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2008年10月 9日 (木)
文藝春秋麻生首相解散宣言で11月23日総選挙へ
10月10日発売の『文藝春秋11月号』に麻生首相が寄稿した手記「強い日本を!私の国家再建計画」が掲載される。麻生首相は手記に「私は決断した。国会の冒頭、堂々と私とわが自民党の政策を小沢代表にぶつけ、その賛否をただしたうえで国民に信を問おうと思う」と記述した。祭り騒ぎに仕立てた「政権放り出し首相後継総裁選」で内閣支持率を上昇させ、その勢いに乗って臨時国会の冒頭で解散を行おうとしていたことが明らかになった。
しかし、内閣支持率は期待したほど上がらず、自民党が実施した選挙結果予測調査で自民党惨敗予想が示された。総選挙惨敗を恐れた麻生首相は、解散総選挙先送りの逃げ道に隠れ込んだ。偶然、内外株式市場で株価が急落し、格好の口実を見つけた麻生首相は、「国民世論は選挙よりは景気対策を望んでいる」との言い回しを繰り返し始めた。しかし、手記が発表されたことで、見通しを誤ったことを自分で暴露する結果を招いた。月刊誌で華々しく選挙選の火ぶたを切って落とすとの目論見もタイミングを外してしまった。
政治権力に支配されるメディアは、「選挙より景気対策」のキャンペーンを展開し始めている。同時に麻生首相は株価急落を「大型景気対策決定」の大義名分に活用する戦術を採用した。金融不安深刻化を背景に、財政再建先送りが容認される空気が広がった。民主党が提示したインパクトのある「政権公約」に対抗し、選挙用「バラマキ景気対策」を発表して総選挙に臨む戦術に、明確にシフトしたと考えられる。
公明党は、国会での矢野絢也元公明党委員長および池田大作創価学会名誉会長の参考人招致を回避することを、最優先課題に位置付けていると見られる。衆議院が解散されなければ、参考人招致が実施される可能性が高いため、公明党は解散の先送りに強く反対すると考えられる。
結局、総選挙は11月23日に実施される可能性が高くなったと思われる。民主党は、補正予算とテロ特措法への対応について、戦術を大転換した。補正予算成立を遅らせることは、不況深刻化に対する不安を強める国民の意向に反すると判断し、補正予算の早期成立に協力することとした。
テロ特措法は野党が反対しても、与党が衆議院の多数を活用して成立させると判断し、早期に国会で議決されることを誘導する方針に切り替えた。麻生政権がテロ特措法審議を長引かせ、この問題を総選挙の争点に設定するスタンスを示し始めたことを受けて、戦術を転換したものである。総選挙の争点がすり替えられることを防ぐ意味で、正しい戦術転換であると考える。
麻生首相は自民党総裁に選出された自民党大会でのあいさつで、「私も今ここに立ちます時に、少なくともこれは麻生太郎に与えられた天命だと思っております。私はその選挙(=総選挙)に勝って初めて天命を果たしたということになるんだと存じます」と述べて、総選挙に勝利して初めて、首相の地位に就くことが正当化されるとの趣旨の発言を示した。
『文藝春秋』に「国会の冒頭、国民に信を問おうと思う」と記述したことについて、麻生首相は「いつ解散とは言っていない」と述べるなど、見苦しい言い逃れ発言を繰り返している。しかし、輿石東民主党参議院議員会長が、「首相が『私の天命は小沢民主党との選挙に勝利することだ。逃げない』というのなら、なぜ解散を逃げまくるのか」と指摘した通り、「私は逃げない」と宣言した言葉に対する責任を持たなければならない。また、誤りを認める潔さを持つべきだ。
安倍首相、福田首相の自公政権の首相が二代続けて政権を放り出した。麻生政権を含めて、国民の信を問わないまま政権をたらい回しすることは許されない。補正予算を成立させ、2009年度予算編成に支障を生じさせないタイミングで解散総選挙を実施することが、国民の意向を尊重する行動である。
総選挙を実施して本格政権を樹立し、その本格政権が経済問題に腰を据えて対応することが望ましい。現在の国会は、衆議院では自公の与党が3分の2以上の多数を確保しているが、直近の民意を示す参議院では野党が過半数を確保している。衆議院における与党の多数を利用した再可決で重要決定を重ねることは、参議院の形骸化を招くとともに、民意を無視した政治であるとの批判を免れない。
総選挙で自公が勝利する場合には、衆議院の意思決定が重みを増すだろう。参議院でも変動が起こり、政界再編が進むことも予想される。これまでの、衆参ねじれによる国会混乱は是正される可能性が高い。総選挙で野党が勝利すれば、衆参ねじれは解消する。民主党中心の本格政権が樹立され、新しい日本が新たな歩みを始めることになる。
11月に総選挙が行われることは、あらゆる情勢から判断して妥当である。民主党を中心とする野党が国会運営で、麻生政権に協力する姿勢を示していることを踏まえ、麻生首相はこれまでの自らの発言を踏まえて、11月総選挙を決断するべきだ。
日本国憲法の条文から、解散権は首相の大権との解釈が生まれているが、仮に首相に解散権の大権が付与されるとしても、その行使にあたっては「公益」が重視されなければならない。「私的利益」に基づく「解散権」行使は、「政治の私物化」と言わざるを得ない。
麻生政権が総選挙向けに「バラマキ財政」の方針を提示する可能性が高くなった。「国民の生活を重視する」民主党の政策方針との相違が見えにくくなる。自民党は「高速道路料金の大幅引き下げ」など、民主党が提示した政策の盗用と思われる政策まで検討し始めた。
