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ゴールドマンサックスの築地卸業者の持ち株は予想以上(関連:2000年の農水省規制緩和)
http://www.asyura2.com/08/senkyo54/msg/638.html
投稿者 ヤマボウシ 日時 2008 年 10 月 13 日 15:05:05: WlgZY.vL1Urv.
 

Like a rolling bean (new) 出来事録
http://ameblo.jp/garbanzo04/day-20081013.html>

2008-10-13
ゴールドマンサックスの築地卸業者の持ち株は予想以上(関連:2000年の農水省研究会での規制緩和)

※引き続き、「もやい」への寄付とカンパをお願いいたします!!
まず年内が目処とのことです。
いくらからでもOKだそうです。
http://www.moyai.net/modules/weblog/details.php?blog_id=384
(もやいの危機について解説したエントリー: http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10147525072.html

築地市場での「卸」(大卸、荷受けとも呼ばれます)の株をゴールドマン・サックスが保有している、という仲卸(仲買)の方からの指摘を、8月25日のエントリーで記しました。

2008-08-25
『中央卸売市場の「規制改革と効率化」への懸念(卸企業の株がすでに2割米国系金融機関に)』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10131124351.html

「大都、千代田、マルナカ、東市、東水、第一、綜合」と称される卸(大卸、荷受け)業者は、東京都により公認されている下記の7社です。
http://www.ofsi.or.jp/handbook/img_8/8-3-B-H88.pdf(PDF)

大都魚類株式会社
中央魚類株式会社
東都水産株式会社
築地魚市場株式会社
第一水産株式会社
千代田水産株式会社
綜合食品株式会社

この点をさらに掘り下げて調べた方からいただいた情報です。

> 築地の卸売7社のうち上場している大手3社で大株主上位にゴールドマン
> サックスが見つかった件ですが、

>
> 大都魚類は2位の大株主に
> http://g2s.biz/tool/holder/8044.html
> http://www.ullet.com/8044.html
>
> 中央魚類は5位
> http://www.ullet.com/8030.html
>
> 東都水産は決算後の5月に報告書が出て2位に登場
> http://g2s.biz/tool/fiverule/8038.html
> http://www.ullet.com/8038.html
>
> といった具合です。
>

> 株式非公開の中小(特定はできてません)で相続に絡んで、というのも含めると
> 既に卸売7社中4社の大株主になってしまっているわけです。
> タダごとではありません

ということです!

その情報をベースに、少し調べてみました。上記と併せて示します。

〜〜〜

<1> 大都魚類(通称ダイト)

大手、豊洲移転を表明しています。
東証2部上場。マルハ系。売上高1693億円(平成18年度 連結)
http://www.daitogyorui.co.jp/
ゴールドマンサックス(GS)が第2位の大株主になっています。
http://g2s.biz/tool/holder/8044.html
http://www.ullet.com/8044.html
※追記(過去の大きな株の動き):
 2005年から2007年にかけて約50万株が三菱銀行→三菱東京UFJ→GS。
また、株価チャートでは、最近、日経平均以上に大幅に暴落しています。
何があったのだろう、という書き込みも掲示板などにありました。
・中央魚類と共同開発した音声認識システム(豊洲移転を表明しているサイト):
http://jad.fujitsu.com/adver/produce/report/case_06/details/

<2> 丸千千代田(千代田)

豊洲移転を表明(下記によれば切望)しています。
鮮魚の取り扱いは現状なし。非上場ですが、売上高は465億円(2005年3月期)です。
移転推進の談話が下記にあり(移転により鮮魚なども扱えるようにということ)。
http://www.marusen.co.jp/recruit/project/02.html
卸7社で豊洲構想のワーキンググループ(WG)が作られている(いた?)そうです。

<3> 中央魚類(通称マルナカ)

