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http://netallica.yahoo.co.jp/news/55941
さいたま市で起きた元厚生次官夫婦の刺殺事件は、その半日後に、東京・中野区で別の元厚生次官の妻が刺されたことで様相が一変した。過去に例のない「厚生行政への怨恨襲撃、連続テロ」と考えるしかないが、元次官2人はなぜ狙われたのか。
さいたま市の自宅で妻と一緒に殺された元次官の山口剛彦氏(66)と、中野区で妻を刺された元次官の吉原健二氏(76)の共通項は多い。
「2人とも東大法卒で厚生省に入り、トップの次官まで駆け上ったエリート官僚だが、注目すべき接点は昭和60年の中曽根内閣時代です。吉原さんが年金局長のとき、その部下の年金課長が山口さんでした。昭和60年は基礎年金制度を導入した年。この制度によって、国民年金、厚生年金などの年金番号を“一人一番号”にすることになり、複数あった年金手帳番号を順次、基礎年金番号に統合したのですが、未統合のままの年金記録が5000万件以上あることが分かり、昨年2月に国会で大騒動になったのです」(厚労省関係者)
昨年の参院選で国民の怒りを爆発させ、自民党を大敗北に追い込んだ「消えた年金」問題、「宙に浮いた5000万件」問題と、この2人は深いつながりがある。犯人は勝手に「元凶の年金エキスパート」と思い込んだのかもしれない。しかも、吉原氏はその後、社保庁長官も歴任している。
さらに昭和60年当時は、年金番号のオンライン化を進めていた時期。年金番号のコンピューターへの登録が終わった手書き台帳は各自治体に残されていたが、吉原氏が年金局長のときに「破棄」が命じられた。これによって、その後の記録漏れの確認作業が困難になり、「支払ったのに年金がもらえない」という実被害が出ている。
●厚生省OBを狙い、自宅住所をつき止めた執念のウラにあるもの
こうしたことから、「年金テロ」の見方が強まるのも当然だが、この2人には、もうひとつ、重大なキーワードがあった。「後期高齢者医療制度」だ。
「吉原氏は、“後期高齢者制度”の前身である老人保健医療制度の創設を提唱した人であり、その骨格をつくったのが後輩の山口氏」(事情通)という関係だ。
前出の厚労省関係者がこう続ける。
「犯人はなぜ、10年以上も前に次官を辞めた吉原氏と山口氏を狙ったのか。2人の経歴や年金行政とのからみは、これまで報道されたことはほとんどない。今回の事件で初めて、2人は厚生省時代に三重県庁に出向した経験もあって、上司、部下の関係以上に付き合いが濃かったといわれているが、そんなことは部外者は知らないはず。せいぜい数年前、相次ぐ厚労省の不祥事にからんで、次官経験者の退職金リストが国会に提出され、そこに2人の名前があった程度です。それなのに、住所までどうやって割り出したのか。厚労省や社保庁内部に詳しい者でないと分からないはずです」
専門の本でも読んで、ターゲットを絞り込んだのか。それとも次官経験者の身辺を片っ端から洗い、たどり着いた2人の自宅を襲撃したのか。実行犯は単独としても、そのウラにグループや組織が存在していてもおかしくない。だとしたら、連続テロ事件の闇は深い。
(日刊ゲンダイ2008年11月19日掲載)
2008/11/22 10:00 更新
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