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http://netallica.yahoo.co.jp/news/55665
麻生首相が金融サミットでも大盤振る舞いだ。国際通貨基金(IMF)に対し、外国為替資金特別会計から最大1000億ドル(約10兆円)を融資すると提案。サミットの議論をリードしたつもりになっている。ハテ? 外為特会は、いつから麻生首相のサイフになったのか。
「各国首脳からも評価された」
「歴史的だったと後世言われる」
麻生首相はこう舞い上がっていたが、IMFに融資される外為特会の10兆円は国民のカネである。独裁者でもあるまいし、国会への報告も承認もなく、右から左に動かすことが許されるのか。
慶大教授の金子勝氏(財政学)が言う。
「外為特会からの貸し出しには税金が使われるわけではありません。そのため、国会での予算審議も必要ないという理屈でしょう。しかし、麻生首相がやったのは外為特会を使った外交戦略です。はたして議論なしで決めていいのか。さすがにIMFへの融資が焦げ付くことはないでしょうが、その先で債務不履行が起きれば、出資金が戻らなくなる恐れがある。それを税金で穴埋めすれば国民負担が発生します。麻生首相の提案は暴挙に近いのです」
●国会審議もなしにIMFへ1000億ドルも国民のカネを浪費
外為特会には10月末現在で9777億ドル(約100兆円)の外貨準備金が積み上がっている。これは為替の安定のために使うカネだ。IMFの“救済”に使うのは筋が違う。
「IMFは金1オンス=35ドルの固定相場制を守るために生まれた“ドルの番人”です。変動相場制に移行してからは死に体になっていたし、ドルの信認が揺らいでいる今は役割も終えています。それなのに、麻生首相は『ドル基軸体制の堅持』を訴え、IMFに融資も実行する。外貨準備は、短期的な為替のアンバランスを解消し、自国通貨の価値を守るために積み上げられた国民のためのカネです。それを風前のともしびになったドル基軸体制を守るために使う感覚が理解できません」(同志社大教授・浜矩子氏=国際経済学)
カネの出し方も、「新たな金融体制のイメージを提示せず、黙って差し出すだけ。まったくリーダーシップを示せなかった」(立教大教授・山口義行氏=金融論)と散々だ。
それでも麻生首相は「日本の提案が宣言に反映された」と喜んでいるのだから、めでたい。
「米国でプレスリーのマネをした小泉元首相と同じです。はしゃいでいるのは本人だけでみっともない。世界は、米国のドルを守るためにカネを差し出す日本のポチぶりを笑っていますよ」(金子勝氏=前出)
解散をもてあそんでいるのもそうだが、麻生首相のやることはすべて犯罪的だ。
(日刊ゲンダイ2008年11月17日掲載)
2008/11/20 10:01 更新
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