大手、豊洲移転を表明しています。
東証2部上場。ニッスイ系。売上1264億円(平成20年3月期)
ゴールドマン・サックスが第5位の大株主になっています。
http://www.ullet.com/8030.html
※追記(過去の大きな株の動き):
 2005〜2006年 約200万株 三菱銀行→三菱東京UFJ。
 2005〜2006年 約140〜160万株 日本証券金融→GS。
・大都魚類と共同開発した音声認識システム(豊洲移転を表明しているサイト):
http://jad.fujitsu.com/adver/produce/report/case_06/details/
・うなぎの産地偽装問題のニュース:
http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008082601000749.html
たしかに、うなぎの件を築地全体の問題と喧伝する朝日新聞の報道が非常におかしな感じで、築地関連企業を狙っての株価操作の意図がどこかからあったのでは、と疑う向きもあります。
 2008-09-22
 『食の安全で真に恐れるべき対象を密やかにすりかえるメディア報道(たとえば今回は朝日)』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10142240037.html

<4> 築地魚市場(通称トーイチ、東市)
http://www.tsukiji-uoichiba.co.jp/
東証2部上場、ニチレイ系。819億円(H19.3月度)
ここもなぜか株価が大都同様に暴落しています。
大株主としては、
http://www.ullet.com/8039.html
Bank of NYやCitiはありますが、GSは上位には見られません。
・昨年の8月にこちらの社長が、TV東京「カンブリア宮殿」に出演しています。
 TV東京 カンブリア宮殿 「世界の築地は、永久に不滅だ!」
 http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/bn/070820.html

<5> 東都水産(通称トースイ)

大手、移転推進を表明しています。
http://www.tohsui.co.jp/
東証1部上場。1630億円(H20.3月度)
こちらも同じく最近株価急落。
また、2008年6月に東証での大きな出来高あり。
決算後の5月に報告書、ゴールドマンサックスが第2位に登場したそうです。
http://g2s.biz/tool/fiverule/8038.html
http://www.ullet.com/8038.html
※追記(過去の大きな株の動き):
 2006年 野村證券と日本証券金融総が総額510万株売り。
 2006年には三菱東京UFが240万株を売りに。
 2006年〜2007年にメリルリンチ、GSなどの外資が一気に参入。
移転を表明しているページ:
http://job.nikkei.co.jp/2009/corp/corp_info.aspx?E_CD=06189

<6> 第一水産(第一)
http://www.daiichisuisan.co.jp/
非上場ですがウェブサイトによれば年商は527億円(平成19年度)

<7> 綜合食品(綜合)

鮮魚の取り扱いなし。非上場です。ウェブサイトはありません。

〜〜〜

東京都によって、豊洲に「連れて行ってもらえる大卸」は、3社だけだとも言われています。

そのため、合併・統合や廃業が噂されてもいます。

そして、偶然かもしれませんが、積極的に豊洲移転を表明ないし推進している会社には、ゴールドマン・サックス(GS)の資本が高い割合で入っています。

ただ、GSは、7社しかない大卸のすでに3社ないし4社に入っていて、かつ東京都のそんな締め付けがあったとしたら、移転賛成を言わざるを得ない状況に追い込まれているので、相関があるとすら言えないのかもしれませんが・・・。

ひとつ確実に分かること、それは固有の文化を持つ食の安全と安心と歴史の要がこのような資本に買われていたことを十分に承知していたはずの都政が、それでもなお移転を強行しようとして、移転により大きくシステムを変えようとしていたことです。

しかし、だからといって、卸も「自分さえよければ資本主義」のセオリー通りに、本来はある面で拮抗しつつ全体として共存するはずの仲卸を切り捨てるような行為に走り、それでいて痛みを覚えない(少なくとも表面上は)という点を見ると、本当に、国政にも都政にも、さらにはこれら大手企業にも、食を守る意気込み(企業理念あるいは企業の社会貢献の基本)があるのかどうかすら、ここでもまったく不安に思えてなりません。

