかける国民的熱狂はどうか。
大衆をここまで熱狂させるオバマという政治家の生まれる米国がうらやましい。
ひるがえって日本の政治である。
政権交代という緊張感ある総選挙が、ここまでまのびし、心をゆさぶる感動はない。
麻生、小沢両党首の戦いは、どちらが勝っても国民の心に響かない。
しかし、それでいいのだ。
日本に大統領的な人物はいらない。
国民的人気を博した稀有な指導者と喧伝された政治家が小泉だった。
その結果が今日の日本である。
国民的人気の政治家の成れの果てが、あの体たらくだ。
日本には日本の政治土壌がある。
国民的人気のある指導者を求めようとすれば、次は東国原になり橋下になる。
しかし彼らに日本の政治の主役ははれない。
これからの日本の政治の主役を誰に求めるべきか。
私はそれを、特定の傑出した指導者の出現を期待するのではなく、世論の声に求める。
オバマ大統領の誕生を目の当たりにして、米国の政治土壌をうらやましく思うと同時に、日本の政治は、その対極にあってよい、という思いを私は固めた。
先週の日曜日の夜、フジテレビの「サキヨミ」という番組で消費税値上げの是非について論じていた。
殆どのゲスト出演者が賛成の意見を述べていた。
高齢化とともに社会保障費負担増が避けられない以上、消費税増税もやむを得ない、というわけだ。
あたかもテレビを利用した政府の世論誘導のような番組であった。
ところが、その時テレビが受けつけた視聴者からの意見は、大多数が消費税増税反対であった。
それを見たゲストたちは一様に不満げな、バツの悪そうな顔をしていた事を、私は見逃さなかった。
世論調査が正しいのだ。
この苦しい時に、消費税増税もやむを得ないなどと言うような連中は、生活苦とは縁遠い、恵まれた者たちなのである。
消費税はやめてくれ、というのが当たり前の感覚である。
政治とは、その当たり前の国民の感覚を実現しなければならないのだ。
こう言うと、決まって出る反論は、世論のいう事ばかりを聞いていれば道を誤るとか、世論は常に正しいとは限らない、という意見である。
そして世論の愚かさを示す引用として、日露戦争に勝ったのに譲歩した小村寿太郎に怒った国民(日比谷焼き討ち事件)の例があげられる。
しかしこれは間違いである。
国民が正しい判断が出来ないとすればその理由はただひとつ、十分な情報が与えられないからだ。
為政者が国民を愚民化し、情報操作するからだ。
もし国民が十分で正確な情報を与えられるならば、多数の意見は必ず正しい方向に収斂していくと私は確信している。
私は不特定多数の名もない国民、姿の見えない国民を信じている。
世論調査の技術が発達し、世論調査がより正確に国民の意向を反映するようになれば、世論調査の結果は、より政治を動かすことになる。
その証拠に最近の政治を見ているとやたらに世論調査を重視するようになった。
その最たるものに、いったん決めた解散・総選挙の日取りを、支持率が低下し、おまけに内部調査の結果選挙に勝てそうもない事が明らかになった時点で引っ込めてしまった麻生首相の例がある。
世論を気にするのはなにも麻生首相だけではない。
野党もまた何かといえば「国民目線」などと言い、「生活第一」と言う。
これを要するに、世論が政治の主役になりつつあるということだ。
いつの日か、どの調査よりも大規模で正確な世論調査を行なうNGO,NPOが現れてこないかと思う。
もしそのような組織が出現したら、その組織は、あらゆる政治的決定について、どしどし世論調査を行えばいい。
その結果を政府や政治家につきつければいいのだ。
その世論調査の結果に逆らうような政党、政治家は、選挙で必ず国民の反発をかう、という状況を作り上げればいいのだ。
下手な政権交代が起きても民意は反映されないかもしれない。
そうであれば、世論調査を定着させ、それを政治の主役にすればいいのだ。
それは、日本の政治文化にもっとも適した、最善の民主主義政治ではないか私は思い始めた。
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