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WRAPUP1: 政府が事業規模26.9兆円の追加対策、麻生首相が3年後の消費税上げに言及【ロイター】
http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnTK020700220081030
2008年 10月 30日 21:32 JST 記事を印刷する | ブックマーク[-] 文字サイズ [+]
[東京 30日 ロイター] 政府は30日、財政支出を伴う国費が5兆円程度、事業規模26.9兆円程度の追加経済対策を発表した。家計への緊急支援として総額2兆円を限度とする生活支援定額給付金(仮称)を年度内に実施するほか、金融市場安定化対策で証券優遇税制を3年間延長する。財源には財政投融資特別会計の金利変動準備金などを活用し、赤字国債の発行を回避する。麻生太郎首相は対策決定を受けた記者会見で、年末の税制抜本改革のにおいて3年後に消費税率を引き上げる方針を盛り込む考えを示すとともに、衆院解散時期の先送りを示唆した。
<金融機関への公的資金注入枠・中小企業の資金繰り対策を拡大>
政府が取りまとめた「生活対策」は、「生活者の暮らしの安心」、「金融・経済の安定強化」、「地方の底力の発揮」の3つを重点分野に掲げ、1)当面は景気対策、2)中期的には財政再建、3)中長期的には改革による経済成長──の3段階で政策を進める。
「生活者の暮らしの安心」では、2兆円を限度とする生活支援定額給付金を年度内に実施するほか、雇用対策を強化。景気後退の影響を受けやすい非正規労働者や中小企業、地方企業などを中心に60万人分の雇用を下支えする。経済界にも賃上げを要請する。
「金融・経済の安定強化」では、金融機能強化法に基づく金融機関への政府の資本参加枠を拡大に加え、銀行の自己資本比率規制も一部弾力化。上場株式の譲渡益と配当にかかる10%の軽減税率(本則は20%)は3年間延長する。
検討していた銀行等保有株式取得機構の活用については「与党において引き続き検討する」との記述にとどめた。経営環境が厳しくなっている中小企業への支援策については、信用保証協会による緊急信用保証を6兆円から20兆円、政府系金融緊急融資を3兆円から10兆円にそれぞれ拡大する。
「地方の底力の発揮」では、高速道路料金を引き下げるほか、地方活性化対策として道路特定財源の一般財源化に際し、1兆円を地方の実情に応じて使用できる新たな仕組みを導入する。住宅ローン減税や容積率の緩和などを通じて住宅投資も促進する。
日銀に対し「金融市場の安定確保に取り組むとともに、内外の厳しい経済金融情勢の下、政府における本体策や構造改革への取り組みを踏まえ、適切かつ機動的に金融政策運営を行うよう期待する」とのメッセージも盛り込んだ。
麻生首相は今回の対策を「国民の生活の安全保障のための国民の経済対策」と表現し、「今回の対策の意義はその場だけの需要創出ではない。経済の体質を転換する」とし、経済成長と財政健全化の両立を目指すと繰り返した。
また、対策について可能なものから順次、実施する考えを示したが、対策に伴う第2次補正予算案を今の臨時国会に提出するかどうかは「今後の国会の運営の中で考えていくべき段階。臨時国会中に出すか、出さないかを今の段階では決めていない」と述べるにとどめた。
<年末までに財政の中期プログラム、経済好転後に消費税含む税制改革>
追加対策では、年末の税制改正で取りまとめる「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた中期プログラム」の基本骨格を盛り込んだ。経済状況の好転後に消費税を含む税制抜本改革を速やかに開始し「時々の経済状況をにらみつつ、2010年代半ばまで段階的に実行する」と明記。年末に税制の「抜本改革の全体像」を提示する。
全体像に関して麻生首相は「大胆な行政改革を行った後、経済状況を見た上で、3年後に消費税の引き上げをお願いしたい」と消費税率引き上げに踏み込むことを明らかにした。
こうした首相の発言について与謝野馨経済財政担当相は、少なくとも消費税を3年間は上げないことを宣言したと指摘。中川昭一財務相兼金融担当相は、消費税率の引き上げ幅について、中期プログラムをつくる作業で決めていかなければならない、と語った。
消費税引き上げ問題に関連し、与謝野担当相は、引き上げの条件となる「経済状況の好転」では「少なくとも日本の潜在成長力が顕在化する状況でなければならない」と解説。潜在成長力の目安として2%程度を挙げた。
また、段階的な引き上げの刻みに関連して「一挙に5%から10%にはなかなかいけないということを言っているだけで、刻みについては諸説ある」とし、「10%の段階になったら、生活必需品などの複数税率は有力な説」と述べた。
麻生首相は現在の経済状況を「100年に1度の暴風雨が荒れている。金融災害とも言うべき、米国発の暴風雨と理解している」とし、11月15日にワシントンで開催される首脳会合(緊急金融サミット)において、1)金融機関の監督・規制に関する国際協調の構築、2)格付け会社への規制のあり方や、地場の格付け会社の育成の必要性、3)会計における時価主義の適用範囲など金融商品の評価方法 などについて議論する意向を示した。
<政局より景気対策が世論、解散しても直ちに政治空白起きない>
注目される衆院解散・総選挙のタイミングについては「しかるべき時期に私自身が判断する」と、これまでの発言を繰り返しながら「今、世の中では政局より政策、何より景気対策という世論の声が圧倒的に高い。(追加経済対策を)実現し、結果として国民の生活不安に応える必要があるというのが優先順位では一番と思う」と、解散を先送りする考えを表明した。
麻生首相は会見前に公明党の太田昭宏代表と党首会談を行ったが「いろいろなことを勘案して解散時期を決める。公明党の方々と綿密に意見交換し、十分に意思の疎通が図れたと思っている」と会見では、早期解散を望んでいるとされる公明党も理解しているとの見解を示した。
一方、麻生首相は「選挙になったからと言って、突如として行政がなくなるわけではない。そうした意味で(解散・総選挙で)直ちに政治空白が起こるとは考えていない」とも語った。
与党内では、臨時国会の会期を延長し、第2次補正予算案を成立させた上で、12月中下旬に衆院を解散し、来年1月中下旬に総選挙を実施するシナリオもささやかれている。この日の麻生首相の解散をめぐる発言が、このシナリオと同じ方向を向いているのかどうか、与党内で思惑が交錯しそうだ。
(ロイター日本語ニュース 伊藤純夫記者、志田義寧記者、吉川裕子記者、村井令二記者)
(sumio.ito@thomsonreuters.com; 03‐6441‐1832; ロイターメッセージング:sumio.ito.reuters.com@reuters.net)
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