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今日の東京は、厚いどんよりとした雨雲に覆われていて、時折り激しい雨に見舞われる。そして、東京証券市場は、ついに811円90銭安で7649円8銭とバブル崩壊後の最安値(7607円88銭)に迫っている。円高も95円と急伸し経済危機は、国民生活を直接圧迫する不況へと突入し始めている。アメリカ議会で証言台に立ったグリースパン前議長は、「私は間違いを犯した」と認めて、国際経済の状況については「百年に一度の信用危機の津波がきている。想像以上だ」と説明し、大量の一時解雇や失業率の上昇が避けられないとの見方を示したという。麻生内閣は緊急経済対策を打ち出そうとしているが、「定額減税」「住宅ローン減税の延長と拡充」「高速道路値下げ」「証券優遇税制」「中小企業融資」などが並んでいるが、政策メニューが旧態依然という
気がしてならない。
先週、日本テレビCS番組で「金融危機」をテーマとした1時間の討論番組に参加した。すでに番組の全体がインターネットにアップされているので、ここにリンクしておく。また昨日は、朝日ニュースター『国会番外地』で同じテーマで2時間の討論番組の収録をした。(こちらの放送は明日以降となる)
『闘論 日本経済を救えるか』
今月のテーマは「金融危機」です。アメリカのサブプライムローン(=低所得者向け住宅ローン)に端を発した世界的な金融危機の影響で、日本の株価は記録的な乱高下が続いています。実体経済への影響はどう出るのか?補正予算も含めた経済対策は、効果をもたらすことができるのか?政界の論客たちが徹底闘論します。 (10月16日(木)21:00〜22:00 O.A.)
[引用終了]
今、ふりかえってみると1週間前より、経済危機ははるかに深刻になってきている。その原因は、「アメリカが生んだ金融システム」の破綻にあり、住宅価格の無限上昇を前提にして「不動産債権の証券化」を中心に組成された金融商品が互いを支えあう仕組みブッ壊れて「底が抜けた」状態になっていることにある。とすると、いくら国内的な「緊急対策」を打っても、やらないよりはやった方がいいに決まっているのだが、根本原因の除去や治療にはほど遠いということになる。
麻生内閣の視野にないのは、雇用対策である。国際的には北米市場の消費減退に直撃され、またその影響が世界中に拡がっている輸出産業は、「円高・株安」に直撃されて窮地に立たされている。その一方で、雇用保険制度は有効に機能していない。政府は雇用保険の最低受給資格要件を、昨年の10月に「6か月間→1 年」とハードルをあげた。失業給付を受給出来る資格のハードルをいきなり倍にしたのである。→詳しくは ただちに元に戻すべきである。さらに、社会保障費2200億円の削減ノルマを実施し続ける麻生内閣は、来年度の予算編成で雇用保険に対して国の出資金をゼロにしようという論議までされている。次のような記事を見つけると絶句してしまう。
[引用開始]
雇用保険の国庫負担廃止へ
「サンケイ新聞」08年5月9日
額賀福志郎財務相は9日の会見で、雇用保険の財源の一部としている1600億円の国庫負担の廃止を検討する考えを示した。財源の大半は保険料による収入で、国庫負担なしでも安定的に給付できると判断しているため。財務省は支出減により、社会保障費の伸びを毎年2200億円抑える政府方針を、平成21年度予算でも継続したい意向だ。
雇用保険財源となる労働保険特別会計雇用勘定の積立金残高は、20年度予算で4兆9000億円。年間の支出1兆7000億円を大きく上回っている。額賀財務相は21年度からの国庫負担廃止には「今の時点でどうするか決まっていない」としつつも、「今後議論されることは間違いない」と検討の意向を表明した。
[引用終了]
おいおい本気かよと言いたい。ハードルの高さを倍にして、必要な給付を行わずに、失業給付の払い出しの増加が予想されている時に財務官僚たちは、この雇用保険に対する国庫負担金を「埋蔵金」扱いして、ざっくり切り捨てようとしている。
5月の話で、さすがに世界金融危機の今は雇用状況の様子を見ているのではないかと思ったが「小泉病」に長く罹患してきたこの国の官僚たちは意に介さない様子である。
[引用開始]
無駄ゼロ会議、雇用保険の国庫負担「廃止を」 中間報告
政府の行政支出総点検会議(座長・茂木友三郎キッコーマン会長)は16日、雇用保険制度の国庫負担廃止や雇用保険料の引き下げなどを柱とした中間報告をまとめた。11月末にも各省庁ごとに特別会計予算や公益法人などの無駄について指摘事項をまとめ、年末に編成する2009年度予算案に反映し、公益法人向け支出の3割削減などにつなげる。
一部で「埋蔵金」と呼ばれ、景気対策などの財源として注目される特別会計の積立金について重点的に点検。特に労働保険特別会計のうち、年間約1600億円(08年度)の国費を投じている「失業等給付」の積立金は過去最高水準の約5兆4000億円に達するとし「厳しい財政事情を踏まえると国費投入は行うべきではない」と明記した。
10月17日『日本経済新聞』
[引用終了]
このニュースがスゴイのは、大量失業時代が予測されるにも関わらず、雇用保険のセーフティネットの網をより細かくして万全を期すというのではなくて、将来は労働者に給付されるべき失業保険の積立金を「霞が関の埋蔵金」扱いし、びっくりしてしまうのは「景気対策」の財源などと寝言を吐いていることだ。よほど世の中のイロハを分かっていない証拠だが、雇用保険(失業保険)は世界の労働組合運動が勝ち取ってきた「生きる権利」であり、この充実もまた「緊急経済対策」に他ならない。だいたい、5兆円以上も積立金があるのに「日雇い派遣」に日雇い労働者保険を適用したり、雇用保険の制度の外にいるネットカフェ難民やワーキングプアの人たちに新たなサポートをする政策立案を怠ってきているのだ。厚生労働省に聞くと、与党内で議論中で「削減」が決定したわけではないようだが、今後徹底して追及していきたい。
やっぱり麻生内閣じゃどうにもならないと思いつつも。
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