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2008年10月27日 (月)
フジテレビが『年次改革要望書』を真面目に取り上げた!!
昨日、フジテレビの「サキヨミLIVE」というニュース報道番組を見ていて、実に驚いた。なんと、「拒否できない日本」を書いて、「年次改革要望書」の存在を世に知らしめた関岡英之さん(左の写真)がインタビューを受けており、例の年次改革要望書について意見を述べていた。
新聞のテレビ欄を見たら、「▽日本の“予言書”か?アメリカからの“指令書”か…年次改革要望書をあなたは知っていますか▽」と書いてあった。目を丸くしてその報道番組を見ていたが、実に重大な内容であった。関岡さんの「拒否できない日本」初版本が発行されたのは、平成16年4月20日、つまり、あの郵政民営化解散総選挙があった2005年9月の一年五ヶ月前である。小泉純一郎氏とマスコミが結託し、参院で否決されていた郵政民営化法案が、違憲の疑いが濃厚であるあの衆院解散総選挙で無理やり成立してしまった。この選挙の直前、マスメディアは郵政民営化法案の反対意見を報道することも、それについての、まともな討論を徹底的に封じる方向で通していた。
この時、郵政民営化に反対の議員、たとえば小林興起氏や城内実氏の意見はほとんどマスコミには反映されなかった。日本の憲政史上、郵政民営化法案の成立過程ほど異常なものはなかったと言ってよい。これは郵便局にある百数十兆円もの国民資産を奪取するために、年次改革要望書を背景に、小泉氏、竹中氏という売国扇動者を使って米国が仕掛けたものである。小泉売国構造改革の最大目標が郵政民営化であった。しかし、日本は1993年の宮沢ークリントン会談の翌年、すなわち、1994年からアメリカと「年次改革要望書」を取り交わし続けている。ところが非常に奇妙なことに、日本の重要な為政者達はこの“双務的”な経済政策要望書の存在をまったく知らなかったそうである。双務的という二国間協調の建前であるにも関わらず、日本の要人たちは知らなかったと言う。この事実だけでも、この要望書の胡散臭い性格が浮かび上がる。
政界人が知らなかったということは野中広務氏がインタビューで断言していた。なんと、あの2005年当時の段階で、それを知っていた政治家はほんのわずかだったそうである。不思議な話である。一歩間違えれば内政干渉的内容になっているかもしれない二国間要望書を政治のプロの連中は知らなかった。政策を立案決定し、実行するプロの連中が知らなかったということは普通にはありえないことだ。年次改革要望書を緻密に分析すれば、そこに書かれている内容が、数年後にほとんどそのまま実行されていることに気が付く。このような重大な書類はすでに要望の相互交換などというものではなく、アメリカからの一方的な内政干渉的な取り決め文書であることを示している。
友好的な二国間で取り交わされる単なる推奨的経済政策案であるなら、参照、参考するという意味合い以外になく無害なものであろう。しかし、年次改革要望書は明らかに強圧を伴った一方的な命令書である。その理由は関岡さんの「拒否できない日本」を参考にすると、年毎に出される要望書は、各部門の担当部署に振り分けられ、それが内部で検討されてから審議会にかけられ、最終的には日本の法律や制度の改正という形で圧倒的な内政出力になっている。この要望書が単なる外交文書ではないことは、要望の内容が日本の国政に実現されたかどうかをチェックする仕組みが存在していることでわかる。それを管轄しているのが、アメリカ通商代表部(USTR)であり、彼らは毎年3月に連邦議会に提出する『外国貿易障壁提出書』で報告するようになっているのだ。
今述べたように、年次改革要望書の概括的な仕組みを見ただけで、これが双務的親善的な外交文書ではないということがよくわかるだろう。政策出力に決定的な影響力を持つ文書を為政者が知らなかったということは、これを実行しているごく一部の日本人勢力がいることを示す。彼らはアメリカの犬であり、紛うことなき国賊連中である。日本国益を害し、アメリカや米系外資を利することをやる売国連中がいる。
