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現代版「召集令状」=裁判員制度 09年5月実施を阻止し制度廃止に向けた大衆的運動へ(かけはし)
http://www.asyura2.com/08/senkyo55/msg/1148.html
投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 11 月 22 日 13:08:52: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.jrcl.net/web/frame0801124e.html

疑問・批判を
無視して強行

 政府は、「国家への奉仕」を強制し、憲法違反(第十三条「自由権、幸福追求権」、第十九条「思想及び良心の自由」、第十八条「苦役からの自由」、第三十二条と第三十七条「公平な裁判所での裁判を受ける権利」、第七十六条「裁判官の独立」)に満ちた裁判員制度の強行(09年5月21日)に向けて、十一月十六日の新聞朝刊の広告チラシと一緒に「裁判員制度のお知らせ あしたのニッポン 政府広報」「裁判員になる可能性のある方に、今月末から通知が届きます!」をばら撒いた。
 すでに最高裁は、テレビ、ラジオで裁判員名簿記載通知が届くなどと二十秒間のCMを流している。十一月十日から十二月七日の間、なんと約四億三千四万円もかけての大宣伝作戦の展開中だ。通知書は、約三十万人ともいわれる市民に送付されることになっている。これまで闘う弁護士など各界、市民から最高裁判所・法務省・日本弁護士連合会推進派のキャンペーンに対して制度の危険性の未提示・隠蔽、拙速な論議で決めてしまったことなどを厳しく批判されてきたにもかかわらず、全く無視だ。ちなみに広報には、「Q仕事を理由に、裁判員を辞退できますか A重大な支障が生じるおそれがあると認められる場合には、辞退できます。云々」と明記している。しかし、「重大な支障」とは一体どのような基準で判断するというのだ。さらに「重大な支障が生じるおそれがある」と認められなかった場合のことをなぜ明らかにしないのだ。呼び出されて裁判所に出頭しないと、十万円以下の過料を科せるという重大な人権侵害、就任強要の実態を隠したいからではないのか。
 このような推進派による強引な裁判員制度の押し進めに抗して「裁判員制度はいらない!大運動」(http://no-saiban-in.org/)は、政府の「裁判員制度のお知らせ」キャンペーンの抗議と裁判員制度実施阻止・廃止を掲げて十一月二十二日、全国約二十か所で集会やデモなどの街頭宣伝活動を行う。
 東京では、十一月二十二日(土)午後一時三十分、社会文化会館講堂(地下鉄永田町駅下車)で集会・銀座デモ。
 「裁判員制度はいらない!大運動」は、足立昌勝(関東学院大学教授・刑事法)、嵐山光三郎(作家)、今井亮一(交通ジャーナリスト)、蛭子能収(漫画家) 、織田信夫(弁護士)、崔 洋一(映画監督)、斎藤貴男(ジャーナリスト)、新藤宗幸(千葉大学教授・行政学)、高山俊吉(弁護士) 、西野瑠美子(ルポライター)、山口 孝(明治大学教授・経営学)の呼びかけ人で粘り強く反対運動を広げてきた。政府らの裁判員実施強行にむけた宣伝を上回る包囲陣形を作り出し、裁判員制度実施阻止・廃止を実現しよう。

闘う弁護士先頭
に反対の広がり

 反対運動は、全国の闘う弁護士を先頭に創意工夫に富んだ取り組みが行われている。その中でも新潟県弁護士会は、二月二十九日、全国の弁護士会で初めて制度実施の延期を求める決議を可決している。決議文は「世論調査でも八割が『裁判員になりたくない』と答えており、民主的討議を経ないまま制度が導入された」ことを厳しく批判している。さらに制度が判決の誤りや冤(えん)罪を生み出す危険性、重罰化の流れへの加担であることを指摘し、「国民に重大な義務と負担を課す制度であって、民主的な討議を経た上で国民の納得を得るべきだ」と結論づけている。
 栃木弁護士会(5月24日)も「裁判員制度の抜本的見直しと実施の延期を求める決議」を採択している。決議は、裁判員制度が憲法違反であることを厳しく批判し、とりわけ公判前整理手続きを取り上げ「手続は、その手続終了後は、もはや新規の証拠の提出を認めないことを原則とする刑事訴訟法三一六条の三二の規定の存在を含め、防御権、弁護権を侵害する危険が内包されており、徹底した審理とその上に立った公正な判断が実現される裁判とはならないものである」と強調している。そして、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とするわれわれは、この制度の抜本的見直し及びそれらが行われるまでの実施の延期を求めるものである」と結論づけた。
 また、大分県弁護士会は、制度の構造的欠陥を指摘し、「裁判員裁判実施までに解決すべき課題」として「当会は、政府、国会、裁判所、検察庁、日本司法支援センターに対し、裁判員裁判において充実した審理を行うため、裁判員裁判実施までに取調全過程の録音・録画、全証拠開示、保釈の原則化、夜間・休日接見を実現し、審理日程及び審理期間について再検証するとともに適切な国選弁護報酬の実現を求める」ことを決議している。
 裁判員制度の問題点が闘う弁護士、各弁護士会で公然化し、反対運動の広がりによって、八月七日、共産党と社民党が、裁判員制度の実施延期を決めた。また、民主党小沢代表は、裁判員制度のあり方そのものを見直すことを表明している。
 この流れに危機感を持った日弁連執行部は、「裁判員制度が予定通り強く実施されるよう強く求める」との緊急声明を発表した(8月20日)。最高検の樋渡検事総長も、「実施して、やりながら改善していくのがいい」などと無責任な発言をするほどだ。あげくのはてに制度推進派の衆院法務委有志が「国民は必ずしも制度を歓迎していないが、確実に実施すためには負担を極力減らす配慮が必要だ。日当も三万円に」などと法相に提言書を渡すドタバタを演じている。
 これだけではない。政府は十月三十一日、最高裁長官に竹崎博允東京高裁長官を決定した。これまで最高裁長官は現職の最高裁判事の中から選んでいたが、この慣例を破り、現役の十四人の最高裁判事を飛び越えて強行したのである。竹崎は、最高裁事務総長をはじめとした司法官僚機構のトップを担い、裁判員制度導入を先頭きって引っ張ってきた人物だ。裁判員制度に対する批判が大きくなっているなか、動揺せず、制度貫徹の「決意」の現れとして竹崎最高裁長官を起用したのである。
 現在、各裁判所でマスコミを動員しながら裁判員模擬裁判をくり広げている。様々な問題点、不安が浮き彫りになっている。二〇〇九年五月二十一日が近づくにつれて、諸矛盾、構造的欠陥が満天下に明らかになっていくだろう。推進派の目的を粉砕していこう。グローバル派兵大国建設の一環である新自由主義的統治強化にむけた裁判員制度の実施を許してはならない。現代版「赤紙」「召集令状」のばら撒きキャンペーンを糾弾していこう。
(遠山裕樹)

 

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