豊洲移転は、もし汚染や液状化問題がなかったとしても、仲卸にとってハードルの高い条件(移転費用や移転条件の厳しさ)を東京都から提示されているという実態があります。

そうである以上、都あるいはもっと別の力の、市場システムの「中抜き効率化の実験場」として、築地がターゲットにされていると考えるべきかもしれません。

〜〜〜

「なぜ廃業や移転が必要なのか。移転によるものならなぜ卸が反対しないのか?」
という疑問に対して、関連しそうな情報もあります。
卸や仲卸の合併・統合が、すでに2000年の農水省の「食品流通の効率化等に関する研究会」の報告書に、市場効率化のための方策として明記されていました。
また、同じ報告書には、卸売市場へのPFI活用促進も(!)挙げられています。

◆「食品流通の効率化等に関する研究会」メモ
http://www.maff.go.jp/www/public/cont/20030925pb_1b.htm
 (やっぱり、ここでは、卸売市場効率化や民間委託の方策や、
 PFI=民活を使わないと補助金を抑えるような記載や、
 仲卸の再編・合併促進を謳っています)

◆「食品流通の効率化等に関する研究会」報告書
http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/sougou_syokuryou/ryutu_koritu/saisyu.pdf

現実の豊洲移転計画は、実際の引き金を引きスポークスマンとして喧伝し反対意見を封殺し恫喝する役割を担っている都知事イシハラの就任(1999年)の前にも、きわめて非常にグレーな形で、1995年ごろから、当時の番所元市場長と自民党深谷議員とのつながりをパイプにして進行していたので(今月の『世界』の記事をご参照ください)、この2000年の規制緩和資料はその路線を追認するもの、あるいはそうしたもくろみを後から正当化するように「発見」されたのか(作られたのか)、いずれかでしょう。

下記談話記事で研究会の内容も示されています(2003/6/11付です)。

農業協同組合新聞

シリーズ 卸売市場を考える(6)
食品流通の効率化等に関する研究会「報告書」をめぐって これからの卸売市場はどうあるべきか
高橋正郎 農水省食品流通の効率化等に関する研究会座長・女子栄養大学大学院客員教授に聞く
インタビュアー:藤島廣二 東京農業大学教授
http://www.jacom.or.jp/oroshiuri/shir111s03061102.html

記事では、カイカク旋風のさなか、規制緩和の議論が(無批判に)展開されていることは想像通りです。
「市場内・外、卸・仲卸の区別がなくなる」という項目もあります。
インタビューアーによるあとがきを引用します。

インタビューを終えて

 インタビューを通して、「国の規制が多すぎる。これが流通の効率化を妨げている。規制の緩和・撤廃こそが重要だ」という高橋研究会座長のお考えを何度もお聞きし、今回の研究会の趣旨は、まさに「規制の緩和・撤廃」にあったのだと理解することができた。
 平成11年の卸売市場法の改正の際、農林水産省は「取引の自由化」を旗印に「セリ原則」を廃止する一方、セリ比率による取扱品目区分(1号物品、2号物品等の区分)という新たな規制を設けたことがある。このことを奇異に感じていた私としては、今回の「規制の緩和・撤廃」の強調に「我が意を得たり」の思いを強くした。
 しかし、「規制=高コスト構造」を公理のごとく前提とした上で、「規制の緩和・撤廃」が必要というお話には納得しがたいとことが多かった。「どのような規制が実際にどのような高コストを生み出しているのか」といった具体的なご意見もお聞きしたかった。 (藤島)

規制緩和に総論賛成であるインタビューアーですらも、規制は高コストを公理(あるいはドグマ)のようにしての規制緩和必要論には「納得しがたいことが多かった」と書いています。

それでも、これらの案に沿って規制緩和が断行され(生鮮市場では手数料の自由化:http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10131124351.html)、そして、体力を落とされた企業にお定まりのパターンで外資が参入してきた、となれば、やっぱり、結果論的に見ればこれも日本のインフラを外資に差し出すための構造改革や規制緩和がここにもあり、さらにその手段(方便)としての効率化そのものが目的化して弱者が追いやられ、また分断された、という構図があることが窺い知れます。

 

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