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解散よりも経済対策を優先させるという麻生首相の方針によって、総選挙の時期は少し遅れそうである。それにしても、近づく決戦を前にして、臨時国会における自民党と民主党の対決は、熱を帯びてきた。戦いの重要さは分かるが、与野党幹部にはもっと面白く、品のある喧嘩をしてほしい。 中山前国土交通相は、日教組を解体すると発言したが、敵対する組織を解体するというのは、左右の過激派のアジビラに出てくる文句である。議会政治家の使う言葉ではない。麻生首相は所信表明演説で、民主党に対する逆質問に時間を費やした。一国の首相としてはあまりにも大人げない。横綱がいきなりけたぐりを掛けるようなものである。細田幹事長の「小沢政治はたくさんだ」という絶叫は、セクトのアジ演説を聞くようだった。 政治における言葉の戦いでは、自分のアピールと相手への非難のバランスが重要である。政敵の攻撃に全精力を傾注するのは、自分が小物であることを示すようなものである。まして、政府与党は権力を握っているのである。自分の政策を積極的に訴える方が先ではないか。麻生自民党は、誇るべき実績や、示すべき先見性がないから、野党攻撃に血道を上げているのだろうか。 こと喧嘩の仕方に関する限り、日本の政治は成長途上である。(東京新聞10月6日) |
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