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伊藤ハムの工場の地下水のシアンで製品回収(図らずも、都の豊洲シアンさば読みが確定)
http://www.asyura2.com/08/senkyo55/msg/326.html
投稿者 ヤマボウシ 日時 2008 年 10 月 26 日 03:08:58: WlgZY.vL1Urv.
 

Like a rolling bean (new) 出来事録
http://ameblo.jp/garbanzo04/day-20081025html>

2008-10-25
伊藤ハムの工場の地下水のシアンで製品回収(図らずも、東京都の豊洲シアンさば読みが確定)

※引き続き、「もやい」への寄付とカンパをお願いいたします!!
まず年内が目処とのことです。
いくらからでもOKだそうです。
http://www.moyai.net/modules/weblog/details.php?blog_id=384
(もやいの危機について解説したエントリー: http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10147525072.html
カンパは集まりつつありますが、誰しもが思うように世襲議員の貴族クラブのような与党政治家から正しい手当てへの判断がなされないことをもやいのような団体が埋めています。サポーター会員も募集中とのことです。


伊藤ハムが工場の地下水からシアン(青酸)化合物(が検出されたため、なんと267万袋もの製品回収をすることになりました。環境基準では一定の濃度は明示されず、限りなく厳しく「検出されてはならない」です。

10日間、何らかの事情で実質隠蔽状態にあったことの背景は解明されなくてはなりませんが、回収は猛毒のシアンという物質の重大さからして当然のことでしょう。

そして、ここで後段の引用にあるように、地下水のシアンの運用としてはやっぱり、

  1リットルあたり0.01mgという値をもって検出有無を決める

のが、食の安全のために現在用いられる運用であることが追認されました。

・・・ということは、図らずもですが、首都東京発の大事件、

築地市場の地上げと「日本最大級の汚染地域」豊洲6丁目への強制移転(規制カイカク=誰かさんへの配慮による生鮮品市場民営化への状況証拠がふんだん)

、において、事業の是が非でもの執行をもくろむ東京都やお抱えの専門家会議・お抱えの業者の言いぬけてきた「シアンは0.1mgしか測定できませんからそれで測ります」、という居直り自体が、やっぱりシアン汚染の矮小化のための10倍さば読みを狙った大嘘であったことがあらためて証明・確定されたと考えます。

しかも、築地市場を豊洲に移すということは、今回のような食の安全問題が365日24時間永続的にいつ起こってもおかしくない、ということを意味します。地下水を加工に使わないと言っていますが、高濃度シアンの上で扱われた生鮮品が安心だなあと思うかどうかです。

関連エントリー:

2008-08-16
【また偽装】 東京都の豊洲シアン汚染の影響度は少なくとも10倍低く「さば読み」されていました
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10127931290.html

・・・うっかり先走りました。そちらの問題の詳細は後半に記載しますので是非お読み下さい。

まずは本題の伊藤ハムの製品回収のニュースからです。こちらもやはり非常に重要です。

日経

伊藤ハム工場用水にシアン化物 基準超す 267万袋回収へ

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081025AT1G2501S25102008.html

 伊藤ハムは25日、千葉県柏市で水道法の基準を超えるシアン化物などを検出した井戸水を使ってソーセージとピザ計13品目、約267万パックを製造したと発表した。全商品を回収する。同日記者会見した山田信一専務は「お客様に深くおわび申し上げる。再発防止と品質管理に努めたい」と謝罪した。健康には影響ないレベルという。

 同社は最初に異常に気付いた9月24日から約1カ月間、危険性を認識して井戸水の使用を中止した今月15日から約10日間、事実を公表しなかった。山田専務は「連絡体制の不備で報告が上がるのが遅れた。判断も甘かった」と陳謝した。工場から本社に報告があったのは22日という。

 製造したのは柏市の同社「東京工場」。9月18日に採取した井戸水が基準を超えていることが同24日に判明。再検査でも3つある井戸の2つからも1リットルあたり0.02―0.03ミリグラムのシアン化物イオンと塩化シアンを相次いで検出したことから、10月15日から基準を超えた井戸の使用を中止した。 (20:55)

ここでも「専門家」が登場します。

以下の毎日新聞の記事のように「地下水を直接飲むわけでないから問題ない」というコメントは、これまた現実離れした回答(と考えます)で、唖然とします。

測定可能な数値の10倍の偽装はないものの、豊洲新市場予定地の地下水の高濃度のシアンの問題とまるで同じ解説がなされていていますね。

ちなみに、豊洲新市場予定地の地下水シアンは1リットルあたり13mgです(0.01mgの1300倍!)。

まあしかし、こんな超最悪の値に比べ、今回の食品工場の地下水汚染が軽微である、などとは到底言えません。

毎日

伊藤ハム:主婦らから不安の声 専門家「健康に影響なし」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081026k0000m040081000c.html