しかし、昨日のフジテレビを見た人は私以外に大勢いて、年次改革要望書の実態を知る人たちは、関岡さんが出たことと言い、テレビが年次改革要望書をまともに取り上げたことと言い、少なからず驚いているはずだ。この現象はマスコミが良心化していると言うよりも、時の政権の動向で左右される節操のなさがもたらしているものだろう。植草事件の報道や、その他の報道を判断する限り、テレビの連中は信用ならない。一つだけ言えることは年次改革要望書を最も先鋭的にかつ忠実に具現化した、小泉構造改革路線が今、存亡の岐路に立たされているからだろう。世界金融危機と相まって、今人々はネオリベ路線へ熾烈な疑念を向けているというところだろう。
テレビでは年次改革要望書が国内政治に反映された実例として、携帯電話の番号継承制度、すなわち『ナンバーポータビリティ制度』が実行されたことや、日本競馬界で外国馬の参入が許可されたことなどをあげていた。また、初めて知ったことだが、日本のポテトチップスを安定的に供給するために、外国からのジャガイモの安定的輸入が欠かせないということも年次改革要望書には書かれていたそうである。調べたら、これも実現しているという。年次改革要望書の要求事項が日本の内政に具現化された項目は十や二十などというものではなく、そうとうの数に上っている。
ここまで内政干渉のレベルが上昇したら、すでに占領政策と同等であろう。これに気が付かず、怒りもしない日本人は愚鈍な家畜である。フジテレビは元外務省外交官であった天木直人さんのインタビューもあり、彼は年次改革要望書は小泉総理の時に多く実現していることと、郵政民営化の目的は簡易保険が所蔵する百十数兆円の資金が狙われたと言っていた。外務省北米第一課(?)の某人物はあの要望書は日米双方の利害が一致することを前提にしているから、問題ないのだというようなことを言っていた。外務省は売国奴が多い。浜田和幸氏は年次改革要望書は日本の雇用形態も大きく変えたといっている。つまり、誰でも知っているように、日本の労働形態は正規雇用者が激減し、非正規雇用者が圧倒的に増大した現実がある。
この背景にはアメリカが日本をよく研究して、どうしたら国力を殺ぐことができるか、その方法を研究した結果、日本特有の終身雇用と年功序列を破壊するのが最も効果的だという結論を得たと言っている。結果は「労働者派遣法」の改悪によってまったくその通りになり、日本は今青息吐息である。日本の終身雇用という、世界に比類ないこの良い制度は1996年の年次改革要望書によって、その解消を求められている。(なぜアメ公さんに、日本固有の美しい就業形態を変えられなければいけないのか?怒!!)
とにかく、テレビが年次改革要望書を正面から取り上げたことは画期的である。遅すぎる感も強いが、国民は小泉政権が米国隷従の最悪の政策を行ったことをしっかりと振り返り、これからは日本人のための国政を望んで欲しいと思う。年間三万人を超える自殺者の中には経済苦で無念の死を遂げた人々も数多く存在する。それを思えば小泉・竹中政権は殺人政権と呼ぶにふさわしい。今、日本では小泉構造改革路線に疑念を呈するムードが高まっているようだ。
こういう大きな政策トレンドの変遷を考えれば、植草一秀さんが、小泉政権発足の当時から、正当な見解であの悪徳政権を糾弾していたことがよくわかる。彼の名誉は回復されるばかりではなく、その存在はこれからの日本再建に絶対に必要である。植草一秀という人物は誰も面と向かって小泉政権を批判できなかった時に、たった一人で立ち向かって行った。有識者でほかに誰がこの行動を示したのか?この人は弱者に向ける優しい眼差しとは別に、悪徳強者に対しては熾烈な戦闘意欲を発揮する。そのエネルギーは自己保身や名利をものともしないのだ。こういう人物は明らかに歴史的な存在であり、いたって稀有である。
植草さんは良心に従い、微塵も妥協せずに、孤軍奮闘で小泉政権を糾弾した。彼の信用失墜を目論んだ悪徳政権は二度も彼を嵌めた。今こそ、彼を歴史的な救国者として評価しなおすことをお勧めする。副島隆彦氏が言ったように植草さんは日本の宝物である。
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