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「自殺大国」日本…団塊世代リタイア後に増加 20年度版白書
10月31日10時14分配信 産経新聞
政府は31日午前の閣議で、平成20年版「自殺対策白書」を決定した。19年の自殺者数は前年比938人増の33093人で過去2番目の多さとなった。いわゆる熟年離婚したり、団塊世代で退職したりした壮年以上の男性自殺者が増加したことが一因とみられている。年間の自殺者数は10年連続で3万人で推移しており、政府は同日、自殺予防への重点施策を盛り込んだ「自殺対策加速化プラン」を策定した。
白書によると、19年の男女別の自殺者の内訳は男性23478人(前年比665人増)、女性9615人(273人増)。原因や動機は「健康問題」(14684人、63.3%)が最多で、「経済・生活問題」(7318人、31.5%)、「家庭問題」(3751人、16.2%)が続いている。
年齢層でみると、男性は55〜64歳、女性は75歳以上が最も多い。職業別では「無職」が57.4%と半数以上を占め、次いで「被雇用者・勤め人」(27.7%)、「自営業・家族従事者」(9.9%)、「学生・生徒など」(2.6%)−となっている。
場所は「自宅」(54.7%)、曜日は「月曜日」が最多で、時間帯では、男性が早朝の午前5〜6時台、女性は昼下がりの午後2〜4時台に頻発している。
人口10万人あたりの自殺者数を示す「自殺死亡率」は23.7で世界8位だった。主要7カ国(G7)では男女ともに日本がトップで、「自殺大国」日本の実態が改めて浮き彫りになった。
19年で顕著だった自殺の傾向について内閣府は「団塊の世代の自殺者が増えている。退職や熟年離婚などで配偶者や友人、職を失う『喪失体験』が自殺の原因の一つではないか」と分析している。
一方、自殺対策加速プランプランには、昨年策定した「自殺総合対策大綱」に基づき、自殺の予告や方法の紹介などに関するインターネットの有害情報への対処を柱に強化すべき施策が打ち出された。
たとえば、今年に入って周辺住民らを巻き込む硫化水素による自殺が相次いだため、ネット上の違法・有害情報の通報先となっている団体を通じ、硫化水素の製造方法を掲載するホームページを削除する。
このほか、ネット上の害悪な情報を検出するための技術開発や青少年へのフィルタリング機能の普及、集団自殺の呼びかけに対応する緊急通報体制の整備、市町村への自殺対策担当部局の設置促進などが盛り込まれている。
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