 大手食品メーカー「伊藤ハム」で、商品の製造過程で使う地下水からシアン化合物が検出された。

(略)

 ◇健康への影響はほとんどない…専門家
 専門家は今回の濃度について「基準値の2〜3倍であれば、しびれや吐き気などで具合が悪くなることはない。しかも、飲料水としてそのまま飲むわけではなく、食品の製造過程で使われたのであれば、体内に取り込まれる量は微量だろう。健康への影響はほとんどないのではないか」と指摘する。しかし、長期間にわたって食べていた場合、子どもなどへの慢性的な影響は無視できないため、食品製造に地下水を用いる際は安全性を厳密に調査する必要があるという。

 シアン化合物の代表例は青酸カリや青酸ソーダ。血液の酸素運搬機能を阻害する猛毒の物質だ。今回、検出された化合物も同様の作用を持つ。中毒症状としては脱力感、めまい、頭痛、嘔吐(おうと)などがあり、高濃度で摂取すると意識不明になり、窒息性のけいれんを経て死亡するという。【江口一】

こうした時、単体の物質で健康被害が出ないであろうことを持ち出して、消費者がやかましいこだわることのないように、と「専門家」のおふれが発令されますが、ここで、工業製品化された食料を購入するしかないわたし達が懸念するのは、単体での今回の問題がどこまでの広がりを持っているのかということです。

つまり、

 基準を超えていても本当に大丈夫なのか?

ということと、それ以上に、

 他の汚染物質もこの工場にあるのではないか?

 他企業の他の工場はどうなのか?

 一般市民の口に入る食品にいったいどんな運用がなされているのか?

という問題の根幹に携わるものが漠然とした不安を形作っています。

なにも消費者は、「試験管内や純粋な実験室レベルで毒性物質としてシアン化合物のみがある状態で何が起こるのか」、といった仮想環境での可能性を問うているのではありませんから、「不安を持つことイコール過敏な反応をしている」などとして切り捨てられる筋合いはありません。

この問題は、氷山の一角を示したものではないのか?という問題意識(あるいは無意識下の懸念)を持つ消費者に対して、

 「今回はしびれや吐き気などで具合が悪くなりませんよ」

 「シアンを飲まないのだから大丈夫ですよ」

と答えてもそれは疑問や不安に対して全く回答していることになりません。

〜〜〜

この事件で瞠目すべき点はいくつかあります。

産経

工場地下水から基準超えるシアン化合物 伊藤ハムが商品回収

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081025/crm0810252146025-n1.htm

2008.10.25 21:40
東京工場の地下水からシアンが検出され、深々と頭をさげて陳謝する伊藤ハムの山田信一・専務取締役・生産事業本部長(左から2人目)ら同社幹部=25日午後、伊藤ハム東京 伊藤ハム(兵庫県西宮市)は25日、東京工場(千葉県柏市)で使用している地下水から、基準値を超えるシアン化物イオンと塩化シアンが検出されたと発表した。検出されたのは1リットル当たり0・02〜0・03ミリグラム(基準値は0・01ミリグラム)で、同工場で製造された「あらびきグルメウインナー」や「ラ・ピッツァマルゲリータ」など13商品の自主回収を始めた。回収対象の製品は沖縄県を除く46都道府県に出荷されており、194万パックに上る。

 同社の山田信一専務は25日夜、都内で記者会見し、「多大なる迷惑をかけて誠に申し訳ありません」と謝罪した。

 また、同社は「食べても人体に影響はないと考えている」としており、これまでに健康被害の報告はないという。

 自主回収の対象となるのは、異常のあった水源からくみ上げた水を原材料などとして使い、約1カ月以内に製造された商品。自主回収する13種類のうち、ウインナー2種類について、塩化シアンなどが残っていないか検査しており、30日に結果が出る見通しという。

 同社によると、東京工場は同社の基幹工場の一つ。シアン化物イオンなどが検出されたのは、工場敷地内に3つある地下水源のうちの1つ。9月半ばに行った定期的な自主検査時に数値の異常があった。1週間後の再検査でも基準値を超えるシアン化物イオンなどが検出された。

 地下水は、ウインナーやピザの製造や機械の洗浄に使用している。

 柏市役所は25日、東京工場の24日の立ち入り調査では地下水の数値は基準を下回っていたと発表した。

井戸水を直接原料にしているとありますが、どういったことでしょう?

