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老後資金を株に投資する是非についてインタビューを受ける(天木直人のブログ)
http://www.asyura2.com/08/senkyo55/msg/439.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 10 月 29 日 20:50:23: twUjz/PjYItws
 

http://www.amakiblog.com/archives/2008/10/29/#001207

2008年10月29日
老後資金を株に投資する是非についてインタビューを受ける


 私は10月23日のブログで自らの株式投資との係わりあいを書いた。

 もっとはっきり言えば、欲に目がくらんでなけなしの退職金を株ですってしまった恥を告白した。

 別に私が自虐的だからではない。

 株の事について論評をする以上は自分と株のかかわりあいを明らかにして論評しなければ卑怯だと思ったまでだ。

 そのブログに対して思わぬ反応が読者から寄せられた。

 そのうち特に二つの反応について、このブログで読者にお知らせしたい。

 そのひとつは権力の中枢にいた官僚が株で損をするなどということは考えられない。嘘を言っているか、よほどのまぬけか、どちらかに違いない、というものである。

 これには笑ってしまった。

 するどい指摘である。そして私は嘘をついていない。つまり彼に言わせれば私は間抜けだという事だ。

 株で確実に儲ける唯一の方法は、違法でないギリギリのところでインサイダー取引ができる場合である。

 そしてそんな恵まれた事のできる連中が株取引の世界には間違いなく存在する。

 その連中の一部が、国家権力を利用できる政治家や官僚たちである。

 私が株で儲けられなかった理由は、中枢官僚ではなかったからだ。はぐれ官僚であったからだ。

 そして官僚を辞めてからは、およそ国家権力から無縁の生活をしているからである。

 貴重な情報はまったく入って来ないという事である。

 そんな事は、まあ笑い話のような事であるから、ここで止めておくが、もうひとつの反応についてこのブログで紹介したい。

 私は今日(29日)、東京新聞からインタビューの要請を受けた。

 株で損をしたという話をブログで知った東京新聞「こちら特報部」のデスクから、「老後の為に退職金を株に投資することの是非について特集記事を組みたい、その記事の参考に自らの体験を述べてくれないか」、という依頼を受けた。

 肩書きのない私が肩書きを問われた時、私は無理をして自らを外交評論家などと呼称したりする。

 その外交評論家が、まさか株についてインタビューを受けるとは夢にも思わなかった。

 それに、さすがの私も、自らの株の体験、それも失敗の体験を、メディアに話す気にはなれない。

 本来であれば丁重に断る話である。

 ところが、私が愛読している東京新聞の「こちら特報部」のデスクからの依頼である。

 断りきれずに、条件付で応じる羽目になった。

 その条件とは、株は壮大な権力者のインサイダーゲームの世界である。証券会社が儲け、それを指導、監督する国家権力がその上前の一部をピンはねし、そして日本の国家権力の上に米国の金融資本が君臨し、そのまた上前をはねる、この不正義について、この権力犯罪まがいの構造について、何らかの形で言及して欲しい、という注文である。

 その注文が守られるかどうかはわからない。

 それに、私が述べた事がそのまま正確に新聞記事になるかどうかの保証はもちろんない。

 私が評価し、信頼する東京新聞の「こちら特報部」であっても、私が話した内容の一部を、編集方針の都合で利用する事があっても私は驚かない。腹も立てない。

 これまでに応じてきた数多くのメディアへのインタビューを通じて、私はその事を嫌というほど知った。

 メディアへのインタビューに応じるということは、そのようなリスクを知った上で覚悟して応じるということである。

 リスクを承知の上で、こちらもメディアを利用して自分の主張を世に広める、という、ギブアンドテイクの取引なのである。

 果たして「こちら特報部」の記事はどこまで納得行くものとなって一般読者の目に触れるものとなるのであろうか。

 うかつにも私は何日付けの東京新聞の「こちら特報部」に、その記事が掲載されるか聞き漏らした。

 ひょっとしたら明日30日の記事になるかもしれない。

 興味ある読者は注目していただきたい。

 私が強調した事は次の事だ。

 果たしてそれらのいくつかが記事になることであろう。

 「金利ゼロという犯罪まがいの政府の暴政の下で、せめて退職金を堅実な株式投資で運用しようと考える事は、決して責められる事ではない。

  しかし、株式投資にはくれぐれも慎重でなければならない。

  なぜならば、株式投資の現実の世界においては、一般投資家と株式取引の関係者との間で、絶対的な不平等があるからだ。

 ありていに言えば、賭博の世界では胴元が必ず儲ける仕組みになっている、ということである。

 そのハンディと馬鹿らしさを覚悟の上で、株式投資をしなければならない。

 それに今回の金融バブルの崩壊は、株式投資の危険性をまざまざと教えてくれた。

 株式投資はやはりリスクの伴うギャンブルと割り切らなければならない。

 しかし現下の金融危機は、そのような賭博相場の成れの果てでは決してない。

 現下の金融危機の原因は、権力者が詐欺をしていた結果もたらされた異常なものである。

 健全な株式取引を実現するために不正を監視する立場にある国家権力が、不正を黙認していたのだ。

 その結果通常の株式取引のリスク以上の巨額な金融危機が招来される事になったのだ。

 責められるべきは金融資本主義ではない。

 金融資本主義を歪めてしまった権力者の犯罪にある。

 やがて健全な株取引が復活するであろう・・・」

 
  今発売中の週刊朝日は「株暴落をチャンスにかえる!」という特集記事を組んで株購入を勧めている。

  そのせいでもあるまいが、今日29日の株価は大幅に値上がりしている。

  さしたる理由も無いのにである。

  株取引は根拠のないマネーゲームである。

  その原動力は金銭欲だけである。

  株乱高下の理由は、後からトラック一杯分もついて来る。

  そのようなマネーゲームを不道徳といって排斥するのも、自己責任で参加したいと考えるのも、個人の自由であるに違いない。

 そのようなマネーゲームで最低限守られなければならないことは、ルールを逸脱して一部の者が利益を手にするという不公平さを排除するという事である。

 それが守られないところに今日の最大の問題がある。


 欲と道連れの株取引はなくなる事はない。

 

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