しかし、総選挙は今後の4年間にわたって、日本の政治を委ねる「政権を選択する」選挙である。国民の側も目先の「バラマキ」だけに目を奪われてはならない。国民の苦しみが景気循環上の不況から生まれたものではなく、小泉政権以来の「市場原理主義」経済政策によって生まれたものであることを忘れてはならない。
総選挙の争点はこれまで繰り返し指摘してきたように、
@弱肉強食奨励VSセーフティーネット強化
A官僚利権擁護VS官僚利権根絶
B対米隷属外交VS自主独立外交
の三つである。麻生政権が「バラマキ財政」を展開することになるため、@の争点が見えにくくなる。しかし、国民は本質を正しく洞察して判断しなければならない。
「誰のための政治か」、「誰の幸福を重視する政策方針であるか」を考えなければならない。小泉政権の「弱肉強食奨励」=「格差拡大推進」=「セーフティーネット破壊」=「市場原理主義」の政策方針が、一般国民の苦しみを生む原因になった。非正規雇用労働者、働く貧困層が激増し、多くの若者が将来に夢を持つことができなくなった。多くの一般国民が生活の安定を奪われた。
障害者、高齢者、母子世帯などの経済的な弱者が、人間としての尊厳を傷つけられ、生存権を脅かされるようになった。一方で大資本は減税などのさまざまな優遇策で、史上空前の利益を享受した。米国に隷属する日本政府が実施した外為市場でのドル買い介入は、100兆円もの損失を日本国民に負わせる結果を生み出したが、円安で輸出製造業だけは巨大な利益を確保した。
選挙用に「バラマキ財政」が実施されるが、その方法は旧態依然の利益誘導の裁量政策が中心になる。特定業界、特定利害団体が「バラマキ」の対象とされ、政治家が「口利き」で暗躍する「利権支出中心の景気対策」が編成されることは間違いない。
政府の無駄を根底から排除する政策を伴わないから、「バラマキ財政」のツケは、最終的に一般国民に回される。麻生政権が消費税大増税に向かうことは明白だ。選挙で「バラマキ財政」を実行するのは、「政官業外電=悪徳ペンタゴン」の利権を死守するためなのである。
小泉政権が創出した「弱肉強食社会」を「共生社会」に作り変える施策を、麻生首相はまったく示していない。景気対策が発動され、日本経済が回復に転じても、一般国民の生活が改善されないことを、国民はしっかり認識しておかなければならない。2002年から2007年にかけての戦後最長と言われた「感無景気」においても、一般国民の生活がまったく浮上しなかったことを忘れてならない。
民主党が提示した政権公約の財源が不明確であると自民党は批判するが、民主党が提示した政権公約には、自民党が手を付けようとしない極めて重要な施策が盛り込まれていることを忘れてはならない。民主党の提案には「天下りの根絶」が盛り込まれているのだ。
2万6千人の「天下り」が送り込まれている「天下り機関」に1年に12兆円もの国費が投入されている。一般会計と特別会計を合計した212兆円の1割にあたる22兆円の財源を、政府部門の無駄を根底から排除することによって捻出するとの提案は、決して非現実的ではない。
与野党の政策の決定的な違いは、「天下り」を温存するのか、「天下り」を根絶するのか、という点に存在する。麻生政権は「日本政策金融公庫」、「日本政策投資銀行」、「国際協力銀行」の「天下りパラダイス」を完全に温存する姿勢を明確に示している。「官民人材交流センター」による「天下り体制強化」も全面的に支援する姿勢だ。
「官僚」や「大資本」を優遇する政治を排除して、「国民生活」を政治の中心に位置付けることが「政権交代」の最も大切な意義である。民主党が政権公約で示した施策は、すべてが「一般国民」の生活を支援するものである。日本を、「大資本」と「官僚」の利益だけを追求し、「一般国民」を不幸にする「弱肉強食社会」から、「一般国民」が幸福に生きることのできる「共生社会」に作り変えることが「政権交代」の意味である。国民は目先の「利権支出バラマキ」に惑わされてはならない。
これまでの日本外交は「対米隷属」だった。日本国民の利益を損ねて、外国資本に利益供与する政策がまかり通ってきた。どれほど、米国の力が強くても、不正義の戦争に日本が加担することを、本来、日本政府は許すべきではなかった。米国に対しても「言うべきことは言う」政府でなければ、国際平和と日本国民を守ることはできない。
すべての国民が幸福を感じて生きてゆける社会をつくること、そのために、大資本と特権官僚への優遇を取り除くこと、米国に対しても言うべきことを言うこと、これらの基本原則に則った新しい政府を樹立するかどうかが、総選挙で問われる。
有権者は目先の利益誘導の罠に嵌(はま)り込んではならない。有権者は、「政権選択」の意味を正確に把握し、争点を明確に認識したうえで、政権を「選択」しなければならない。
月刊誌の活字にまでして総選挙で民意を問うことを宣言した麻生首相が、これ以上逃げ回ることは許されない。補正予算を編成し、追加景気対策を決定したら、速やかに衆議院を解散し、総選挙を実施すべきである。有権者は「政権選択」の意味を正確に把握して、重大な判断を下さなければならない。日本の命運を定める総選挙になる。
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