たとえば、洗浄に洗っているということでしょうか。あるいは「地下水と水道水が混在する工程がある」ということでしょうか。

ともあれ、体質的に感受性の強い人や胎児を含めて設定しきれないため、健康被害を防ぐための下限値は設けられていない物質のひとつがシアンです。

無いことは厳格には証明できないので、「検出されてはならない」、つまり、既存の分析法の限界値を少しでも超えてはならないという運用が取られます。

産経の記事にある基準値は0・01ミリグラムはやむなく暫定的に使われている検出限界であって、本来分析法が向上すればもっと厳しい値が適用されるべきというのが下限値を設けていない考え方の前提にあります。

それと、食品にシアンが不着・残留していなければ、それは結果オーライということに過ぎず、食品を扱う工場の地下水にシアンがあったということの重篤さ、安心と安全の毀損は払拭されることがありません。

〜〜〜

さて、ここで挙げられている「基準値は0・01ミリグラム」に目を転じてみます。

上の過去エントリーの再掲プラスアルファです。過去にいくつかこの件を書いています。

2008-08-16
【また偽装】 東京都の豊洲シアン汚染の影響度は少なくとも10倍低く「さば読み」されていました
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10127931290.html

2008-08-20
『東京都が密室で技術会議初回開催・説明会では水道水の近くにシアンがあっても問題ないと?』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10129375760.html

2008-08-22
『シアンの倍率が都の請負業者でさば読み方向に書き換えられました!(誰におわびしているのでしょう?)』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10130150135.html

長期間にわたって食べていた場合、子どもなどへの慢性的な影響は無視できないため、食品製造に地下水を用いる際は安全性を厳密に調査する必要がある

逆に、地下水を使う(きれいそうな湧き水での清酒作りなど)でなければ、地下水汚染には無頓着でいいのでしょうか?

汚染された地下水があるということは、その直近に水道管が直近に通っていることになりますので、2番目のエントリーに書いたように「水道法」が関わる問題があります。以下に一部再掲します。

(略)

また、水道法によれば、貯水設備の近くにシアンなどの汚染があってはいけないのですから、この程度のことも調べていないのかと驚きます。貯水設備がNGだけれど、水道管ならいいということを科学的に証明してもらいたいものです。

http://www.jia-page.or.jp/jia/water/suidoho.htmlより抜粋します:

水道法に定める試験

厚生省令『給水装置の構造及び材質の基準に関する省令』において定められている試験内容は以下の通りです。この省令では個々の給水管及び給水用具が満たすべき性能と、その定量的な判断基準が制定されています。
水道法施行令の全容も掲載しております。

(略)

(浸出等に関する基準)
第2条 飲用に供する水を供給する給水装置は、厚生大臣が定める浸出に関する試験(以下「浸出性能試験」という。) により供試品(浸出性能試験に供される器具、その部品、又はその材料(金属以外のものに限る。)をいう。)について 浸出させたとき、その浸出液は、別表第一の上欄に掲げる事項につき、水栓その他給水装置の末端に設置されている給水 用具にあっては同表の中欄に掲げる基準に適合し、それ以外の給水装置にあっては同表の下欄に掲げる基準に適合しな ければならない。

2 給水装置は、末端部が行き止まりとなっていること等により水が停滞する構造であってはならない。ただし、 当該末端部に排水機構が設置されているものにあっては、この限りでない。

3 給水装置は、シアン、六価クロムその他水を汚染するおそれのある物を貯留し、又は取り扱う施設に近接して 設置されていてはならない

4 鉱油類、有機溶剤その他の油類が浸透するおそれのある場所に設置されている給水装置は、当該油類が浸透する おそれのない材質のもの又はさや管等により適切な防護のための措置が講じられているものでなければならない。

(略)

合理性に基づいてこの規定は設けられていると考えられ、この点を引き合いに出すのはやっぱり過剰な対応ではないでしょう。

水道給水装置は、「水を汚染するおそれのある物を貯留し、又は取り扱う施設」、つまりは積極的に汚染になる物質を使う施設以外に、予め高濃度汚染された地下水を組み上げ処理する施設(豊洲計画にあるようにポンプくみ上げなど)とも近接してはならないことになります。

日本人と日本居住者の食の安全と安心確保を枉げてまでして、この基準を無視してはならないですし、それを行うからには何らかの意図があると疑わないわけにはいきません。

 

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