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http://www.amakiblog.com/archives/2008/11/17/#001241
2008年11月17日
金融サミットをどう評価すればいいのか
経済の専門家でもない私が、金融サミットの評価についてこのブログで書く。
しかも極めて限られた字数で書いてみる。
なぜか。
それは私自身が、世界がこの未曾有の金融危機をどう乗り越えていこうとしているのか、まったくわからないからだ。
わからないから率直な思いを書く。
そうすることによって、実は誰もわかっていないのではないか、という問題提起を敢えてしてみる。
それが目的である。
世界の指導者も、経済専門家も、メディアも、皆わからないくせに、わかったような振りをしているのではないか。
いや、そうではないかもしれない。
問題の深刻さがわかっているからこそ、どうしていいかわからないのかもしれない。
あるいは、問題の解決策に気づいていても、覇権争いの為に、あるいは保身のために、本当の解決に手をつけようとしていないのではないか。
そうだとすれば問題は深刻である。
さらなる危機が待っていることになる。
そしてその場合、一番苦しめられるのは弱者である。
私はそれを憂う。
私は今日の各紙の報道振りにすべて目を通してみた。
しかし、そこには今度の金融サミットは大失敗だったと一刀両断したものはどこにもない。
たしかに、「具体策なき処方箋」(毎日)、とか、「危機克服 具体策先送り」(日経)とか、「機軸通貨の議論なし」(読売)とか、の否定的な指摘はある。
しかし、決して失敗だったと断定していない。
首脳宣言がまとまった事を評価し、G−20という拡大サミットに未来の方向が出てきたといい、金融危機の回避のためにさらなる協調行動に期待する、といった、一見もっともらしい、その実何も中身がない言葉を並べている。
そんな評価でいいのか。そんな悠長な事を言っていられる場合なのか。
ここで冷静に考えて見よう。
株価暴落で世界中がうろたえていたわずか一月ほど前、語られていたことは、米国金融資本主義が破綻した、あらたな枠組みを作らない限り100年に一度の危機を乗り切ることはできない、というものばかりであった。
それが本当なら、今度の金融サミットは大失敗だったことになる。
それどころか、今度の首脳宣言で合意され中の一つに、IMF,「世界銀行の役割を認め、それらへの資金基盤を強化する」という項目がある。
今回の世界的金融危機が米国の行き過ぎた新自由主義、金融資本至上主義の結果もたらされたものであることは、もはや否定しようがない。
その米国のワシントン・コンセンサス、すなわち「新自由主義」、「規制緩和」、「市場原理」、「民営化」、「自由貿易」、のイデオロギーを世界中に広める戦略の担い手であったのがIMF・世界銀行だった(11月15日東京新聞こちら特報部)のではなかったか。
そこのところの議論が一切されず、改革の議論の端緒さえも見られなかった今回のサミットは大失敗ではなかったのか。
これで金融危機が乗り切れるとすれば一ヶ月前のあの騒動は嘘であったということだ。
果たして、世界金融体制はどう動いていくのだろう。
オバマ新政権の後に開かれる次の金融サミットから、新しい世界経済体制構築の本格的な交渉が始まるのだろうか。
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