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2008年10月28日 (火)
麻生首相の非正規雇用労働者蔑視発言ほか
麻生首相が10月26日、首相就任後初めての街頭演説を秋葉原で行った。そのなかで麻生首相は非正規雇用の状況で働く多数の国民に対して、極めて侮辱的な発言を行った。また、同日午後、麻生首相の私邸へ徒歩で歩く人々が、突然、警察に逮捕された。
また、首相ぶらさがり会見で、連夜のバー通いについて質問した記者に、麻生首相が逆切れして詰め寄ったことも伝えられている。
ところが、これらの映像がマスメディアでほとんど報道されていない。インターネット情報の発達で、動画が配信されるため、メディアが伝えない真実の一端を知ることができるようになっているが、これらの事実がマスメディア情報の偏向を浮き彫りにしている。
10月26日のフジテレビ番組「サキヨミ」が年次規制改革要望書を報道したのを私も見た。関岡弘之氏が画面に登場するのも初めて拝見した。「神州の泉」主宰者の高橋博彦氏がこの問題を取り上げられた。また、私に対する身に余るお言葉を賜った。心より感謝申し上げる。
また、私の朝日放送に対する訴訟での和解について、高橋清彦氏に加え、ひらのゆきこ氏が貴重な記事を掲載くださった。また、「晴天とら日和」様が詳細な記事を掲載くださった。心より感謝申し上げる。
麻生首相の秋葉原発言については、「カナダde日本語」の美爾依さんが早速ブログで取り上げられ、また、首相私邸へのウォーキング市民逮捕についても伝えられている。「きっこの日記」様、「BLOG版ヘンリー・オーツの独り言」様も取り上げられた。
これらの問題について、「低気温のエクスタシー」様、「雑談日記(徒然なるままに、。)」様、「チラシの裏」様などが詳細な情報を提供してくださっている。メディアが伝えない重要情報がネットを通じて伝達されるようになった意義は極めて大きいと思う。草の根から真実の情報を伝播してゆかなければならない。ブログ閲覧者数を拡大してゆかなければならないと思う。ブログ閲覧者数を二ケタ拡大する必要がある。
麻生首相は、秋葉原街頭演説で、非正規雇用から正規雇用への転換を推進する方針を説明するなかで、九州でのある事例で、非正規社員が正規社員に転換されたことで婚姻率が上昇したことを紹介し、次のように述べた。
「やっぱり、女性がもう、結婚する相手が、なんとなーく、食いっぱぐれそうな顔してるとこりゃちょっと、結婚したらあたしが一人で働かないかんと。そら、なかなか結婚したくないよ。そら、女性のほうも選ぶ権利がある。当然のこととして、稼ぎが悪そうなのより、稼ぎがいいほうがいいに決まってる。そう思って結婚しないんだと思いますが、それがこれできちんと証明をされていると思います。」
麻生政権が、日本に存在する非正規雇用者のなかで、正規雇用への転換を希望するすべての労働者を、責任を持って正規労働者に転換することを決定したのなら、この発言も許されるかもしれない。ところが、現実には、非正規雇用者の大半が現状のまま放置されることは明白だ。そのなかでこのような発言を示す神経は尋常でない。
「オタクの聖地」と言われる秋葉原には、非正規雇用労働者が多数存在するはずだ。非正規雇用労働者を蔑(さげす)む麻生首相発言を、彼らはどのように受け止めただろうか。マンガばかり読んでいることで麻生首相は、秋葉原愛好者の一員になったつもりなのかも知れないが、麻生首相が一般国民の視点に立ってものを考えていないことは明白である。
そもそも、「稼ぎがいい方がいいに決まっていて、結婚はこのことを基準に決定されることがきちんと証明されている」との趣旨の言葉に示される麻生首相の価値観が問われる。麻生首相は「所得の多寡(たか)が人間を評価する基準である」ことを演説で堂々と訴えたのだ。
小泉政権以来の自公政権が「市場原理主義」=「新自由主義」に基づく人間性無視=効率至上主義の政策を推進して、冷酷な格差社会が生み出された。まじめに働いても年収が200万円に届かない「働く貧困層」、いつ「雇い止め」通知が来て、生活の危機に直面するかも知れないという恐怖に直面し続ける「非正規雇用労働者」、危険で過酷な労働に日替わりで対応しなければならない「日雇い派遣労働者」、が日本中を覆い尽くしている。
将来に夢と希望を持てない若者が急増していることは、もっとも深刻な日本の社会問題でもある。麻生首相は景気対策で、非正規雇用労働者の正規雇用への転換をどこまで進展させるのか。本格的な政策対応を示さずに、国民の歓心を買う言葉を並べ立てても、不興を買うだけだ。
麻生首相は九州トヨタの事例を引き合いに出したが、10月7日の衆議院予算員会で共産党の志位和夫議員は、トヨタが巧妙な配置転換により、派遣労働の3年期限規制を回避しているのではないかとの指摘をしている。労働市場の規制緩和が大資本の意向に沿って実施されたために、一般国民が極めて厳しい現実にさらされているなかで、麻生首相の発言は、あまりにも表層的に過ぎる。
「市場原理主義」=「セーフティーネット破壊」の悪政に苦しむ一般国民の視点に立ってものを考えることができないのではないかと思われる。
首相のぶらさがり記者会見は、政府が政府広報として実施しているものだ。そのなかでの首相の発言は、一部をカットせずに、きちんと放映されるべきだ。首相に都合の悪い部分を報道しないことは、国民の知る権利を妨害するものである。政府が都合の悪い部分を放映しないように圧力をかけているなら、検閲と言われてもやむを得ない。
渋谷駅から麻生首相私邸へのウォーキングを警察が逮捕した事件も、YOU TUBEで配信されている映像を見る限り、不当逮捕のように見える。この事件についても、事実関係を正確に伝える報道は極めて少ない。
民主主義が機能するためには、情報が正しく伝達される必要がある。国民にすべての正しい情報が伝達されなければ、国民が正しい判断を下すことはできない。
ぶらさがり記者会見での記者とのやり取りが、一部カットされず、全体が伝えられることによって、首相の人間性や価値観、哲学が国民に伝わるのだ。検閲され、加工された情報をもとに国民が正しく判断することは不可能だ。
日本が法治国家であるなら、法律は適正に運用されなければならない。警察当局の裁量権の拡大は、暗黒国家への道である。
マスメディア情報が政治権力によって著しく歪められている現状では、ネット情報が、その歪みを糺す役割を担う。
ネット情報が威力を発揮するには、より多くの国民がネット情報に接する必要がある。優良なネット情報が社会全体に浸透するための努力を拡大してゆかなければならないと思う。
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