★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK55 > 383.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.amakiblog.com/archives/2008/10/27/#001204
2008年10月27日
「海賊退治に自衛隊派遣」を提案した民主党
私にも遠慮はある。
民主党批判をしていいのか、という遠慮である。
それは私が政権交代をすべてに優先するからだ。
それに、民主党批判をすれば直ちに批判のメールが届く。
批判など気にしないと強がりを言っている私であるが、やはり批判されると考えてしまう。
それでも私には譲れないものがある。
それは憲法9条を守る事こそ最強の安全保障政策であるという、私がたどり着いた確信に反する事である。
憲法9条否定につながるいかなる政策にも、私は異を唱える。
10月17日の衆院テロ特別委員会で民主党の長島昭久や浅尾慶一郎が海賊対策に自衛隊を派遣しろと提案したらしい。
私はその答弁を聞いていなかったので、後日新聞報道などで知った。
これはとんでもない提案である。
そもそも海賊対策に自衛隊を派遣するなどということは自衛隊法の想定するところではない。
もちろん憲法9条の恣意的な拡大解釈という危険性がある。
ご丁寧に鳩山由紀夫民主党幹事長は18日の広島呉市で講演し、海賊対策での海上自衛隊派遣に向けた新法に理解を示した発言をしている。民主党政権が発足した暁には、本格的に法律の制定を検討すると言ったらしい(10月19日産経)。
そういえば鳩山幹事長は、かつて、平沼赳夫のグループと連携したいという発言までしていたことがあった。それを知ったときわが耳を疑ったものだ。
私が情けなく思うのは、この「海賊退治に自衛隊派遣を」という考えが、憲法で期待されている専守防衛の自衛隊の責務に基づいて周到に考え抜いた末の提案ではなく、インド洋での給油活動に反対するだけでいいのか、国際貢献から背を向けて政権担当の資格があるのか、と自民党から責められて、海賊対策で批判をかわそうとする、底の浅いその場しのぎの思いつき提案であるということだ。
更に言えば、その根本には、国連決議があれば自衛隊をアフガンに派遣できると言った憲法違反の小沢党首発言を撤回できない、民主党の矛盾がある。そこを衝かれればたちどころに窮してしまう民主党のトラウマがある。
ましてやソマリア沖の海賊退治に自衛隊を派遣するなどという事はとんでもない危険を孕むのだ。
それを軍事ジャーナリストの田岡俊次氏が今日発売の週刊アエラ(11月3日号)で見事に言い当てている。
ソマリア沖で最近跋扈する海賊問題の責任の一端は米国にある。
親米のエチオピア軍がソマリアに侵攻し、首都モガディシオを制圧したイスラム原理主義勢力を制圧したため、イスラム原理主義勢力がゲリラ戦で抵抗し、巻き返しをはかりつつある。
海賊が激化したのは、ゲリラ側が軍資金を調達しているという側面もある。
つまりアフガニスタンで麻薬を厳禁したタリバン政権を倒して、アフガンをアヘンの増産に走らせ構図と同じだと田岡氏は解説してみせる。
そうだとすれば、それはイスラム原理主義政権を倒した米国の「後始末」をさせられることでもある。
反米テロとの泥沼の戦いにのめり込む事になる。
一度護衛艦や哨戒機を出せば、海賊を撲滅するまで続けざるを得ない。
そんな覚悟が民主党にあるのか。
民主党は、政局におぼれた自らの提案の軽率さを、真摯に反省すべきである。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK55掲示板
フォローアップ: