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http://netallica.yahoo.co.jp/news/55260
「食品衛生法がなければもっと儲けられるのに……。迷惑な法律だ」
こんなことを口走る食品メーカーのトップがいたら、たちまち解任されるだろう。食べ物を作ったり売ったりする経営者としてはふさわしくないからだ。
田母神俊雄・前航空幕僚長の問題も同じ。言論の自由とか思想の自由なんてエラソーに言っているが、そんな次元の話ではない。要するに、自衛隊最高幹部としての資質も資格も欠いていたということである。
しかし、素っ頓狂な将軍がたまたまいたということでもない。いまや、田母神氏のような改憲派、軍事優先論が制服組の主流になっているというのだ。
「かつては制服組の幹部にも、東大などさまざまな大学出身者がいましたが、いまは佐官以上のほとんどが防衛大学卒業です。彼らは学生のころから純粋培養されて、さまざまな場で改憲や日本の侵略の正当化をすり込まれる。田母神氏が航空自衛隊のトップになれたのも、そういったアブない連中が自衛隊を牛耳り始めたからなんです。彼らは内局(背広組)を無視して人事案などを勝手に決め、自民党国防族や首相官邸に直談判するところまで膨張しています」(防衛省関係者)
●イラク派遣の「ヒゲ隊長」も同類
イラク派遣で「ヒゲの隊長」として有名になった佐藤正久参院議員もアブない制服組のひとりだった。佐藤氏は太平洋戦争を「大東亜戦争」と言ってはばからないし、イラク駐屯中も武力行使のチャンスを虎視眈々(たんたん)とうかがっていたことを明らかにしている。
「トップクラスにも国粋色の強い民間の集まりに出席して講演したりして問題視されている将官がいるし、自民党の改憲グループに改憲案を提出したりしている佐官もいます。彼らは“自衛隊が歴史教育を正す”などと本気で考えているんです」(防衛省関係者)
さすがに実際に活動することはないが、右翼系団体の「隠れメンバー」になっている制服組は珍しくもなんともないという。軍人と国粋主義者の接近となれば、「2・26事件」そのままである。
「シビリアンコントロールの危機なんていわれますが、田母神ひとりクビを切れないのですから、シビリアンコントロールなどとっくに形骸(けいがい)化してるんです。小泉内閣のインド洋、イラク派遣で勢いづいた制服組は、安倍改憲内閣で“ついに自分たちの時代が来た”と小躍りした。海自・江田島での特殊部隊による集団暴行殺人では、警察も手を出せなかった。これじゃあ、旧日本軍と同じですよ」(軍事評論家)
この際、制服組の言動を徹底調査する必要がある。
(日刊ゲンダイ2008年11月14日掲載)
2008/11/17 10:00 更新
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