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http://mainichi.jp/select/opinion/kaneko/news/20081023dde012070004000c.html
早い話が:ドイツでは麻生人気=金子秀敏
米紙ニューヨーク・タイムズの社説が麻生太郎首相を「好戦的な民族主義者」と評した。米紙は麻生首相に良い印象をもっていないらしい。
一方、ドイツのメディアは日本の首相としては異例の大きさで麻生氏の人物紹介をした−−ドイツ在住の作家クライン孝子氏が衛星テレビ局BS11の番組「インサイドアウト」で、そう強調していた。麻生首相がカトリックの信者だからである。
いまのローマ法王ベネディクト16世がドイツ人。だから日本初のカトリック首相に興味を持つのだという。
ドイツ人は、キリスト教の宗派を人間理解の重要なカギと見る。それに比べて日本のメディアは首相の信仰に関心が低い。福田康夫前首相の宗派がなにかも記憶にない。政教分離の憲法の下では、政治家と宗教との関係にメディアが立ち入るべきでないという意識があるからだろうか。
政治学者も似たところがある。日本の政治家の思想や行動を信仰と結びつけて考えようとしない。
首相の母方の祖父、吉田茂元首相の国葬は東京の日本武道館で行われたけれど、個人としての葬儀は東京カテドラル聖マリア大聖堂で行われた。カトリック教会である。
手元の伝記を何冊か見たが、「尊皇」「天皇主義」などの記述はあっても吉田茂という人物がいつ、なぜ、カトリックに入信したのか、はっきり書いたものが見あたらなかった。
大嶽秀夫氏の「アデナウアーと吉田茂」(中公叢書)は、カトリックである西独のアデナウアー元首相の政策を「彼自身のキリスト教信仰を反映している」と宗教から理解する。それなのに吉田茂については「回想録を見るかぎり、アデナウアーのような格調高い政治的自由の信条表明は皆無である」と精神性を無視している。
吉田茂が入信したのは晩年だとも、死の直前だとも言われている。洗礼は死の直後に行われたらしい。少なくとも首相在任中にはカトリック信者ではなかった。だが、そのとき雪子夫人、娘の麻生和子さん(首相の母)、孫の太郎君(首相ご本人)はすでに敬虔(けいけん)な信者だった。その影響を強く受けて晩年の入信があったとすれば「尊皇家」だけでは割り切れない。
ドイツ人は宗教で政治家を理解した気になる。日本人は政治家と信仰を結びつけた理解を好まない。国民性の違いだろうか。(専門編集委員)
毎日新聞 2008年10月23日 東京夕刊
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